表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

「奔放なる」神

この奔放たる神は「探していた」…己を甘やかし、よしよしと宥めてくれる「女神」を。

そんな彼が見つけたのは、人間からすると…。

しかし、そんな彼には、まったくどうでもいい事なのであった。

僕は、女の子が好きだ。


あの柔らかそうな「丸み」。


優しそうな「眼差し」。


そして、全てを包み込んでくれる「優しさ」。


そのどれをとっても、女の子っていいものだ。


僕は、「あのゼウス」のように、「女の子」に無体は強いたことは無い。

だって、ただ、「母親」がいない寂しさを埋めてもらいたいだけなんだ。

ただただ、「よしよし」って、抱きしめて良い子だねってしてもらいたいだけなんだ!


僕は、奔放な神らしい。

らしいっていうのは、僕が勝手に聞いた事。

友達の神は、まったくそんな身勝手な願いを持つこともないし、

女の子にそう夢見る事もないそうだ。


僕は、そんなぁ!とショックを受けたものだ。

だって、あの、柔らかい感触。

大人びた「考え」と「思い遣り」。

そして、いい匂い。


僕は、そこまで言って、「変態」と、友達にレッテルを貼られてしまった

哀れな神なのだ。


そんな僕だけど…本当に、女の子に無体を強いた事だけは、ないんだ。

それは、僕の誇りでもあったし、安心安全な僕の「ラベル」でもあった。


そんな僕としての神っていう仕事。

それは、この世界を見守る事。

世界が今日も何とか廻っているのか、それを確かめるお仕事だ。


他の神に言わせてみれば、僕は「ニート」というものらしいけれど。

でも、これだって、僕の大事な仕事だ。


その一環として、僕は、この世界の人間に紛れて、地上の視察をする。

皆、今日も忙しそうだ。


今の僕は、さらりーまん。

会社勤めのひとの恰好をして、カフェでパソコンをいじっている。

見ているのは、「神」への質問コーナー。

僕は匿名で、それにずばずば答えていく。


これも、僕の近代のお仕事。


そんな時、ふっと、光が見えた。


なんだろうと思って、目をやると…いた。

いたよ…いたんだよ…!!!


あれは、女の子じゃない……ぼくの、いや、まだ僕のじゃない、けど女神だ!


薄いこげ茶色の長髪は風に揺れ、ちょっぴり痛んだ毛先すら、狙っているかのような開き具合。

丸っこいその姿は、何故か自信なさげにその背を更に丸めていた。

いっそ、人間達から見たら、ちょっと「おブス」とでも言われてしまいそうなその子。

でも、とんでもない!透けて見える彼女の魂は、これでもかというくらいに美しい…。

僕には分かる…!


彼女こそ、僕の探していた、「女神」だ…!


それほどまで、僕は、「一瞬で」心を奪われてしまった。


これは、逃す手がない。


僕は、こんな日常の一コマで、とんでもない出会いを果たしてしまったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ