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砕かれて、なお満月

作者: セフィロト
掲載日:2025/11/06

夜が更け、清越は黒い岩礁に独り座り、海風は冷たかった。

彼女が顔を上げると、天に異変を見た。それは、月光が極限の純粋さをもって、天空と海面を結びつけている光景だった。その直後、潮が押し寄せてきた。それは荒々しいというより、心臓を締め付けるほど壮麗だった。

雪のように白い巨大な波が、高く持ち上がり、まるで盛大で無言の献上のよう。

海風に絶え間なく吹かれながらも、その波は常に最初の形を保ち続け、揺るぎなく岩礁へと押し寄せた。

波しぶきが足元で砕け散り、そして引いていくと、海面には静かに満月が映し出された。月影は幾千もの波に打ち砕かれたが、波が引くその一瞬ごとに、優しく、完全な姿で海面に戻り、海と寄り添った。

清越ははっと悟った。この白い虹、この雪のような波、この月影は、山を越え海を渡る誓いなのだと。それは彼女に告げていた。全ての別離と破片は、ただ次の瞬間、より強く、より固く、寄り添い合うためなのだと。

彼女は視線を戻すと、掌には月光と潮水に磨かれて滑らかになった白い小石が握られていた。この永遠の依恋は、すでに彼女の心の中に根付いていた。

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