俺に拒否権はないのね…
どこぞのクソ親父と医者の天野瑞穂のとこから無事に帰って来たわけだが…家に帰ってリビングに入ったらね…なんか、いつものメンバー勢揃い。うん、パニック引き起こしそう。もともと人と群れるのが好きじゃない俺にとっては地獄だ…
「あ、おかえりースズ!」
真っ先に気づいたのはさやかだった。
「……ただいま」
「お?おじゃましてまーす」
「おじゃましてる自覚があるなら帰れバカ」
「いいじゃんかー」
「よくないバカ。っていうか、雫もなんでいんの?」
「呼ばれたからよ。小花衣さんと…」
「どうも、スズの婚約者の雪見澄です!よろしく」
「「「なんで婚約者!?」」」(←俺、真璃、竜成)
あれ?雫は?…なんか納得、しちゃってます。なぜだ…。
「で、なんで集めたの?こいつら」
「…ちょっとね」
「なんだよ…真璃」
「ねぇ、スズはさ、どっちを選ぶの?」
「は?」
何言ってんの?この人。
「さやちゃんと私、どっちと結婚するの?」
「君たちちょっといいかな…話がぶっ飛びすぎて、処理しきれないんだが…どゆこと?」
「…はっきりしてよ!」
「だから、話がぶっ飛びすぎだってば…」
「スズったらいつまで経っても!」
「…いつまでたっても?」
「と、とにかくどっち!」
うーん…難しいなぁ。さやかもそういう対象って訳じゃないし…真璃もなぁ、なんか友達の延長線みたいなかんじだし…もしかして、それのこと?…なんだよ…嫉妬してたのか、さやかに。
「うーん、選ばないはなし?」
「いや、ないでしょ。今まで黙ってたけどさ、こいつだって私一筋なんだよ?もし別れたら、ストーカーとかになりそうだけど…」
「…ストーカーにはならないから…」
竜成が地味にダメージ受けてた。
「そう?まぁいいけど。ねぇお二人に聞きたいんだけどぉ~、スズのどこがいいの?」
真璃は、
「スズのいいとこはね……………」
「ないのかよ!?」
「あ、あるよ!あるに決まってるじゃない…」
説得力ないな…。
「いいとこはね…文句言ってばっかだけど、ちゃんとしてくれるとこ、かな?今日に関しては、きっと私とさやちゃんを傷つけたくなかったからだと思う」
いや、普通にうやむやにできないかと思ってたんだけど…と余計な事は言わないよ?ほんとだよ?
「…雪見さんは?」
「先に言われちゃったけど、まだあるもん!スズはね…たいしてかっこよくもないけど、頭が言い訳でもないけど、スポーツができるわけでもないけどね」
「けなすんかーい!!」
は!?思わずツッコんでしまった…。ごめんさやか。
「だけどね…スズはおっちょこちょいだけど、自分よりも他人を優先しちゃうとこかな?そんなときに限ってよくない事が起こったりして、涙目になっちゃうヘタレなとことか、かわいいんだよね~?」
………………。
「やめて!!恥ずかしいから…」
「ひゃー、ここまでとはね。思わなかったわ。」
「聞いてるこっちが赤面するぞ、スズ」
竜成の赤面とか、誰得?ああ…雫ね。
「ねぇ…とりあえず私達帰っていい?」
おい、やめろ。ここで帰るのはずるい。
みたいな視線を送ると、
「じゃあさ、今日はここまでにしましょう。スズが死にそうな顔してるから…」
はい来たぁぁあああぁぁああ!!神降臨!!
「あ…」
真璃さん…何を察したんですか?
「一週間ごとに彼女をチェンジして、1ヶ月後に選んでもらうってのは?どう?」
悪魔だぁぁあああぁぁああ!!サタンでしたね…。
「死にたい…」
あの後、竜成からメールが…なんでメルアド知ってんだよ…じゃなくて、打開策?なにそれ。
えーっと…マジかよ…俺、死ぬぞ?こんな事やらかしたら…。
俺は1ヶ月後にこの策を実行することを決めた。だって…どう転んでも終わりですよ?仕方ないさ…。
「で、真璃は帰んなくてもいいのか?」
「…私、ここに住みます」
は!?聞き間違いじゃないよな?
「なぜだ…、年頃の女子高生と暮らす男子の気持ちもかんがえて…」
「お願い!さやちゃんと同じ条件がいいの!!」
それを言われるとなぁ…
「わかったから、わかったからさ…恋人の週だけな?とゆうわけでさやか、今から1ヶ月は恋人だけがここで暮らすことにする。家は…真璃の家を借りてくれ、真璃もいいな?反論は認めない。文句があるなら俺に二度と関わるな」
二人とも頭を上下に振る。あまりに速すぎて残像が見える…脳細胞が死ぬから頭は振りすぎないようにな…。
「…で、どっちが先?」
「「………………」」
二人してこっち見るな…。決められないのか。
「くじ引きでいいか?今作るから…」
割りばしに赤インクをつけて即席のくじを作る。
「ほい…っと、選んで」
「「せーのっ!!」」
……どっち?
「あ、私だ。………やった!!」
「いいもん!最後の週はさやかだもん!!」
何はともあれ、決まってしまった。
あとは…まぁ、耐えるだけだ。
「じゃあ、こっちに荷物持ってくるね!」
「ああ……は!?なんで?」
キョトンとした表情になる真璃。小首を傾げてかわいいけど、なんか違う!
「明日からじゃないの?」
「今晩からだよ?」
「…あ、はい」
有無を言わせない!というような顔をされたら、何もいえないジャマイカ…あ、じゃないか。
とうとう、俺の脳みそもおかしくなってきた…。
荷物を運んできた真璃がソファーに腰掛ける。
なんでそんなにリラックスしてんの?
「…ご飯何食べたい?」
うーん、と悩んだ後、真璃は
「グラタンが食べたい。あ、ちゃんとご飯入れてね」
「…ぷっ、それはドリアって言うんだが」
「な…!」
自分の勘違いを指摘され、顔を真っ赤にする。
「わかりました。グラタン、ご飯入りを作りますよ」
「うーっ…ばかにして~!!ドリアを作って!」
「グラタン、ご飯入りじゃなくていいの?」
「いいの!」
ちょっといじりすぎたか…かわいいからさ、ついつい、いじっちゃうんだよなぁ~。
で、ちゃっちゃとドリアを作って差し出す。ちゃっちゃと、って言ってもたっぷり一時間はかけたけどな!
「ほい…熱いから気を…」
「あつ、あつ、あつぅぅううぅぅ!!」
「つけてって言いきる前に食べるなぁあ!!」
あと、熱いからって一回、口に入れたモノを出すな…。
「…ほら、水」
「ありがと」
ったく…しっかりしてるようで、おっちょこちょいなんだから…。
「…はい、あーん♡」
「おう…じゃないよ!?」
危なかった…よく見たら、さっき真璃が口に入れたモノだった。
「…ぶぅ~っ!食べてよ…」
いや、頬膨らませても意味ないから!食中毒ってマジ怖いから…。
「俺のはあるから、自分の食ってろ」
ご理解いたたげたようで、何よりです。それより、さやかが心配だな…料理作れんのか?というより、ガス台とかに背届くのか?そんな事を考えいると…
ピーンポーン!
…うん、絶対さやかだな…。
「はーい、いまいきますー」
ガチャ…
「やっぱ、おめぇか…」
「なんでわかったの!?それよりいい匂い!!ドリアでしょ?」
よくわかったな…。
「どうせ飯作れないんだろ?ついでだ。食ってけ…いいよなー!!真璃!」
「ん?別にいいよー!」
「許可とれたし…上がれ。もう五月といっても寒いし…」
「やったぁ~」
結果、三人で晩ご飯を食べた。いつもどうりだな…。
さて、と…食器を下げ、冷蔵庫からジュースを取り出す。ジュースを飲んでいると、
「なにそれ?」
と、真璃が聞いてくる。普段が普段なだけに、忘れてるけど、いちおうお嬢様だったな…。
「炭酸ジュースだけど?飲む?」
「へぇー…飲んでみたい!」
まるで子どものようにキラキラした目で見ている。その真璃とは別に、外見が子どものさやかは、ソファーの上で寝ていた。牛になるぞ…ああ、だからか…すでに胸が牛並みでした。じゃなくて…ジュースを真璃に渡すと、まじまじと見つめたあと口にする。
「あわわわわ…何かが口の中ではじけ…」
やはり…炭酸に対する耐性はなかったか…というか、なんか真璃の様子がおかしい。
「あう…」
…酔ってる?まさか、炭酸で酔ったの?
「うへへぇ~」
お嬢様らしからぬ声を発しつつ、抱きついてくる。
「何してんだよ!」
「んふふふふ…い、い、こ、と」
だああ!耳元でささやかないでくれ…
「ひっ!!」
声の主は俺。耳を甘噛みされて、声をだすなと言う方がおかしい。
終始、俺は真璃になすがままだった。耳を噛んだあと、唇を奪われ舌を強引に入れられる。ディープキスとゆうやつだ…。うう…お嫁に行けないよぅ…男だから関係ないな。起きて!!さやか、頼む。起きてくれ!!なんて思っていると、真璃の動きが止まった…寝落ち?まぁ…いいや…。
今日の感想
真璃の弱点(暴走点)が見つかって良かったです…。…しんどい。
どうも…投稿ペースが遅めな鵺織です。深尋がダメージを受けて、引きこもっているので私が代わりに書きました。普段の1,2倍になっております。次回からついに2章突入!!…のつもりです。頑張って書きます…失踪しませんよ?するときはちゃんとお知らせします。
ではでは、ばいにゃら~
(…でいいの?かな…)