ザビル村の発展と・・
ほんの数ヶ月前までは草木枯れ果てる不毛の大地だったザビル村
「我々が窮地に追い込まれタイジ様に救いを求めたのはほんの数ヶ月前でしたな」シュウ
「うむ、飢餓の恐怖におびえわらをもつかむ思いでタイジ様に助けを乞うた・・」ザビル
「おらは夢を見てる気分でごぜえます」村人A
「んだんだ・・このまま朽ち果てると思っていただ」村人B
「そ、それがどうだ、あっと言う間に村は復興しありあまる農作物と思いもよらぬ鉱山開発、そして領地すべてをカバーしても有り余る水力発魔機・・すべてタイジ様のお陰だ」
「んだんだ、タイジ様は生き仏様じゃあ」村人C
「で?今日は一体何の話ですだ?」ザビル
「うん、むずがゆくなるような褒め言葉は結構、これから大事な話をする」タイジ
「は?これ以上なにかあるのでごぜえやすか?」村人D
「今までの事は単に村おこしに過ぎなかったがこれからは我が領に貢献してもらう」
「はは、それでは年貢をいままでの倍って事で」
「年貢の話ではないしこれからは自由農業を推し進める予定だ詳細は後で伝える」
「では一体なんでごぜえますか」
「うん史上初の試みのモデルケースになってもらう」
「も?もでる?・・・それはなんでごぜえますか」
「つまり人類と魔物の共存共栄って事だ」
「はあ・・」
「ここに大勢の人と魔物が移住してくるって話しだよ」シュウ
「だ、無理ですだ。今でこそ食料は有り余ってますがこれ以上増えたら・・」
「勿論食料は大増産するし足りなければ補充する、食い物の心配は絶対にさせない」
「し、しかしこんなど田舎に一体何用で大勢集まるのでしょう」
「鉱山開発とトンネル掘削と研究所建立の為だ」タイジ
「そ、そんな大それた事が出来るのでごぜえやすか?」ザビル村長
「出来るから我々が来たのだ」タイジ
「あの~トンネル掘削って?どこに通すのでごぜえやすか」村民
「当然、山向こうのヤルダートだ」
「ひえーヤルダートは敵国でごぜえやす、そんなことしたら大軍が押し寄せて来ます」
「大丈夫、すでにヤルダートとは秘密条約を結んでるので絶対に襲ってこない」
いやこれは嘘、第一王子が王になったらの条件。だが工事には途方もない時間が掛かるので今から準備は必要とのタイジの判断
「タイジ様のお墨付きなら我々に文句はありません」村民
「と言うわけで圧倒的に人手が足りないのだ」タイジ
「成る程、それで人足と魔物の移民って事ですな」村長
「移民受け入れに先立って村民の皆様には宿舎建設をお願いしたい。当然相応の賃金を支払う」シュウ
「おおっ軍隊以外の男衆にも現金収入の道ですな」村民がにわかに沸き立つ
「これから建築資材の準備等で忙しくなるがよろしく頼む」タイジ
「周辺森林の伐採ですな・・これは腕が鳴る」
「今回は急ぎ仕事なので我が伐採工具一式を支給します」俺
ぞろっと出てきた伐採道具一式
「な、なんですかこれは?」
「チェーンソーと木材専用のバックボーと専用運搬車だ。全て魔道具につき口外禁止」俺
「こ、こんなもん扱ったことがねえだ」
「大丈夫です子飼いのゴブリン兵が全てを操り皆さんに伝授しますので」
この日のためにゴブリン兵全軍で猛特訓済み
「タイジ様、最初は命令口調で威厳が出てきたと思ったのに最後は丁寧語に戻ってしまってますだ。我らには命令口調でないと対外的にまずいです」村長
「あ、おほん、わかった・・っても威張るのはなれないなぁ」俺
「兵隊を猛特訓したのなら主人も猛特訓せねばなりませんな」ケン
「ぐ・・本質が伝われば命令口調でも丁寧語でも同じだろ」俺
「タイジ様は領民40万を治める辺境泊様ですぞ」ケン
「あ、あれ?以前人口20万とか言ってなかった?」
「なにをお戯れを・・人魔共生ではなかったのですか?」ズメル
「あ、そうか人魔合計で40万ねごめんそうだった」
「すごいですぞ、こんな魔道具は初めて・・・今までの10倍以上の効率」
驚愕のザビル村長
「区画整理と水路確保も同時に行います」シュウ
みるみる寒村が・・・発展していく
「驚きました、まさかこの短期間でこれほど広大な土地が開発されるとは」ケン
「ケンが作ってくれた魔道具のお陰だよ」
「いえいえ、考えたのは全て主人、我に発想はできません」
「すべて元世界のモノマネさ」
「何度も言いますが証明出来ませんので全て主人の功績です」ケン
「過大評価されても困るって話。俺の実力なんてたかが知れてるのさ」
「主人こそ自らを過小評価しすぎです。下僕の我らを困らせてどうするおつもりか」ケン
「困らせるつもりはないけどな」
「実際に目を見張る発展振りに誰が主人の能力を疑うというのですか」ズメル
「だがまだ区画整理が終わったにすぎないぞ、これからが本番だ」
「はは、主人の設計した都市開発プラン通りに工事をすすめます」シュウ
突然
「タイジ様~」
遠くからタイジを呼ぶ声・・なんと1ヶ月ぶりにコトミがタイジを訪問してきたのだ
「おお、コトミ君しばらく合わない内にすっかりレディになってしまって」タイジ
「主人、これは擬態でござる、子爵などになってしまったので仕方なしでござる」
「未だに「ござる」口調なの?」
「ま、まさか。普段は子爵に相応しい言葉使いを心がけてます」コトミ
「で、今日は何の用でしょう」
「用がなければお会いしてはいけなのですか?」コトミ
「いや、そんなことはないけどさ」
「お慕い申す殿方にお会い出来る幸せ、それ以外になにがありましょう」
「お、貴族言葉、すごいね」
「もう、主人にはデリカシーないのでござるか?」コトミ
「いや、さすが里の忍軍を束ねる長だけの事はあるって関心してるよ」
「そんな地位はいりません」コトミ
「いや、君にはその実力がある。もっと上を目指すべきだ」
「かいかぶりでござる。我は与えられた任務をこなすだけ」
「だって里忍軍の長襲名は君の父上の命令だろ?」
「荷が重すぎるでござる」コトミ
「なんてたって里忍軍初の子爵だからね、これは父上も長の地位譲るしかないよ」
「お言葉ですが本来わが里は反体制組織、民の味方なのですそんな我が貴族など」
「貴族すべてが敵対勢力ではないぞ。」
「は、重々承知してます」コトミ
「時にはその地位が悪政を正す為に必要になる」
「は、今回の粛清には子爵の地位のお陰ではなはだ効率が上がりました」
「ということはコトミ君は子爵で間違い無かったって証明だよ」
「言われてみればその通りでござる」
「話は違いますがギルドの受付嬢リサが一体いつ夕食ご馳走してくれるのかとプンプン怒ってましたぞ」コトミ
「あー忘れてたよ。もう随分昔の話だなぁ」
「半年も過ぎてませぬ」コトミ
「この件が片づいたらでいいかな?」
「忘れないでくだされ」コトミ
「うん、約束する」
「我にではなくリサにでござるぞ」
「うんうん、リサごめんな」俺
「リサに聞こえてませぬ」
「で、?今日は泊まっていくのか?」
「主人の特注コンテナハウスとやらを見学したく存じます」コトミ
「うん、コンテナハウスは万能宿舎なんだよ。仮設でも常設でもOKの優れもの。縦にも横にも上にも自由自在に連結出来る」
「それはすごいですな。是非軍宿舎として使いたいと視察に来たのです」
「なーんだ結局俺恋しさじゃなくて軍事目的かよ」
「公私の公私です」コトミ
「なんじゃそれ」
「主人に会いたかったのが一番でござる!」抱きつくコトミ
なんと何時もなら煙たがるケンがなんの注意もしないどころか生暖かく見てる
「こらこら大勢見てるんだ控えてくれ」
「もう、我慢出来ませぬ」コトミ
「主人」ケン
「ん、改まってなんだよ」
「そろそろ身を固める時期が来ましたぞ」
「ばかな、俺はまだ10だぞ」
「今日は主人の11の誕生日です」ケン
「え」
「本当に男って・・・」コトミ
「つ、つまり君は誕生日を祝いに来てくれた?」
「ばか・・」キツく抱きしめるコトミ
あちゃーさすが彼女いない歴35年の俺だ、無粋さでは他の追従を許さんな
「なんで俺の誕生日知ってたんだよ」俺
「ギルドカートに誕生日明記されてたでござるよ」コトミ
「女性ってすごいね・・」びっくりタイジ
「好いた殿方にこれぐらいは当然でござる」コトミ
「色恋御法度でパーティ組んだんじゃなかったっけ?」
「最初はそうでした」コトミ
「最初から色恋だったよ」ケン
「ケンうるさい」コトミ
「でも、今はやること多すぎて君と色恋してる暇はないんだ」
「当然でござる我も忙しすぎて目が回ってまする」コトミ
「残念ながら今後はもっと忙しくなるでしょうな」ケン
「うむ、我もそう思う、身を固めるのなら今しかないだろう」ズメル
「これ以上忙しくなったら体壊すよ」俺
「自ら望んで仕事増やしてるくせに」ズメル
「ぐ・・確かにそうかも」
「主人、言っておきますが今後は召喚実験、ヤルダード国王応援、そして領政、最終目標は国王ですぞ。今より暇になることなど数十年先までありませぬ」ケン
「ケン急にどうしたんだよ」
「現実論を話してます。今しか身を固めるチャンスはありませぬ」
「うむ、今すぐ結婚するしかないな」ズメル
「私も賛成です」シュウ
「と言うかシュウ、お前はどうなったんだ?」
「はい、子爵拝命式後に身を固める決心をしました就任式で伝える予定です」
「そっか、それはめでたい」
「だけどコトミ子爵様と俺が結婚したら彼女の地位はどうなるんだ?」
「はい、辺境泊夫人となれば子爵位はアケミ様に移譲となります」セバス
「なんにも問題なしって事か・・」
「なにとぞ良きご返事を」コトミ
「いいのか?こんな開拓中の荒れすさんだ場所で祝言などして」
「心から祝っていただける同胞がいます、場所など問題ありません」
「お貴族の祝言ってもっと豪華で煌びやかな式場で行うものだろ」
「いえ、民によりそう辺境泊様に相応しい場所だと思います」コトミ
「俺に甲斐性が無くてごめんな」
「タイジ様だけがいればなにもいりませぬ」
「分かった。この場で祝言をあげる」
「おおおおおっ」その場にいた全員が歓声を上げる
「と言うことで今日の仕事は終わり宴の準備をしてくれ」俺
「ははっ喜んで」ゼバス
☆
「コトミは幸せでございます」
「なんかリサさんに悪い気がするんだけど」
「約束は約束、後で果たせばいいだけでござる」コトミ
「それにしても驚いたよ」
「なにがでござるか?」
「初めて会った時は生意気な小娘程度にしか思ってなかったのにいつの間にか女性に変身してて・・たった半年でここまで変わるものかとね」
「我はくノ一・・その方面で殿方を惑わす術に長けてますぞ」コトミ
「またぁ、心にもない事言うなよ」
「主人には全て筒抜けでしたな」コトミ
「本当は出会った時から俺の一目惚れさ・・」
「初めて本心を聞けましたな」
「うん、運命の出会いだと心に決めていた」
「リサさんに構っていたときから存じてました」コトミ
「君に焼き餅を焼かせたかったのかも知れない」
「存じてました」
二人っきりのベットの中でようやく本心を語り合う二人
「でもこれから夫婦といわれても何して良いのかわからないんだよ」
「元の世界で35年も生きて来たのにでござるか?」呆れるコトミ
「うん、女性と仕事以外で話したのはコトミ君が初めてなんだ」
「筋金入りの堅物ですな」コトミ
「我も分かりませぬが里で一応女のたしなみと殿方の扱いは習得してます」
「夜とぎの鍛錬?」
「いざと言うときの心構えを鍛えました」
「鍛えるものなのか?」
「は、殿方のそばに寄り添えばいずれ子をなすそうです。」
「はあ?本気?」
「は、おなごは殿方の言う事をよく聞き身を任せろと」
「残念だけどその方面のことは知らない」
「と、とにかく今日からは同じ布団で寝起きすれば解決することでしょう」
「うん、分かった今日は疲れたから寝よう。きっと夫婦ってそうなんだろう」
駄目だこりゃ




