創世記
始まりの前に終わりがあった
終わりのずっと前に始まりがあった
終わりの前には途中があった
だから私は 標の無い道を行く
昔 神が世界をお創りになった
海があり 陸があり 空があり 命があった
人が創られた
男をアダム 女をエバといった
ふたりはやがて 禁断の果実を口にした
ふたりはエデンの園をおわれた
新たな地で エバは子供を生んだ
地を耕す兄をカイン 家畜を飼う弟をアベルといった
ふたりは成長し 神に捧げ物をした
神はアベルの捧げ物のみを受け入れられた
カインは激しく怒った
カインはアベルを誘い 殺した
アベルは死んだ
死んだ肉体から魂は離れ 新たな異なる世界へ行った
女に近い悪魔が神から遣わされていた
悪魔はアベルに云った
「私の力を与えます 代わりに私を人間の女にしてください」
アベルは受け入れ 悪魔を人間の女に変え妻とした
かくして 魔力を持つ人間が生まれた
アベルは魔力溢れる新世界の王となった
アベルの世界に 数多くの命が満ちた
時が流れ アダムの子孫が次元の歪に落ちた
彼らは魔力を持つ者を恐れ アベルを“魔王”と呼んだ
最初の世界には悪がはびこった
神は大洪水をおこし 最初の世界を滅ぼされた
ノアとその一族だけが 方舟に乗り生き残った
このことから 繋がる三つの世界には呼び名があった
最初の世界は“ノアの世界”
魔力溢れる世界は“アベルの世界”
三つめの世界は“アダムの世界”と呼ばれた
そして時は流れ 歴史が生まれた
この世に真の平和が訪れる日を願って。アーメン。
連載開始を宣言いたします。