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理不尽な世界の恋愛模様  作者: 鵺織深尋
《第二章》選択せよっ!!恋人週間…花の出番
12/18

デートと指輪、あとお風呂〈真璃の恋人2日目〉

……なんぞ、これ。下駄箱に紙とか、ちょっと前にもあったけど。あれか…ここ最近、鳴りを潜めていたいじめ…じゃない、いがらせがまた始まったのか。でも前のと、手口は似てるけど、違う奴のようだ。だがまぁいい、気にしなければいい話だ。

俺はそう思い、紙に書かれた内容を見ずに捨てた。この紙が、ちょっとした事件を巻き起こす事になるとはな…。


そして何事もなく、昼休みを迎える。

「やっはー!一緒にご飯た~べよっ!」

久しぶりに聞いたような声の発生源は早稲田だった。今日は珍しく雫は休みらしい…どうでもいいが、竜成も休みだ。何してんだ?バカップルめ…。

「いいよ…別に…」

「やったぁ!!」

「最後まで聞け。アホが…」

俺は遠慮して、一人で食べるから…っていうつもりで言ったのに…ポジティブ思考め…。

なし崩し的に一緒に食べることになった。

「ねぇ…なにかあった?」

「いや…別に…」

そういや、さやかはともかく、真璃まで来ないとはな…珍しいな。いつもなら真っ先に来て食べ始めるのに。…気になる。探しに行こう。

昼飯もそこそこに、席から立ち上がる。

「どこに行くの?トイレ?」

「うるせー女装男子」

それは言うなって…なんだーかんだーと騒いでいる奴は放っておき、校内で聞き込みをすると、どうやら屋上に向かっていったらしい…。

屋上のドアに手をかけ、開くと…普通に飯食ってた…。

「あれ?スズどうしたの?お昼もう食べた?」

真璃にそう言われ、中途半端に食ってた事を思い出す。

きゅぅぅうぅぅう…

くっそう…なんで今鳴るんだよ!恥ずかしいよ、ちくしょう…。くすくす笑うな…。

「おいで、スズ。食べさしてあげる」

「いや…いいよ。気にす…」

きゅぅぅうぅぅう………

「ほら…、あーん♡」

「…はむ…」

恥ずかしがる必要ないじゃん…だって、真璃とさやかの弁当作ったの俺だし…うん、違った。恥ずかしいよ…人が口に入れた箸で食べるのはなぁ…食べた後で気づく。痛恨のミスだ。しかも、真璃は俺が食べた後の箸を舐りだすし…何これ。


「…ふぅ。ご馳走さまでした」

「お粗末様でした…と、このあとどーする?」

俺が聞くと真璃が

「うーん…デートしよっか」

「…おう」

確かに、“今”は恋人だからいいけどさぁ…恋敵がいる前で言うかなぁ…牽制の意味とかかな?


と、いうわけで今は大型複合施設に来ています。

……すまん、真璃。デートって何したらいいんですか…。

「なぁ…真璃、すまん…デートって何したらいいんですか…」

「うーん…確かにデートって何するんだろうね?」

「とりあえず、どこ行きたい?」

「服…見に行きたいなぁ…」

ちょっとだけ、恥ずかしそうに言う。うん、かわいい。

「んじゃ、行くか!」

「やった…」

小さくガッツポーズ。思わず頬が緩む。

服…を見に来たのはいいんだけど…俺はどうしたら…。だってここランジェリーショップ…死ねと!!うわぁああああぁん!もう帰りたい…。店員さんの視線がヤバい…。

「これなんかどうかな?」

原色の赤に近い朱色の下着を見せてくる。

…なるべく見ないように…

「ちゃんと見て!!」

「はいっ!!」

何この拷問…新しすぎでしょ。ほんと何これ…。

「いいんじゃないでしょうか…」

反応を見て一通り満足がいったのか、笑顔で

「じゃあ試着してみるね」

うわぁああああぁああ!!あぁぁぁあああああ!!

なんというアドベンチャーを!やめて…精神崩壊しそうになるから…。

「絶対に覗かないでよね!絶対なんだからね!!」

わかりましたよ…覗かないよ?絶対に。

試着を終えて出てくると…うわぁ…なんともいえないな…これ。似合っているには、似合っているのだがな…。なんてコメントしたらいいのか…。

「むぅ~、普通覗くでしょ~!もうっ!!」

「…なんかすみません…」

覗いて欲しかったようだ…ニホンゴ、ムズカシイ、デス。

そして、試着した朱色の下着は買わないらしい…次の下着を探し始めた。

…うん…今だけでいいから竜成来てくれないかなぁ…。

「これはどう?」

今度はピンク色の下着だ。

「いいんじゃない?」

「もう…さっきからそれしか言ってくれないじゃない」

語彙力の低さを思い知らされた…。

試着室に入る真璃………だぁ!わかったよ…行くよ、行けばいいんでしょ!!もうどうにでもな~れ!

覗くとそこには、一糸纏わぬ生まれたままの姿の真璃が…

「きゃあ!!もう…スズのえっち…」

なんで!?理不尽だ!覗けと言ったのは、真璃なのに…店員さんの目が犯罪者を見る目と、ほのぼのとした目で見る人に分かれた!ヤバい…超逃げたい。


結局、ランジェリーショップでは何も買わないで出てきた。真璃は、慌てまくる俺を見て満足したようだ。俺は心臓がつぶれるかと思ったけどな…。

その足で、ゲームセンターの前まで来た。なぜか、恋人つなぎになっていて手汗がヤバい気がする…。ゲームセンターの前を通り過ぎようとしたが、左手がついてこない。真璃が立ち止まって、一つのUFOキャッチャーを見つめたまま動かない。

「…どれが欲しいんだ?……!?」

じっと見ていたのは、先着3名限定の本物のダイヤのついた指輪だった。まじか!?

「これ…」

わかってるよ…。

「…うしっ、やるか?」

パァっと真璃の顔が笑顔になった。逃げれない…。

とりあえず、一回やって失敗したら諦めるだろう…。

と、思ったのだが…このUFOキャッチャーのアームが意外にしっかりしていて、あっさりとれた。よく見ると、指輪は二つ入っていて……。

「うわぁあ!!すごーい!ありがとう!」

「お、おう…」

「はぁ…きれい…」

ダイヤに見とれているようだ。

「あのね…スズ、ダイヤの石言葉って永遠の絆なんだって…これからも一緒に居られるかな?」

「………………」

俺は答えられなかった。真璃も知っているはずだ。ウイルス《グラン》のせいで、いつ居なくなるのかわからないのに、無責任な約束はしたくなかった。でも…

「…居られるだろ。今、一緒に居るんだから大丈夫だ」

「そっか…そうだよね…これからも一緒に居ようね」

「ああ、ゲームセンターでとったこの指輪に誓うよ」

すると、真璃は笑いだしてしまった。ゲームセンターは余計だったか…。

「じゃあ、家に帰ろっか…」

「そうだな」


家に帰ってきた俺は風呂に入ることにした。

はぁ…湯が染みるぜ…ふぅ………。

明日にでも瑞穂に相談しに行こっかな…。

湯船に浸かってリラックスしていると…

ガチャ…!?

風呂場の扉が開き、真璃が入ってきた…!?

なるべく見ないように…

「…まだ入ってるんですけど…」

「…し、知ってるよ?」

緊張してるのか、若干裏声になっている。

「別に…スズにならいいもん」

「お前が困らなくても、俺が困る!」

「…今日見たくせに…」

「あれは、真璃が…覗けって…いうからじゃん」

「…いいの!!」

そう言って湯船に入ってきた。

今の状況を整理すると、湯船に男女が対面で浸かっている…

「アウトだぁあああああぁあああああ!!」

勢いよく立ち上がると、

「はわわわわわ…スズ、前、前」

あ…。

すぐに湯船に浸かった。てゆーか、なんで対面なの?いろいろ見えちゃってるし…。

結局、真璃がのぼせちゃったので、湯船から運び出し、体を拭いて、パジャマに着替えさせた。もちろん、下着もな…。


…今日の感想

指輪、下着、湯船、しんどい…。

えと…鵺織深尋です。いつも読んでくださってありがとうございます。先日、10月29日に視聴者数200人突破、視聴回数500回突破いたしました!!まだ投稿して1ヶ月も経たないのに、ここまで伸びるとは思いませんでした。本当にありがとうございます。このことを深尋に教えるとすぐに復活いたしました。次回からはまた、深尋が書き始めます。

ではでは、ばいにゃら~

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