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理不尽な世界の恋愛模様  作者: 鵺織深尋
《第一章》前途多難な学校生活
5/18

一歩進んだのかな……

「ったく…で、何の用?」

机を下から這い出してきたのは、竜成だ。

「いや…べっつにぃー。」

うざい。まぁいいや。

「たーつーなーりー!!何してんの?」

ほらきた。雫が竜成に問いかける。

「あんた、隣のクラスでしょ。」

「えぇー…友達に会いに来るのはだめなのか?」

「てゆーか何イチャついてんの?新手の嫌がらせかい?」

「「そ…そんなわけじゃ……」」

二人してうつむく。へぇー、竜成が顔を真っ赤にするなんて、珍しいもんが見れたんでよかったです。

まぁ、今みたいなやりとりを続けて、気づけば早くも五月に入っていた。あいも変わらず下駄箱偽ラブレターは続いている。いつになったらやめんの?

俺はさっさと帰りの支度を整えて、

「んじゃ。おさきにー」

「え?ちょ、あっ…待てよ!スズ」

「竜成まで!?待ってよー」

「竜成こっちじゃないだろ…」

なんだかんだで、並んでエスカレーターを降りる。俺も最初は驚いたが、もう慣れてしまった。順応って怖い…。

「ん?なんだこれ…なになに?四時に屋上に来い………今度はなんだ?」

「あれ?スズどした?」

「ああ…用事ができた。先帰ってていいぞ、雫。」

「俺は!?」

「知らん。」

「スズ…用事って、また偽ラブレター?」

「そう…だけどさ。もし、ホンモノだったらその人に申し訳ないじゃん。」

「……さすが、スズ。どうせ断るくせに」

「ああ…」

「まぁいいわ。好きにしなよ。スズの自由だし…じゃあ、帰るね…」

「お、おう。またな」

俺は、元来た道を引き返し屋上へ向かう。時間は、四時二分ちょっと遅刻だ。

「遅いなぁ…村上くん。もう、帰っちゃったのかな……変な手紙ずっと入ってたし……。」

「あ……あのー…」

「!?ひゃ、ひゃい!」

なんだこの反応は…。

手に持っていた手紙を広げ、

「この手紙を書いたのはきみですか?」

「はい…そうです。」

「そう…で、何の用かな?」

「えっと、その…」

……なにこの空気。甘すぎて咳き込むレベル。

「……。」

「………。」

「……………。」

どうしたらいいん?死ねばいいのかな?それとも爆発かな?俺は短気だから帰るね…。

「村上くん!」

「はいっ!?」

急に呼ばないでくれ…。

「その…うまく言えないんだけど、あなたの事が好きです。付き合ってください。で、でき…れば……結婚を前提に………。」

はい?今、結婚を前提に…とか言わなかった?

「い、いや!その…嫌でしたら、フってください。」

と、言われてもどうしろと…え?断るんじゃなかったのかって?バカいえ。今断ってみろこの子絶対泣くぞ。女の子の涙は見たくない。誠に自分勝手だけどな…。

「ふぅ…あー、考える時間をください。」

「分かりました。いいお返事待っていますね。」

めっちゃかわいい笑顔で言って、去っていった。

「ん?そういや…あー!!あの子の名前聞いてなかった…。まずいな…。」


     ◇     ◇     ◇


あの事件の翌日、昼休みにて昼食をとりつつ聞く。

「なぁ…雫、どう思う?」

昨日の放課後あったことを洗いざらい全て話す。

「…まぁいいんじゃない?」

「どうゆう意味だっ!!」

「お似合いだって言ってんの。」

ふーむ…怒ってる?でもしょうがないか…昨日勝手に突っ走ったんだし。

「その子、誰かわかったりする?」

「当たり前じゃない、スズと違って人気者だから、私。」

やっぱり怒ってらっしゃる。リア充爆発しろ!

「えーと…名前はね、」

「小花衣真璃っていう名前でー、何でもいいとこのお嬢さんらしいよー。」

「なんで、セリフ取ったの!早稲田さん。」

「えー…なんとなく、絡むと面白そうだったから、かな?」

「………スズ、何で告られたの?」

「え!?無視っすか。」

「早稲田、めんどくさい。」

「鈴之介くん…あんたには、言われたくないよ!」

「何だと!この女装男子!!」

「ギャー!それは言うなって言ったろ!」

「もうみんな、知ってるぞ。」

「ウソ…だろ?もう帰る……もう帰るぅー!!うわーん。」

あ、帰っちゃった。ま、いっか☆

「はぁ、女子の目線が痛いから。浮気なの?みたいな目はちょっとアレだから、じゃあね。」

「あ、ちょ…待って!」

くっそ、無視られた。しゃあない、腹くくるか。

入学式の時にもらったクラス分けのプリントを取り出す。えーと…小花衣、小花衣っと、あった。へぇー、隣のクラスなんだ。あと、竜成も同じクラスらしい。気づかなければよかった…。

「失礼しまーす。小花衣さん、いますか?」

なんか、俺の姿を見て反応したやつがいるけど、それは無視してトコトコ歩いてきた少女に

「昨日と同じ場所でいいかな?昨日と同じ時間で。」

少女は、「やった」と小さくガッツポーズ。かわいいなぁもう。

俺は「じゃ」と手を振る。自分の教室へ戻る途中、ふと考える。

どうして彼女のようなかわいい子がなぜ俺に?数少ない交友関係をフル活用して何とか集めた情報によると、告白してきた男子全員をフってきたのだという。なぜ俺?


放課後、待ってもなかなか来ないので、教室へ迎えにいくと、机に突っ伏して寝ていた。教室に入り、揺すってみると

「むにゃ…ん?ひゃ!あうあうあう…」

うん…かわいい。

「す、すみません!昨日はなかなか寝付けなくって。」

「いや…別に気にしなくていいよ。俺も寝られなかったから」

そのまま屋上へ向かう間、無言で過ごした。おかげで、心臓が痛い。なんかやたら、鼓動が速い。後で病院行こう。

そうこう考えていると、屋上に着いた。

昨日と全く同じ位置に着く。

「昨日の返事をしようと思う。」

「…。」

「昨日の告白は、勇気を持って言ってくれたのは分かる。だけど、俺は…」

いや、やめておこう。この事は容易に話すべき事ではない。だから代わりに

「俺はきみの事をあまりにも知らなさすぎる。」

はぁ?何言ってんの?コイツ……俺です。そして、目の前にいる少女は涙を落としていた。そんなつもりじゃ……。

「そうか…もう、覚えていないんだね……。」

「あー…だから、その…なんだ、こんなクズではありますが、よろしくお願いします。」

「え?」

そう言って少女は泣き顔のまま顔を上げる。

「うぐっ、ひっぐ…ありっ、ありが、とう。フられちゃう、と思っ、てたから、ひっく、ありがとう。」

ありがとう、ありがとうと少女は何度も繰り返した。

「なんか、ごめんな…。」

「いいの、いいの…私の早とちりだった訳だから。村上くん…よろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしく。」

…果たしてこれでよかったのだろうか?俺の選択が間違っていないことをただただ望む。

「あの…下の名前で呼んでもいいですか?」

「ん?ああ…いいよ。」

「じゃ、じゃあスズ…くん」

「何?どした?」

「えと…名前で、呼んで欲しいです。」

うわーお…マジっすか!?なんてアドベンチャーを…まぁいっか。

「…真璃……さん。とりあえずさ、寒いから帰らない?」

「そうですね。では帰りましょうか。あ!あの…メールアドレス教えてください。」

「んじゃ、ほら…寄越せ。」

「へ?あっ、はい。」

俺が差し出した右手に、真璃の右手…お手?

「いや…ケータイ渡して欲しいんすけど…。」

「え!?あっ、ああ…そうでした。すみません…。」

ケータイを受け取り、ちゃっちゃか打ち込む。

「はい。試しにメール送ってみ。」

頷き、メールを打っている…。

テロレロリン☆

なんだこの着信音は…最後に星みたいなのが付いてた気がする。

「おし…オッケーだな。じゃ、帰るか。送って行くよ。」

「ありがとうございます。」

てなわけで、家に向かっているんですが…どう考えても、俺も住んでるマンションです…。何これ?

「一応聞いておこうと思うんだけど、部屋番は?」

「一八〇四ですよ!お隣ですね。」

「え!?知ってたの?」

「はい、毎日見かけてますよ。だから、告白…したんですよ。」

そうだったんだ…両隣が同じ学校の女子かぁ……なんか、嫌な予感がする。

「というわけで、着きましたし…では、また明日…。」

「お?おう…また明日な…。」

これで、さらにおかしな事になっていくとはねぇ思わなかったんだよ。俺も。

すみません。テストで投稿が遅れてしまいました。この小説を楽しみにしてくださっている方、いつも読んでくださってありがとうございます。これからも、日々精進いたします。



追伸

失踪するときには、ちゃんと報告します。なので、次回もお楽しみに~。

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