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異世界最強アイテム  作者: kou2199
11/26

辺境伯

どんどん出世していきます


「オリャアア・・・」「ズドドドドドド」

「ちょ、ちょまってちょっとまって!」タイジの悲鳴

「ウルサイ、オ前ノ剣技ナド初メカラ当テニシテナイソンナ腕デハSSSノ名折レダ」


ここはそうぞうCの訓練所、ケンとズメルの手合わせ中、勿論タイジが魔剣ズメルを振るってるが完全足手まといズメルにとっては邪魔でしかない


「勝手に動くなよ腕がちぎれてしまう・・・」

勝手な振る舞いのズメルの剣にタイジは全くついて行けない、しかしさすがケンは一歩も引かず対処出来てる


「ズメル、わからんのか?お前が勝手に振る舞うから能力の半分も発揮出来てない」


「グ・・・コンナ奴ニ封印サレルトハ情ケナイ限リ・・・」ズメル

「お前はあるじの僕として自覚しなくてはこの先生きてはいけない」ケン

「認メテナルモノカ・・」悪態をつくズメル

「恐ろしい剣技・・・もはや人外でござる」コトミ

「いや、勝手にズメルが暴走してるだけでこれは剣技じゃないよ」


「しかし、現状で相手になるのはケンだけでしょう」ノン

「よし、稽古終了だ、皆で昼飯にしよう」タイジ

「フザケルナ、我ハマダ稽古足リテナイゾ」ズメル

「お前のタフさには脱帽だがみんなお腹空かしてるのだ。稽古は終わりだよ」


「人間ハ不便ナンダナ」

「馬鹿、お前はオークロード、底なしの胃袋だったこと忘れたのか?」タイジ

「ソレハ違ウ、我ノ胃袋ハ全テ部下ノ物デアッタ・・・」

「すまんがお前の手下共はすべて除去させてもらった」タイジ


「ダガ我ハ知ッテル、捕虜ト非戦闘員全テ助命サレタ事」

「罪のないオークを成敗する理由は無いから無関係の者は里に帰しただけだ」

「ウ・・・感謝スル・・我ハ同胞オークヲ自滅サセテイタ様ダ」


「いや、それは違う、召喚されたときに意識に植え付けられただけで本当の悪は別の者だよ、今は不明だが・・」タイジ


「ダカラ我ニ稽古ヲ付ケテル?」ズメル

「お前は哀れにも踊らされただけだ。仇をとってやりたいのだ」タイジ

「腹ガ空カヌハソノ為カ・・・」

「ま、実際は剣の中に封印されてるのが大きいしお前の強力すぎる意思が剣からもれだしてるのは凄い能力だと思うよ」タイジ

「ツマリ、「ケン」ト同ジ魔剣トシテコノ世界ニ貢献出来ルカモ知レヌト?」

「それは全てお前の心がけ次第だ、正義と悪を正しく見極める能力を得てから改めて自分がどう生きるか考えよ」ケン


「タイジハ正義トヤラナノカ?」ズメル

「我が言ってもしょうがない、自分で確かめる事だ」ケン

「今更言ッテモショウガナイガ何故我ハ負ケタ?タイジノ剣ハ見切ッタハズナノニ」

「ふ、必殺剣だからね」タイジ

「ヌ・・・奥義カ・・・イツカアバイテヤル」ズメル 

実のところコトミに使ったフェンシング技がズメルに通用するとは思ってなかったタイジ罰が悪いので「奥義」と言う事にしておく。 

「お昼ご飯が終わったら我とあるじはギルドに報告でござるぞ」ケン

「面倒くさいな、なんでいちいちギルドに報告せにゃならんのだ?」俺


「冒険者の義務でござるし、あるじの今回の勝利は途方もないのです

自覚もってくだされ」ケン

「どうせまた辺境伯からの呼び出し食らうのだろ?今回はどうやって断ろう」

「あ、あるじ・・・あるじには出世欲はないのでござるか?」


「だってもうすでにB級冒険者だし狭いなりにも領地もらってるし・・」

「領地といってもあくまでも村の管理者に過ぎませぬ。まだ領主ではござらん」

「領地とか領民とか面倒くさくない?」タイジ

「確か主人は以前にはやくA級冒険者になり拝領したいと言ってたはず」ケン

「それは確かに言ったけど実際ザビル村統治だけでお腹いっぱいなんだよな、俺には政治の才能ないって痛感したよ」


「はあ?あるじの仕事はゆくゆくはこの国の盟主でござるぞ」ケン

「勝手に決めるなよ・・・それはケンの妄想、願望だろ?」

「あるじの政治がこの世界を救うのでござるぞ、自覚してくだされ」

「そんなの無理に決まってるだろ、自慢じゃないが俺は無学なの」


「あ、あるじ・・・ズメルが困惑してますぞ、あるじは大志を持たねばなりませぬ」

「つか、俺は今のままで少人数でワイワイやるのが性分なんだけど」

「なりませぬ、あるじはこの国を治めるのです」ケン

「どっからそのありえない願望がでてくるんだか」俺

「我には分かるのです」ケン


「ナルホド・・・見エテキタ・・ケンノ仕事」ズメル


午後、ケンに引きずられるようにタイジはギルドに到着

「これはタイジ様、早速ですがギルマスがお呼びでございます」かしこまるリサ

「さて、タイジ様、今回街を、いや国を救って頂き感謝です。つきましては国王より報奨金を賜ってます。納めください」ギルマス

「はあ?金貨5千枚って法外すぎない?」

「何を言いますか、これはあくまでも手付金。本格的な報奨金は今算定中ですぞ」


「まあどちらにしても隊員に給料を払えるからありがたい事です」タイジ

「いや、隊員の皆様には別に報奨金が出てます。その金貨はタイジ様だけのもの」ギルマス


「それにケン様とすでに交渉済みですがそうぞうCの皆様は我が街の護衛兵として正式採用となりましたので今後は国から給金が支給される段となりました」

「それはありがたいけど・・あくまでも私兵として自由に使いたかったんですが」

「当然です、あくまでも私兵というか傭兵部隊としての契約ですから。命令は全てタイジ様の自由自在です」

「なるほど・・・傭兵部隊形式の方が国としては軍事費削減となるのか」

「タイジ様は聡明でございますな」


「命令は俺の自由自在って事は俺自身が街のなにかに昇格したって事?」

「ほほう、そこまで分かりますか」

「だって軍隊の司令官って事ですよね」

「はい、先ほど国王から命令書が届きタイジ様は我が街の正式司令官となられましたつまり爵位でございます」


「ちょっとまって!爵位って言うけどこの街を収めてる辺境伯は?」

「は、現任の辺境伯は職務怠慢により強制剥奪、タイジ様が後を継ぎます」

「え?」

「情報漏洩の元凶はすべて辺境伯と判明したので国家反逆罪としてすでに処刑済みです」

「なんと・・・」


「今回の事件すべて辺境伯が画策し隣国に我が街を売り飛ばす気だったのです」

「たった今よりこの街は「タイジ街」タイジ様は辺境伯でございます」

辺境伯という爵位は伯爵と同じ位だが国境警備の仕事もあるので独自の採決権が多い、敵の急襲などがあれば戦闘指揮を独断で行える権限を有する。そこら辺の伯爵とは権限力が違う、つまり伯爵級であっても実際は上段の爵位といえる。


「え、そんな話きいてないし受諾するつもりはないよ」

「いえ、これは国王の命令、何人たりとも断ることは出来ませぬ」

「うむ、あるじなら当然」ドヤ顔ケン

「スゴイナ」呆れるズメル


「さしあたってはタイジ伯はお屋敷に移っていただきます。すでに関係者が準備中です」ギルマス

「あるじ、またしても命令違反と怒られますがここ数日準備に奔走してました」ケン

「また、俺に黙って!」

「そうしないとあるじの事ですから逃げだしかねませんでしたので」

「う、確かに・・・逃げ出したかもしれない」俺

「勝手ニ動クハ「ケン」モ同ジデハナイカ」ズメル

「馬鹿者、我は全てあるじの為にしか動いていない、お前とは違うのだ」ケン

「しかし隊規違反で無限牢獄に送られませんでしたぞ」ケン

「う、確かに・・・隊規違反ではないってことか」

「ご主人様の栄達、隊規違反などではございません」ケン


「ツマリ、コレガ主従関係?」ズメル

「そうだ、主人に尽くすという事は馬鹿正直に命令に従うだけではないのだ」ケン

「出世は俺の本心ではないぞ」俺

「いえ、あるじが意を反映するのが従者の仕事」

「言ってる事矛盾してるよ」俺

「これは運命、力のある者が上に立つ運命なのです」ケン

「俺の意思じゃないじゃん」

「いえ、神様が決めた運命なのです」


「駄目だこりゃ」タイジ







お貴族様


さて、突然「辺境伯」なる爵位を無理矢理まかされたタイジだが・・


「悪いけどさ。俺は貴族のマナーなんて全く知らないから好き勝手にやらせてもらうぞ」

「はは、全ては主人の思いのままに」

ずらーーーーーーーと並んだ辺境伯館の従者たちが勢揃いしてタイジを迎えたのだその総数100以上メイドに料理長に給仕に執事、小間使いに御者(馬車の運転手)その他世話人


「われら従者の総責任者筆頭執事のセバスチャンでございます」初老のオヤジがテンプレを吐く

「どうでもいいけど執事ってみんなセバスチャンだよね。世襲制とかあるの?」

「はあ?その様な習わしはございませぬ執事筆頭がセバスチャンなのは偶然でございます」

「いやテンプレだよ」

「はあ?てんぷれとは?」セバス


「なんでもいいけど。主人が変わった理由はみんなしってるよね」俺

「はい、伺っておりますが我々は悪事には荷担してませぬ。加担した者は全て斬首されてます」

「つまりここに居る全員は安心安全なのですね」

「当然でございます身命を賭してあらたなる主人に使えるのみです」セバス

「分かっただが仕事ぶりをこれから見せてもらう、俺のメガネに適う者のみ本採用する」


「あるじ、それは過酷すぎませぬか」ケン

「いや、主人の不正を見て見ぬふりする奴は俺から見たら同罪。決して油断はしない」俺

「さすが隊長、かっこいい・・・」なぜか目がうるうるのコトミ


「それから、俺に従うものは全て隊規と同じルールを守って貰う、そのための魔法を掛ける異議がある者は今すぐ立ち去るがよい。全員でもかまわぬぞ。今後俺達を裏切れば断罪だ。それが嫌ならばいますぐ出て行け!」


タイジの心境とすれば例え極悪の主人であったとしてもそれをいさめなかったこの者達は絶対に信用出来ないのだ


「わ、分かりました」セバスは全員の意思をひとりひとり訪ねて回る


「私は抜けます、今までお世話になりました・・・」約1/3の者達がこの場を去った。多分陰で美味い汁を吸っていたのであろう

「セバスはどうするのだ?」


「私に二言はございません、先ほどの挨拶の通り身命を賭して主人に仕えるのみです」

「お前ほどの人間がなぜ先代を救えなかったのだ?」

「残念ながら前主人はまるで悪魔に魂を売り飛ばしてしまったかのようでした」

「つまり、操られていた?」

「は、断腸の思いで国王に申告したのは私でございます。ある意味で裏切り者です」

「いや国を売り渡す謀反人を告発したは忠義そのもの。さっきまでの無礼を許されよ」

ペコっとタイジが頭を下げる


「主人が従者に頭などさげてはなりません」セバス

「だから俺は貴族のしきたりなぞ知らんと言ったはず。やりたいようにやるよ」


一気に全員の緊張がほどけた・・・主従関係の一歩がこうしてスタートしたのだ


「隊長、新しき館は広大すぎます。ここにそうぞうC全軍移動しても余裕でござる」

「それはそうだろ、今までここには前辺境伯の私兵が詰めていたのだ、全ての施設が今までとは比べられないほど充実してる」


「早速ではございますが館内を案内させていただきます」セバス

「うん、よきにはからえ・・・って一度言ってみたかったんだよね」

「あるじ!あるじはすでに辺境伯なのですぞ堂々としてくだされ」ケン

「オマエ、偉イノニ威張ラナインダナ、見直シタゾ」ズメル


「威張ってどうする。これからみんなと仲良くやっていかないと駄目なのに」

「ですが威厳というものが・・・」ケン


「馬鹿、10歳児に威厳などあってたまるか。」タイジ

「主人は都合が悪くなると10歳児といいわけする」ケン

「ですが過去の例をみても10歳で爵位などは普通でございます」セバス

「そんなガキの頃からちやほやされるから碌な大人にならないのさ」


「ですが貴族というのは皆同じです・・・威張るのが商売でして」セバス

「なんども言うけどそーいうのは俺はやらなから」


「はは、主命とあらば・・」かしこまるセバス

とかなんとかいいながら一行はぞろぞろと館を案内される

「ここが大食堂でございます、パーティなども行える広さです」

「うん、今日からここで全員で食事とろう」

「は?」セバス

「聞こえなかった?隊員と従者全員でここで飯を食うのさ」俺

「しかし、兵どもと一緒の食事など前代未聞です」セバス

「いままで通りみんなで食事をとる、これは命令だから」

「ははっ・・・」目をくるくる回してるセバス現状を理解出来てない


「お言葉ではございますが・・ゴブリンと一緒に食事でございますか」

「不満なら今すぐ出て行ってくれてかまわない、俺に忠義を尽くすのでは無かったのか?」

「ははっ・・・わかりました」


「この際だから従者達全員に伝えっておく、我が軍全員家族同然であるゴブリンと侮るものは即刻この場からされ。ゴブリン兵への不忠は主人への不忠と同じである」


「ははっ」従者全員がかしずく

再び館内案内・・・ゾロゾロ地下一階

「セバス、ここは?」

「は、前辺境伯が愛蔵した宝物庫でございます」

扉を開けるとまばゆいばかりの金銀財宝に豪華絢爛調度品の山、まさに山


「どれだけ民を苦しませていたのかこれを見ただけでわかる」

「すべてタイジ様の物でございます」


「セバス、今日からのお前の仕事だ」

「は、なんなりと」


「この宝物全てを調べ一覧表を作成せよ」

「は、ご自身の財産の調査ですなかしこまりました」

「たわけ、俺が私利私欲に走ったら隊規違反で無限牢獄行きだ」

「は?仰ってる意味がわかりませぬ」セバス


「この宝物は民の物だと言う意味だ。全て適正価格で換金し国庫に納める」

「あるじ、国庫に納めたら国王の腹が膨れるだけですぞ」ケン

「なに、この国はそこまで腐ってるのか」

「コイツ何言ッテルンダ?ソンナノ何処ノ国デモ同ジダゾ」ズメルがつぶやく


「そうやって下から上まで腐敗するから国が弱り疲弊するのだ」俺

「わかったケンの言うとおりこの金は領の金庫に収める」

「結局私利私欲ダナ」ズメル

「馬鹿をいうな領の金庫など手出し出来るわけが無かろう」


「それと換金時癒着してる商人など呼ぶなよ、ワイロが生じたら即断罪だからな」

「ひええ・・・断罪でございますか?、今までその様な換金時には昵懇の商人に全てを委ねて「手数料」を私が頂くのが慣例でしたが」


「たぶん従者達にはまともに給金も支払われてなかったのだろう故にワイロ徴収で生活せねばならなかった、違うか?」


「こんな話は不躾で不遜なのですが・・・あのその・・・」

「メイドや給仕の事だろ、スケベ辺境伯がいいようにもて遊んでいたのは想像つく」


「な、なんとその様な・・・ゆるせん成敗いたす」熱血コトミが何時ものように騒ぐ

「もう首と胴体はとっくに離れてるから成敗できないよ」俺

「ふうふう・・・そうでござったな、それにしても貴族という生き物はゆるせん」コトミ


「今日からは俺が主人、そのような横暴は一切行わない。つかやったら俺が処罰される」

「と、いうことは身捧げはいらないのございますか?」女達が一斉に歓喜をあげる

「いままで苦労をかけたな、ちゃんと仕事に沿った給金を払うから安心してくれ」


「わーーー」従者全員が安堵の笑顔


さらに案内がすすむと地下二階には牢獄があった今はだれも捕らえられてないが血なまぐさい臭いとおぞましい糞尿のにおいが漂ってる


「ここで辺境伯は私刑を行っていたのだな?」

「は、言う事を聞かぬ召使い達を折檻という名目でいたぶっていました・・慚愧の念に堪えません」


「見て見ぬ振りをしたお前も同罪だが、俺の執事になった以上これからは懺悔するがよい」

「はっこのセバス肝に銘じます」


「地下一階と二階は大幅に改築する。このような施設は二度と必要とせぬ」

「ははっおおせのままに」


一階部分は対外的にも豪華さは必要なので手は付けぬが二階三階は大改築するぞ」

「は?いったいどのように?」

「部屋数を増やし兵員と従者の宿舎に改造する」

今ある従者の宿舎は粗末な馬小屋の二階と三階の大部屋に男女別に

押し込まれてる状態。プライベート環境などは皆無。

セバスの部屋だけは個室だが隙間風ふきこむ粗末な部屋なのは同じ

とても人間の住む環境では無い。


前辺境伯の考えでは下僕どもに衣食住を与えてやってるだけで贅沢

との考え、平民は貴族に従うだけの奴隷と同じだとの選民思想


「で、ですが主人の部屋はいかがいたすのですか?」

「俺と、幹部達の部屋だけ少しだけ広くしてくれればよい」

「はあ・・」

「一応はここの主人だからそうだな10畳程度のひろさでよい」

「10畳という広さはいかほどで?」

「メートル換算すると5mx5m四方程度だな」

「ば、ばかなそのような矮小な部屋に主人が住むなど前代未聞です」

「無駄な広さなどいらない、シングルベットと勉強机があれば良い」


「な、なんと無欲な・・・そんなお貴族様今までに誰一人もいません」

「これは主命である」

「ははっ・・・」主命となると脊髄反射しか出来ないセバスチャン


「あと表玄関と中庭は対外的な部分もあるので手はつけられないが裏庭は大改造するぞ」

「は、?大改造とは」

「軍の駐屯所があるのに訓練所が狭すぎる。これからは実用本位だ」


「ははっ仰せのままに・・・しかし予算はいかがされましょう」

「ギルドから賜った莫大な報奨金を館改造費とする」

「ははっ仰せのままに」おおっセバスってやっぱり有能なのかも


「あと言い忘れていたが食事についてだが主従すべて同じ内容にするように」

「はあ?そんな事は前代未聞ですぞ」

「主命である」

「ははっ仰せのままに」なんかかしずくセバスが面白くなってきた


「尚料理については我が隊専属の料理人がいるので言う事を良く聞くように」

「軍隊食でございますか・・・前代未聞です」

「主命である」


「ははっ・・・」反発しておいて従う・・・もうこれわざとだろ


館案内が終わり各自宿泊する部屋へ移動する。個室化工事は先なのでとりあえず大食堂で一塊になって宿泊。セバス以外の従者は馬小屋へ

勿論警備は交代で行う。


「あ、主人なりませぬ、警備などは護衛兵の仕事主人がする仕事ではありませぬ」

交代で警備につこうとする俺にセバスが駆け寄って苦言を呈する」


「これは長年の習慣なんだよ、これやらないと落ち着かない」

「こればかりは譲れませんぞ。交代警備が必要ならば我ら従者が行います」

「主命でも駄目?」

「主人には主人の仕事がございます領経営をこれから行って頂くのです」

「面倒臭いなぁ・・・放棄出来ない?」


「何を仰いますかいままでの少人数部隊とは訳がちがいますぞ20万民の命がかかる大事な仕事。よもや放棄されるとなると今までの領主と同じですぞ」


「わかったわかった。セバスの言う事に従うからそんなに怒るなよ」

「ふう、はじめて主人を負かせました」なんかドヤ顔セバス、たまには花を持たせないとね


「隊長、やはりここは広すぎて落ち着きませぬ、軍宿舎に移させてください」コトミ達

「そうだね、じゃみんなで軍宿舎で寝よう、確か4~5人部屋だったね」軍宿舎は馬小屋よりはましだが一部屋4~5人が相部屋で寝泊まりする

勿論プライベートなどはない。一応指揮官専用の個室は何部屋かある


「は、今まで同様隊長の警護のため同じ部屋に泊まります」コトミとケイとノン

「勿論今まで通りなにかぁったら我が成敗するからな」ケン

「応、俺モ今日カラソノ役目ニ加ワルゾ」ズメルまで一緒に居たいらしい


「当たり前の事を今更・・・」コトミ

「みんなで寝た方が安心出来るしな」俺


「な、なりませぬ、若い男と女が同室などしかも主人と一緒など・・」セバス

「今までずっと一緒に寝ていたんだよ。勿論間違いなどは起こさないから安心しろ」

「あ、あるじがそう言うのであれば仕方有りません。しかし女遊びはほどほどに願います」


「無礼者め、我らはそんな不謹慎など絶対にせぬわ」怒るコトミ

「いや、本当はすこし期待してるのですが・・・」ケイ、こらこら


「ごほん!明日もはやいのだとっとと寝ろ」ケンが怒鳴る

「えらそうに・・」というまでがテンプレなのでみんな安心して寝息をたてはじめる


実は寝ることを知らぬケンとズメルここのところ皆の就寝後ケンの亜空間で稽古を続ける毎日


「カイーン、カイーン・・・」

「ズメルよ、そなたさすがSSS級じゃな」

「ナンノ、ココマデ強イ奴ハ初メテダゾ」ズメルもケンを称える


両者の実力はほぼ同じ、人外級というか異世界最強クラス

あまりにも強すぎてここ数十年稽古相手不足だったのがズメル登場で

格好の稽古相手が出来たのだ。


「我は主人の剣となり今後の立身出世に尽くさねばならない使命があるのだ」

「ホウ」

「其方も見てわかったろう?この国も他の国も上から下まで腐敗しきってる

このままではこの国はおろか世界が破滅してしまうのだ。あるじは救世主なのだ」

「カリスマト心意気ハ認メルガイカニモ経験不足ダ」ズメル

「左様、だから我が導かなければならん」


「アノコトミトヤラモ其方ト同様ノ臭イガスルガ?」

「うむあやつも別の方角からの使者であろう。国を憂う気持ちは同じの組織であろう」

「ダガコトミデハ力不足スギルゾ」

「力不足をこえて足を引っ張ってるのが現状だな・・・だが」

「ダガ?」

「あやつには何かを感じるのだ・・・あるじの正室になりえる力量なのやも」


「ホウ、ソコマデ認メテルノカ」

「勿論時期尚早、あと10年はかかるであろう、しかし10年後あるじはここの王どころではないはず」ケン


「ソレ程ノ器カ・・・」

「いや、実際は我が見込んだ以上いや想像すら追いつかない器かもしれん」ケン

「・・・・・」ズメル

「お前もそう思うから付いてきてるのだろう?無限牢獄などはいつでも脱せるはずなのになぜととまる」


「フ、バレテイタカ・・・ナンカ主人ニ付イテイケバ面白イ事ニナリソウナノデナ」


「SSSクラスの最強にして最凶なお前が付き従うとは想像外だよ」

「同族ヲ救ッテクレタ恩返シダ」


「優しすぎるのはある意味武器となりうるのだな」

「全テノ者ノ心ヲ掴ム最強ノ武器ダ」

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