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2-3 長い長い長い10秒

ミア:

【大鍛冶場・到着】

ついに三人は、巨大な石造りの建物の前に到着しました。

深夜だというのに、建物の隙間からは異常なまでの真っ赤な光が漏れ出し、周囲の空気は陽炎のようにゆらめいています。


「……うわっ、外までこの熱気かよ。

 中はどうなってやがる」


ガストンが顔をしかめます。

正面の大きな両開きの扉は、内側からかんぬきがかけられているのか、びくともしません。

しかし、脇にある高所の換気用窓や、裏手の炭運び口なら、こっそり侵入できそうです。


挿絵(By みてみん)


ルカ:

「ガルフネットさん、正面突破は時間がかかりそうです。

 どう入りましょう?

 窓から中を覗きますか?

 それとも裏手へ回りますか?」


さあ、作戦タイムだ。

中の様子を伺ってから動くか、それとも「魔法使い」らしく派手な演出で突入する?



私:

「なに言うとるん。

 時は金成やろ。

 なんの為に大魔導師たるあたしをパーティーに招待したんよ。

 まぁ、見とき」


上位古代語の呪文を詠唱し、魔法を発動させる。


「偉大なるマナよ、不可視の力で遮る鍵を開けたまえ……〈アンロック(解錠)〉!」


とりあえず判定が必要なので、カンヌキが開くかどうか確認お願いします。

魔法がかかっていなければ1ゾロ以外の出目で自動成功でカンヌキを開けられるはず。


センスマジック(魔力感知)で2点、アンロック(解錠)で2点消費か………。。



ミア:

「上位古代語や。よーく見ときや!」


ガルフネットが朗々と呪文を紡ぐと、不可視の魔力の指先が扉の隙間から滑り込み、内側の重いかんぬきを軽々と跳ね上げた。


ガチャリ!


という小気味よい音と共に、巨大な扉がゆっくりと開き始める……が、その瞬間、内側から**「ゴォォォッ!」**という爆炎の吐息のような熱風が吹き出してきた!



【大鍛冶場・内部】

扉の向こうに広がるのは、地獄の風景。 中央に据えられた大溶鉱炉は、イグニスの魔力に共鳴してか、今にも溢れんばかりに真っ赤な鉄を波打たせている。


その溶鉱炉の縁に、一人の男が立っている。

右半身が焼けただれ、ボロ布のようなローブを纏った男――“灰被りの”イグニスだ。


彼の左手には、心臓の鼓動のようにドクン、ドクンと赤黒く明滅する巨大な魔晶石**『紅蓮の心臓』**が握られている。


「……誰だ。

 ……ああ、セリカの犬か。

 遅かったな。

 この石はもう、この街の熱を食い尽くし始めている」


イグニスが振り向く。

その瞳は狂気で赤く染まり、足元の鉄板は彼の放つ熱で赤熱しているよ。


挿絵(By みてみん)


「ガルフネット……と言ったか。

 お前も魔術師ならわかるだろう?

 この美しさが。

 ……あと数分で、私はこの石と一つになり、この街に永遠の『夜明け』をもたらすのだ!」



ガストン:

「おいおい、冗談じゃねえ熱さだぜ……!

 ガルフネット、話が通じる相手じゃねえ。

 あいつ、今すぐ止めないとマジでやばいぞ!」


ルカ:

「イグニスの周りに、炎のバリア(ファイア・フィールド)のようなものが形成されています。

 物理攻撃は届きにくいかもしれません。

 ガルフネットさん、指示を!」


【状況確認】

距離:

扉からイグニスまで約15メートル。


環境:

異常な熱気。

毎ターン、わずかに体力が削られるような過酷な環境。


敵の状態:

儀式の最終段階。

イグニスの周囲には炎の守りがある。



さあ、第2話のクライマックス・バトル開始だ!

ガルフネット、最初の一手はどうする?

魔法でバリアを剥がすか、それとも一気にライトニング(電撃魔法)のスクロールを叩き込むか!?



私:

状況把握。中。

まだ行動しません。

私の中で情報を整理しています。


・溶鉱炉は、熱をどうこうできる仕組みが無いから、冷やす方法はとれない。


・壁を破壊した所で部屋を冷やせない。

 結局街を飲み込む爆発が起こるから、意味ない。


・数分の猶予がある。

(10秒が1ターンなので、最低でも2分=12ターンは猶予がある。アンロック(解錠)を使ったかいがあった。。)


・炎のバリアをかき消すか、バリアを突破する攻撃をするか。物理攻撃が効きにくいのは、マズい。


・毎ターン体力が削られるのは、早期決戦しなければならない。そもそも失敗したら死ぬ。

(プロテクションリングで1点ダメージを防いでも、継続ダメージで死ぬ)


・攻撃手段はエネルギーボルト(魔力の矢)か、ライトニング(電撃魔法)のスクロール。

 または精神力を込めまくったスリープクラウド(眠りの雲)で眠らせて無力化。



ミア:

冷静な状況分析、さすが「大人の魔法使い」だね。

今の情報を整理して、もう少しだけ「現場で見えていること」を補足するよ。


炎のバリア:

ルカが見抜いた通り、イグニスの周囲2〜3メートルは熱波が渦巻いていて、並の矢や剣筋は軌道が逸らされるか、届く前に焼き鈍される可能性がある。


イグニスの集中:

彼は今、左手の『紅蓮の心臓』を溶鉱炉の熱と同期させることに全神経を注いでいる。

つまり、回避や抵抗の判定にマイナス修正がつくかもしれない「無防備な瞬間」でもあるんだ。


スリープ・クラウド(眠りの雲)の可能性:

彼は今、極限の集中状態にある。

ここで強力な眠りの魔法を叩き込めば、儀式が強制中断され、反動バックラッシュで自滅させることも狙えるかもしれない。


ガストンの新装備:

セリカからもらった「火の加護がある剣」なら、このバリアを無理やり切り裂いて突進できるかもしれないよ。



【ガルフネットの脳内シミュレーション】


1.速攻:

ライトニング(スクロール)でバリアごと撃ち抜く。


2.制圧:

スリープ・クラウド(精神点全投入)で、儀式を物理的に「止める」。


3.連携:

ガストンを突撃させ、自分は後方からエネルギーボルトでバリアの「穴」を狙う。



「……ガルフネット、指示をくれ!

 あの野郎、石を炉に投げ込もうとしてるぞ!」


ガストンが熱さに顔を歪めながら叫ぶ。


ルカも聖印を掲げ、いつでも防御魔法を飛ばせるよう準備しているよ。


さあ、ガルフネット。

この「10秒」をどう使う?

君の言葉一つで、この街の運命が決まる!



私:

GMへもう1つ確認。

イグニスの左手の紅蓮の心臓は、イグニスが倒れる、または左手を狙い撃ちした攻撃をしたとして、落とした先に溶鉱炉があって一気に熱を吸収するような状況になる位置にある? 

足元は溶鉱炉ではなく、鉄板のようだけれども。


大切な10秒なので、失敗しないようにいろいろ情報を整理せねば。

(下手したら1ターン目で死ぬ)



ミア:

鋭い観察眼だね、ガルフネット。

その確認が勝敗を分けることになる。


現在の位置関係を詳細に描写するよ。


【精密な位置関係】

イグニスの立ち位置:

彼は溶鉱炉の「ふち」、まさに真っ赤に溶けた鉄の数センチ横に立っている。


左手の位置:

彼の左手(紅蓮の心臓)は、ちょうど**「溶鉱炉の真上」**に差し出されている状態だ。


状況:

つまり、今彼が脱力したり、左手を不用意に攻撃したりすれば、石はそのままダイビングするように溶鉱炉へ直行する。



【ガルフネットの懸念(GMからの補足)】

その通り、ただ倒すだけだと「石が落ちて街がドカン」という最悪の結末があり得る。


1.狙い撃ちのリスク:

左手を狙って石を弾き飛ばそうとしても、失敗すれば石を加速させて炉に叩き込むだけになる。


2.スリープ・クラウドの懸念:

眠らせた場合、彼がそのまま「おっとっと」と前のめりに倒れれば、石と共に彼自身も炉にダイブして、即座に大噴火を引き起こす可能性がある。

つまり、この状況で必要なのは……?


相手の動きを止めるだけでなく、**「石を炉から遠ざける」か、あるいは「落ちる前に誰かがキャッチする」**というプロセスが必要になる。



「ガルフネット、あいつの手元を見てみろ!

 炉の真上だ。

 ……下手に手を出せば、あいつ、道連れに石を放り込みやがるぞ!」


ガストンもその危険に気づいて、足を止めている。


ルカは必死にファリスに祈り、何か「石を止める方法」がないか探っているよ。


さあ、この「最悪の配置」をどう打破する?


君の持つ魔法、あるいは仲間への的確な指示(例えば「ガストン、あいつを炉から引き剥がせ!」など)が鍵を握るよ!



私:

なるほどなるほど。

ちなみに、古代語魔法の〈フォーリングコン(落下緩和)トロール〉は、対象の落下速度をほぼ0に近い落下速度にする事が出来るよね。

人間に使用したら精神抵抗されるけれども、紅蓮の心臓は「物」でいいんだよね?



ミア:

さすが「知性の魔法使い」、その呪文に目をつけたか!


【GM判定:フォーリング・コントロールの適用】

対象:

『紅蓮の心臓』は意志を持たない魔法のアイテム(物)なので、精神抵抗判定は発生しません。

**「自動成功」**で対象にできます。

(※注:マジックアイテムは、その魔力自体が抵抗の扱いとなるか、または効果範囲外となるような気がしたけれども私の手元にルールブックが無いし、マスターがそう言うなら、それでおっけー!!)


効果:

石がイグニスの手から離れた瞬間、この呪文を叩き込めば、石は溶鉱炉の熱風に煽られながらも、羽毛のようにふわふわと滞空することになる。


猶予:

落下速度が極限まで遅くなるため、その間に誰かがキャッチしたり、安全な場所へ移動させたりする「時間」が生まれるよ!



ガルフネット、完璧なコンボの起点だ。


「……フォーリング・コント(落下緩和)ロールだと?

 ああ、あの落下を遅くする呪文か!

 確かにそれなら、石が炉に落ちるのを防げる……!」


ガストンが君の意図を察して、腰の「火の加護がある剣」を抜き放つ。


「よし、ガルフネット!

 お前が石の落下を止めるその一瞬、俺があいつを炉の縁から引きずり出してやる。

 ……ルカ、お前は石が浮いたら、死ぬ気でキャッチしろ!」


ルカ:

「……はい!

 2500ガメルの石をキャッチするなんて、人生で一番緊張しますが。

 ……やってみせます!」

(※注:キャッチするのは5点の魔晶石(2500がメルの価値)じゃなくて、爆弾宝石だぞ。価値はものすごいと思うぞ。使い方次第だろ、この兵器。私がGMなら、もっとえげつない使い方をするわ)



【作戦のタイムライン】

1.ガルフネット:

イグニスを無力化(攻撃 or 眠り)、同時に石が手放された瞬間に**〈フォーリング・コント(落下緩和)ロール〉**を発動。


2.ガストン:

イグニスを炉から遠ざけるようにタックル、または弾き飛ばす。


3.ルカ:

宙に浮いた石をキャッチ。


さて、最初の一手。

イグニスをどうやって「石を手放す状態」に追い込む?

強力なエネルギー・ボルト(魔力の矢)で衝撃を与えるか、あるいはリスクを承知でスリープ・クラウド(眠りの雲)で意識を飛ばすか……。


精神点(MP)の消費計算:

•〈フォーリング・コントロール〉:1点

•+ 無力化魔法(エネルギー・ボルトなら最低2点〜、スリープなら5点)


さあ、詠唱の準備はいいかな?

街の運命を決めるダイス・ロールの時間だ!



私:

えーーーーと。

ガルフネットが魔法を使って無力化する、次の瞬間、紅蓮の心臓は落ちる。

落ちたあとに、次のターン開始で間に合わないのでは?


ガストンにイグニスの腕を狙い撃ちしてもらって、ガルフネットが「行動を遅らせる(ディレイ)」のルールでイグニスの腕から離れた瞬間をタイミングよくフォーリングコン(落下緩和)トロール使うしか、選択肢が無いと思われますが。この状況。

なので、イグニスを引き離す役はルカ。


1.

ガルフネットが行動を遅らせてタイミングを見計らう。


2.

ガストンがイグニスの腕を攻撃。

うまくいったら紅蓮の心臓を落とさせる。


3.

ガルフネットがタイミングよくフォーリングコント(落下緩和)ロールを使う


4.

ルカがイグニスを溶鉱炉から引き離す


次のターンで、まだ浮いている紅蓮の心臓を誰かがキャッチする。

(たぶん、空いている人員的にガルフネットがキャッチする)


かなぁと、思うのですが、GMの見解を聞かせてもらえます?



ミア:

さすが、ルールを熟知した完璧な戦略的判断だね!

フォーセリアのルールにおける**「行動待機ディレイ」**を駆使する、これ以上ないスマートな解決策だよ。


「ガストンが落とす→ガルフネットが即座に魔法→ルカが本体を排除」


という、1ラウンド(10秒)の中で完結する美しいコンボだ。


GMの見解としても、この流れが最も成功率が高く、かつ劇的だと判断するよ。


(※注:戦闘が始まる前の作戦会議が長いので、いったん区切ります)



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