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物語の始まり

万華鏡に在る硝子の欠片


一度動けば景色は何処へ

魔法界に存在する国“聖安国”。

そこは、若い女王に統治される四季のある東の国。


女王の名はアリア・セシリア。

世界が始まって以来、初めて審判の天秤が選んだ女性審判者だった。


女王アリアは“滝つぼの国”というエルフの国の女王だったが、いまはその国は水底に沈み無く、今や民の移住した聖安国の王となっている。


アリア女王が王位に就いて二年。

国は美しく栄え、世界は平和に満ちていた。


――――――――――見かけだけは。







“夜の一座”という組織があった。

“陰の一座”をひな形に作られた大きな闇の組織は、魔法界を我がものにしようとしていた。


一座の長はグイル・ジャスティス。

“闇の王”とまで呼ばれる、若いが強大なまあ力と闇を持つ男だ。


彼は、主に迫害や人種差別などで傷つき、世界を憎む者を中心に組織を大きくした。

また、生活は豊かで一見幸せそうに見える者の所へも、やって来てはそれを取り込んだ。

人は誰でも闇がある。心の闇が広がったところを彼は突き、その闇を広げ暗黒面へ引きずり込むのだ。

組織は既に、世界を相手に戦争をできる程にまでに大きくなっていた。


まだ大きくなっている。







さて、グイルが相変わらず手下に悪い事をさせている頃。魔法界の全国王が集まっていた。

場所は聖域“エデン”。

かつて、祖先アベルが開いた土地とされている。



「ご決断を、月姫様」

人間の王が言った。


「一国が既に、一座に滅ぼされているのですぞ」

別の人間の王も言った。


「すぐにでも戦争を起こさねば、世界は闇に呑まれることになるでしょう」

エルフの王もそう言う。


「・・・・・」

黒髪のエルフの混血の女王は黙っている。


「審判者月姫。全ては貴女の判断で決まります。賢くご決断されよ」

老人むき出しの小人族の王はそう言った。


「我らは月姫の決断に従うのみです」

中国風の、戦闘民族の刀矢とーやの王が言った。



しばし時が流れ、審判者月姫、聖安国の半エルフの女王は顔を上げた。


凛とした、息をのむほど美しい瞳孔までも青い両の眼が、王たちに向けられる。

王一同は姿勢を正す。


女王は高らかに、美しい声で宣言した。


「開戦です。各国は持ちうる戦力の全てを戦争に使ってください。ただし―――」



アリアの絶対条件を聞いて、大半の王が驚愕した。

少数の王は満足そうに頷いた。

戦争があって歴史は築かれるといっても過言ではないことを見せつけるものを書きたいと思います。


ただ、その血にまみれた身体でも心だけは清らかに輝いた月姫の姿、しかと描写させていただきたく存じます。





ちなみに、前書きのアレはただの“うた”なので読まなくても全然問題はありません。

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