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理不尽な世界の恋愛模様  作者: 鵺織深尋
《第二章》選択せよっ!!恋人週間…花の出番
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風邪と誓い〈真璃の恋人4日目〉

うーん…風邪もどきは、治った。だけど、真璃が風邪をひいた。誰のせい…俺です、はい。

「へっ、くち…スズ…ティッシュちょうだい」

「ほーい、なんか欲しいものあるか?」

ティッシュを箱ごと渡し、聞いてみる。

「…うーん……スズの愛、とか?」

「なぜ疑問形…愛って、例えばなにすりゃいいの?」

うーん、と真璃が考え込み始めた。考えるな…熱があがるから。

「ちゅー、して?」

……真璃?確かに、病気にかかると人に甘えたくなるって聞いたことあるけど…なんか幼稚化してる気が…。

「ちゅーは、ちゅー、ちゅーしてよぉ!!」

「風邪うつっちゃうだろうが!!」

「いいもん!うつってもいいもん!!」

「俺がよくねぇ!」

「むぅー!」

真璃が頬を膨らませて、不機嫌を表している。

「…わかったよ…一回だけな?」

「んふふ…ぃやったぁ!!ちゅー、ちゅー」

真璃が顔を近づけてくる。目を閉じ、俺からちゅーするのを待ってる。

はいはい…しますよ、いいって言ったもんな。

ちゅっ…ちゅーーーーーー!!!?

長い長い長い長い長い長い長い!!

がっちりとホールドされているから、抜け出すのも至難の技だ。あと、このとてつもなく柔らかい2つの何か…の感触を味わっておきたい。のも山々なのだが、いかんせん俺も男だ。いろいろまずいことになる。あ、でも真璃は結婚を前提に…とか言ってた気がする…ならいいのかな?いやいや、ダメだろう…多分。

「…ちゅ…ん…はぁ…ちゅ」

真璃の息継ぎや熱が艶めかしすぎる。頭もだいぶおかしくなってきた…元からか。

「…ちゅ、ありがとうスズ。元気になりそう」

ようやく真璃のちゅーから解放された。嫌みの1つくらいは言ってもいいと思う。

「はぁ…俺がまた風邪ひくかもな」

「その時は、私が看病するよ」

「病人が何言ってんだ、自分の病気を治してから言え」

「はーい。じゃあお休み」

「よく寝て、さっさと治せ」

「すぅ……………すぅ…すぅ……すぅ」

返事の代わりに寝息が聞こえたのでよしとしよう。

さぁ…今日はどうしようかねぇ…、なんだかんだで外に出るときは真璃と一緒だったしなぁ。

そろそろ買い物にでも行こうかな?食材も切れそうだし。1つ、思ったんだが…どうして、医者がこない?小花衣家の跡取り娘だろうが…。まさか…いや、さすがにそれはない。そんなこと考えるのはあとだ、あと。とりあえず買い物に行かねば。


…結構買っちゃったな。明日はカレーにするとして…今日はおかゆだな。さっさと帰ってやらんとな。

マンションに向かい歩いていると、電柱にもたれかかっている…どこかで見たような…あれはうちの制服だ。なら、学校のどこかですれ違ったのかもしれない。

スルーしようと思い、通り過ぎようと前を通過する瞬間、世界がひっくり返った。のではなく、俺がひっくり返ったみたいだ。

「あら…不思議。目の前でこけないでもらえるかしら」

「え?あ…はい。すみません…」

「謝罪するのは、間違っているわよ」

「ああ…そうですね」

なるほど、俺と話がしたかったみたいだ。ならわざわざ、こかさなくてもよかったんじゃ…。

俺をこかしてまで、話したかった少女は渡瀬さんだった。あの光の見えない暗い瞳は忘れられない。

「その…少し、いいかしら?」

「えーっと…ちょっと待ってもらえますか?これ…置いてきますから」

「そう……ならいいわ。またの機会に…」

「ごめん…んじゃ、また今度」

マンションの方に振り返り、歩き出そうとする…なんとなく振り返る。…もう、渡瀬さんはいなかった。


マンションに戻ると、ちょうど昼時だった。

おかゆを作ってやらないとな。お腹空かしてるだろうし。にしても…俺の部屋の方から物音が聞こえるのは気のせいだ。絶対に気のせい…なのかな?気のせいだと信じたい。

「ふぁあああぁ…あれ?帰ってたんだ、っくしゅん!」

…なぜ俺の部屋から出てきたんだよ。

「おはようさん。もう少しでおかゆできるから、ちょっと待ってて」

「はーい」

元気…なようにも見えるけど、念には念をだ。まだ、外には出さないからな。

「ねぇ…スズさ」

「お?どうした」

「甘えても…いいかな?」

…朝から十分甘えてた気がするけど。

「うーん…まぁ、いいぞ。病人にはその権利があるからな」

「やったぁ!!」

さぁ…問題は、どんな風に甘えてくるのか、だ。

「よし…でけた」

おかゆを持ってリビングに戻る。

「ほら、食え」

「…食べさせて。ちゃんと、あ~ん♡って言ってね」

くっ…恥ずかしい事させてくれるじゃねぇか。普通に恥ずかしい。けど、多分真璃なりの甘え方なんだと思う。そうじゃないと、かなりヤバイ。

「…あ、あーん」

「違うよ!あ~ん♡って感じで」

ずいぶんと細かいですな。

「…はい、あ~ん♡」

「はむ…おいしいね」

恥ずかしい…悶え死ねる。

恥ずかしさを紛らわそうと、ぶっきらぼうに

「…ったりめぇだ。俺が作ったんだからな」

って聞いてないのか。まぁいいや。

ほんっとおいしそうに食べるな。真璃は。

くぅぅぅぅう…

「ぷっ…スズもお腹減ってるんでしょ?食べなよ」

くそぅ…鳴ったのは俺の腹か。

その音を聞いて、真璃が手元のおかゆに目をやる。

「…はい、あ~ん♡」

「……いや、いいから」

くぅぅぅぅう…

「はい、あ~ん♡」

「…はむ、うまいな」

自分で言うのもおかしいが、うまかった。

真璃の手が止まっている…さっき俺が口に入れたレンゲをじっと見つめている。ちらっと、こっちを見た後、レンゲをしゃぶりだした。

「うわぁぁぁあ!?何してんだよ!」

「ふえ?へふにへんへひゃふってふはへはほ」

「何言ってんのかわかんない…レンゲ出してからしゃべってくれ」

レンゲを口から出して

「へ?別にレンゲしゃぶってるだけだよ」

「…そうか」

「そうだよ」

今度は、俺をじっと見つめている。…なんだよ。

「ぎゅー、して?」

「…ぎゅー」

「そうじゃなくて、ハグ、ハグプリーズ」

…ダメか。ふざけて、無かったことにしようと思ったんだけどなぁ…。しゃあない、病人だしな。なるべく優しくしてやらんとな。

「…ほら…こいよ」

ダメだやっぱ恥ずかしい。

「ぎゅー!!」

口に出さんでいい!

…ああ、ヤバい。なんで女の子ってこんなにいい匂いがするんだ…頭がくらくらしてきた。それに、柔らかい。

「ふふふ…あったか~い…頭もナデナデして~?」

「わかったよ」

頭をナデナデしてやる。

「~~~~~~~~~~~~っ!!」

声にならない嬉しさらしい。あと、今更だけどね…顔がものすごく近い。彼女の嬉しそうな顔を見ると、思わず表情筋が緩む。かわいいなぁ…。

「…はっ…はっ…はっ…はっ…」

「どうした?真璃、息が荒いぞ」

あれ?さっきと顔が違う。目が血走っている。

「はっ…はっ…はっ、スズ…スズ…」

俺の胸に顔をうずめる…のはいいんだけど、ね?

「はっ!!まさか…やっぱり、熱あがってるな」

だから…あれほど言ったのに。

俺はそのまま抱きかかえて、ベッドに運ぶ。

汗、かいてる…拭いてやらないと。

パジャマを脱がせると、白く綺麗な肢体があらわになる。他意はない!

汗を拭いて、着替えさせる。

「…えへへ、ありがとう」

「看病するのは、当たり前だ。治ったら、何でも言うこと聞いてやるから、さっさと治せ」

「はーい……………すぅ…」

寝たか。ちゃんと治せよ。んじゃ…晩飯でも作るかな…ん?

若干引っかかりを覚えて、その発生源を見ると真璃が、俺の服の裾を握って寝てる。

ふっ…かわいい奴め。

「わかったよ…君がそう望むのならば、俺は君の傍にずっと居てやるよ…」

はい…お久しぶりです。十日ぶりの投稿です。

言い訳をさせてください!!

…活動報告でも、書いたとおり、いろんなジャンルを書いていました。そういった経緯で遅れてしまいすみませんでした。

次回も投稿が遅れそうな気がします…頑張って書くつもりですけどね…。

次回もよろしくです!

ではでは、ばいにゃら~

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