GPT先生の挑戦状②:乙一『SEVEN ROOMES』で「感情を構造で動かす」練習してみた《倫理的恐怖に敗北》
##目的
「怖い」「泣ける」を説明なしで成立させる順序構成を学ぶ。
乙一は“語りの抑制”で恐怖と情動を作る。あなたの構造的筆致との相性が抜群。
『カザリとヨーコ』のレポートが思いのほかすんなりいったので、GPT先生の助言なしに『SEVEN ROOMS』のレポートを書けるのか、試してみた。
以下の感想しか出てこなかった。
★主人公の年齢について
きみホントに十歳? 十歳でそんな難しい言葉使う? ……へーえ、マジ?
★溝の水について
腐臭のする水って、それ絶対硫酸入ってるやつ! 潜ったらやばいよ! ――潜れるんかーい!
(てっきり死体を溶かすためかと……)
★部屋の謎が明らかになったとき
え、普通に女のひと見捨ててるけどっ!? しかも一回だけじゃなく何回も!? 悲劇っぽく書いてるけど、はっ?(シンクロできねー)
★主人公だけ姉弟で捕まってることについて
不自然すぎるよなぁ……。なんで二人とも生かしてるんだろう?
食事はひとり分だから施設側の伝達ミスかな?
★ラストを見て
結局戦うん姉だけかーい! 主人公の頭のよさはなんのためだったんだ……?
以上、これが私の真の実力でした。
さて。
あらためて、GPT先生が寄越した、この短編で得るべき『目的』をふり返ります。
##目的
「怖い」「泣ける」を説明なしで成立させる順序構成を学ぶ。
乙一は“語りの抑制”で恐怖と情動を作る。あなたの構造的筆致との相性が抜群。
「なんか気持ち悪い話だなあ」以外なにも出てこない……\(^o^)/先生! エヴァンゲリオン、発進できません!
GPT先生に相談したら、私のような読み手に、しばしば起こることらしい。
『SEVEN ROOMS』の“戦わない主人公”は、
実は「戦えない状況」ではなく**“戦わない構造”**になってる。
ここがポイント。
乙一はあの話で、物理的な拘束よりも
『精神的な「行動の理由の剥奪」』 を描こうとしてる。
でも、あなたみたいな構造で物語を読む理性的読者からすると、
「論理的に選択肢あるでしょ?」ってなる。
乙一は“説明しないことで緊張を生む”手法を使ってるけど、
理性読者からすると「考えてないように見える」。
だから、今回は『なぜ怖くなかったのか』から、逆に感情制御の構造を読み解けばいい。
《vs ChatGPT:乙一『SEVEN ROOMS』はなぜ怖くないのか?》
【感情の無反応ゾーン】
・「怖くなかった」「共感できなかった」「冷めた」と感じた場面を三つ。
・該当箇所/どう感じなかったか/一言コメント
《目的: 感情が動かなかった=“感情制御の仕掛け”が無効化された箇所を特定する》
①手で体を支えて上半身を起こすと、地面につけた手のひらにコンクリートの無慈悲な硬さを感じた。まわりを見渡していると、頭が割れるように痛む。
⇒数行後に主人公が十歳だと判明する。地の文が達観しすぎていてまったく子どもらしくない。
②異様な臭いを発し、見ずに触れているコンクリート部分は変色しておぞましい色になっている
⇒数行後、『ためらいながら、溝のなかに足を入れた。浅い』。
『汚い水』という描写は長々あったが、人体を損傷させるほどの危険ではない。
実際に、主人公はこのあと何度も溝をつかって部屋を行き来する。
情報収集ターンにペナルティがなく、危機感がない。
③ぼくは一人分として数えられなかったのだ。
⇒捕まえる労力は二人分のはずなのに、一人分として扱われた理由が物語構造上で説明されず、物語上の緊張が解消され、危機のリアリティが下がった。
【構造の観察】
・なぜその場面が機能しなかったのか?
・「なぜ反応できなかったか」を構造的に分析すること。
①視野制限
構造的説明:十歳の男の子の視野が俯瞰的で、成人思考が透けて見える。結果、主人公視点が「子どもの無力さ」ではなく「状況の説明」にすり替わり、恐怖を読み取れなかった。
自分の反応傾向:主人公の精神的恐怖より、物理的危険を重視している。
②感情の削除
構造の説明:登場人物に固有名詞がなく、対象が匿名化されているため、感情の焦点が結べない。
主人公の涙も因果不明で感情の発火点が削除されている。
自分の反応傾向:状況説明が丁寧で主人公に感情的な反応はある分、主体性のなさにイラついた。
③倫理の転倒
構造の説明:該当箇所なし。倫理が揺らぐよりも、危機感の薄さによって緊張感が下がる印象。
自分の反応傾向:とりあえずひとは助けようとしてほしい。
《 目的: 感じなかった原因を「文体・構文・順序・倫理構造」で分解する》
=感情制御の“スイッチ位置”を把握する。
【模写トレ:倫理的恐怖を描く】
倫理的恐怖とは:
「ひととして正しいと思っていたものが裏切られる恐怖」
例)子供が泣いているのに、まわりの大人がだれも助けない。むしろ「うるさい」と笑っている。
例)事故を見て、みんなスマホで撮影するだけ
怖さの核は『壊れた常識』と『それを当然と思う人間たち』
読者は「このひとたち、間違ってる」と思うのに、登場人物は平然としている――その温度差が恐怖を生む。
・ルール:
①「助ける」「救う」「逃げる」を禁止
②語りは常識的、でも状況は壊れている
③150〜300字でOK
ここが本当に難しくて頭をひねったけど、出てこなかった。
いろいろ考えて、ようやくつかんだのは
《つまり倫理的恐怖は、自分のプライドが環境によって殺される》
このあたり。
====ANSWER====
(ここに自分の模写文を記入)
⇒なにも思い浮かばなかった
《目的: 「感情が死んだ筆で、恐怖を生む」練習》
=感情制御を“構造的に”再現する。
【再定義:自分の恐怖センサー】
・自分が何に恐怖を感じるか(or感じにくいか)を整理する。
身体的恐怖:わかりやすい。自己防衛本能を刺激される。
心理的恐怖:身体的恐怖、あるいは関係性が一気に瓦解するものに反応する。
倫理的恐怖:あんまりわからない。恐怖より怒りがくる。
⇒ 目的: “自分の恐怖の地図”を描く。
=感情制御の方向性を設計できるようにする。
《作者の感想》
今回、難しかったー!
倫理的恐怖、なんとなく理解できた気がするけど、『書きたい』と一切思えなかった。
私は『壊れる瞬間』に恐怖を感じるのであって、『壊れたまま続く世界』には恐怖より不快が際立つらしい。
――つまり、私にとっての恐怖は、《状況を受け入れてしまった》瞬間に終わるのかもしれない。




