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理不尽な世界の恋愛模様  作者: 鵺織深尋
《第一章》前途多難な学校生活
4/18

〈大告白大会〉にて…

やはり俺はどうにもいじられる立場になってしまったようだ。雫も距離感をつかんだのか、入学初日ほどべったりひっついてこなくなった…ふぅ、いろいろ助かった反面まだ慣れない。朝学校に来て下駄箱の中を覗くと、手紙が入ってた。中身は…〈すきです〉と書いてある。差出人不明だ。くしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てる。ここ最近、こんな手紙が頻繁に入っている。やっぱり俺も男の子だ、〈すきです〉というワードに反応してしまう。まぁ、その反応が面白いからいじっているのであって、だから終わる気配がしない…つらいよぉ~…泣きたいよぉ~……………マジで辛い。

「はぁ…引きこもってやろうかな……一応高校で習う範囲はもうとっくの昔に(実際には小五の時点で)終わってるしな。」

「そんなこと言うなよ~なぁ~なぁ~スズ~。」

「うわっ…と、なんだ流れ星くんか…驚かせんなよ。」

朝から若干へこんでる所に、変な奴(自称俺のトモダチを語る人物)がやってきた。うぜぇ。

「だから…違うってば!た・つ・な・りだってば!!もうこれで何回目だ?」

「さぁ?三回目?」

「違ーう!これで十回目だッ!!」

「んー?そうだっけ?まぁいっか」

「よくねーよッ!!」

なんてやりとりをもう十回も繰り返している。なんだかんだで、これは仲がいいと言うのかな?まぁ…いいや。

「おはよー、スズ。…と、誰?」

「た・つ・な・りだッ!!」

「あはは、おはよう雫」

なんてやりとりを交わす。この時には分かんなかったんだよな~…マジで。

んで、今言葉を交わした二人がこの学校における俺っちの友達…おい誰だ、友達が少ないのをバカにしたやつは。許さんぞ。

「おっはー!なんだ!?この乱れた空間は!!」

「乱れてねぇっての。えーと…はやいなださん?」

「ちっがぁーう!わ・せ・だ!早稲田わせだだってば…いい加減覚えてよ!もう…」

「ごめんごめん。ちょっとふざけてみた。」

げきおこプンプン丸だね。誰のせいだ!俺のせいだ!!

「まぁ…いいよっ!別に。いつもいいもん見せてもらってるし。」

何を見てるかは、聞かないでおく。

キーンコーン、カーンコーン

「うおっと、じゃあな、スズ!雫!」

また、風のように去っていった。

「あいつ~!!どさくさに紛れて名前呼んだな!」

「別にいいんじゃない?減るもんじゃねぇしな」

ガラガラガラガシャン

「はーい、みんな席に着いて~。ほーむるーむをはじめま~す。」

佐津川先生が、今日の予定について話す。

「今日は、なんと一年生のレクがあるので体育館に移動してくださ~い。」


    ◇     ◇     ◇    


というわけで、体育館に全七クラス約三百人近い生徒が集まった。むさ苦しい。元々、人混みは苦手だ。得意な奴もそういないと思うけど。

「なぁ、雫。レクっつても何するんだ?」

「さぁ…まぁ、こんな学校だし…何するんだろ?」

『はーい。整列…してるな。えー、ただいまより一年生恒例の〈大告白大会〉を始めます!』

…………………。

「えええええぇぇぇぇぇ!?どうゆうことだよ!」

『もちろん皆さんは分かっていると思いますが、この学校では卒業資格の一つに結婚する事、という項目があります。卒業資格の項目が一つでも満たされないと永遠に卒業出来ません。なので、昨年よりこの企画をさせていただきました。ということで、頑張ってください。我々教師一同、一組でも多くカップルが出来るのを祈っています。』

マジかよ…この学校頭おかしいんじゃねぇの?ははは…どうしよう………。

「月村さん…結婚を前提に付き合って下さい。お願いします!」

「え?え?」

おっ、早くも雫は告白されたようだ。確かに、雫はスタイルもいいほうだし、顔もいいほう…っていうか美人だ。気配りもできて……あれ?カンペキじゃね?スペック高すぎだろ。

で、告白してきた相手は……………え?おいおい、嘘だろ?マジかよ…相手はー、その、竜成だった。何考えてんの?ほら…雫もパニックになってるし…あと、雫さん…なぜ俺をちらちら見てるんだ?

「え?あー、じゃあその…よろしくお願いします。」

「「え!?マジで!?」」

なぜハモる。竜成くんよぉ。

『おー!早くもカップル成立だぁぁぁ!』

「おい、そこの教師。何実況してんだよ!」

っていうかほんとに?それ(竜成)でいいのか、雫よ。

「まぁ…イヤになったら別れればいいしね!」

雫さん…カッコ良すぎだな。

「そうか…雫は竜成と付き合うんだな…」

「なにその意味深発言。大丈夫だって!スズにもちゃんと来るから!」

「いや、別にいいんだけどよ…っていうかむしろ、来ないで欲しい。」

「なんで…って…ああ……ごめん…」

「まぁ…幸せになれよ。俺の分まで。」

「どうしたんだよ~スズ。まるで死ぬ前みたいじゃん。」

「事実だからなぁ…。んじゃ、お邪魔虫は消えますわ。」

そう言い残して俺は、体育館の端へと去っていった。


     ◇     ◇     ◇


で、例の〈大告白大会〉で大半の生徒がカップル成立していた。ま、関係ない関係ない。

「んで?今日は終わりか?」

雫に問いかける。

「多分もう終わりだと思うよ。みんな疲れてるし。」

「そうか…じゃあ、俺帰るわ。行くとこあるし。また明日。」

「うん…バイバーイ。」

さて、どうすっかな?行くあてはない。今家に帰ろうとすれば、雫に会うかもしれない。久しぶりに本屋にでも行くか…。

本屋に向かい歩き出したところで、ケータイがなる。珍しいな…電話がかかってくるなんて。

「はい…もしもし。どうしたんだ?帝翔たいが…」

『あ!兄さん?ちょっといいかな…』

「なんだ?もったいぶるなよ。」

『驚かないで聞いて…兄さん。父上が…』

「クソ親父がどうしたんだ?」

『今朝、いなくなったんだ。遺書と思われる手紙を残して、ね。』

「ふーん。で、なんて書いてあったんだ?」

『えーと…要約すると、父上は僕に王位を譲るってさ。』

「またえらく短いな…」

『そーいうことだから、王城に来て!』

「なぜだ?俺が行かないといけないんだ?俺は、あのクソ親父に追い出されたんだぞ?戸籍上だって、家族でも何でもないんだ。だから俺は行かない。じゃあな…」

『え?ちょ…待ってよ!兄さん!!…ブツッ…ツー…ツー…ツー…ツー…。』

あんな奴知ったこっちゃねぇ!!

もういいや…帰って寝よう。

今日は、いろいろありすぎた。これで疲れない奴いたら、よんでこい。

猫背でトボトボ歩いていると、

「お!スズじゃん。やっほー」

「ん?ああ…竜成か…どうしてこっち側に?お前んち向こうじゃなかったけ?って…ああなるほどな。」

「おい、スズ。何を察した?」

「いや…なにも」

「そうか…」

「そうだ…」

会話終了。

「まぁ…その、なんだ。雫をよろしく。結構竜成の事気にしてたみたいだし。ガンバ。」

「言われなくてもそのつもりだってば…」

「で?雫はどこへ…」

「先帰るって、帰った。なのに、家には来いと。期待しちゃってもいいのかな?」

「さぁな」

なんて、会話をしつつ思い出す。雫は一途なのだ。恐らく、イヤになったら別れると言ったのも建て前だろう。俺は、もう少しだけこの二人の行く末を見てみようと思った。

すみません。2日に一本出したかったのですが、私は学生…しかも受験生なので今後さらに不定期更新になると思います。申し訳ありません。

誤字脱字がありましたら、ぜひ報告していただけるとありがたいです。

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