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異世界最強アイテム  作者: kou2199
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突然異世界に転生してしまいました

彼女いない冴えないサラリーマンに一体なにが起きる?

俺の名は武藤泰治35歳冴えないサラリーマン趣味は・・特になし

彼女いない歴年齢と同じ、うん極めて標準的なスキルだね

そんな俺の今のところの楽しみは食う、寝る、働き過ぎない、どうだ最強だろ

そんな俺だから会社でも空気そのもの、いいんだよ目立たない方が期待もされないし

無理な残業とかも押しつけられない。毎日大体6時過ぎには帰宅できるしね


「ふう、今日も無事終業っと」俺はいつもの通り電車とバスを乗り継いで帰宅を急いだ

別段あわてて帰る必要などないのだがボロアパートながら我が家はやっぱり落ち着く

あと100mそこの角を曲がれば正面にアパートが見えてくる・・筈

大学を卒業して就職してから一度も引っ越さずに同じアパートに住んでるのだ

目をつぶっても帰宅できる自信ある。


「あれ?」


なんかが変だ、十年以上通ってる道いままで一度たりとも間違えたことないどないし

バスを降りたら一度曲がるだけの単純な帰り道・・間違えるなんてありえないのに


「おかしいな、間違いなくいつもの角を曲がった筈なのにボロアパートが見えてこない?あれれ」


気がつくとまだ4月だというのになんか湿気が多くてもやってる

「キリにまかれたのかな?」どうしよう


いや、完全におかしいもう300m以上は直進してるし左右の景色もなんとなく違う

「あれ、ここの住宅街ってこんな古風というか中世風の作りばかりだったっけ?」


いや、おかしいいつもの街灯もユラユラしてるしこんなノスタルジック風ではないはず

確かまだ7時前だったはずなのに周囲はやたら真っ暗


「まてまて、こういうときは落ち着くのが肝心・・」とりあえずスマホで位置確認してみよう

「う、なんだこれ?」確かに位置表示はされてるが今まで見たこともない地図が表示されてる

「なんだこの文字???日本語じゃないぞ」

「えーなになに・・・エドモン町???ってどこ?なぜ俺がこんな文字読める???」


「も、もしかして!」俺はひらめいた

「異世界に転生されてしまったのか?」アニメとかラノベではよくあるが自分がそうなるとは

「まてまて、落ち着け・・状況確認しなければ」


「来た道を戻ってみよう」もしかして変なバスに乗りとんでもない所に下ろされたのかも知れない

しかし、もどれどもどれどバス停がない・・つか車が全く走っていない


「と、とにかくなんとしても明るくなるまでになんとかしないと」徐々に焦り出す俺

「誰かいないのだろうか?」そーいえばバスを降りてから一度も人に出会っていない


「あ、確かスマホの時計も動いていたはず」確認すると、午前2時・・・誰も歩いていないわけだ


「と、とにかくどこか落ち着く場所を探さないと、それと食料や水の確保だ」

俺は手持ちのバックの中身を確認する、しかし飲食類は一切はいっていない

仕事用の書類と5万円位入った財布、スマホ、折りたたみの傘・・これが全財産のようだ


「自販機やコンビニ開いてないかな」あるわけがない

「これは現代の感覚ではどうすることも出来ない」悟った


ではどうする、なにすればいい、とにかくなんとしても生き延びることを考えるべきだ

突然「助けて下さい」と民家を訪れたところでこの時間だあやしまれない訳がない

「とりあえずどこか身を隠す場所をみつけなくては・・」

俺はとりあえず当てもなく歩いた。どうやらここは完全に住宅街・・低層2~3階立て風集合住宅?

そんな町並みがどこまでも続いている、多分だが昼間はなんらかの交通機関が往来してるようだ

道幅がそれなりにある目測だが10m位はありそうだそれにユラユラ揺れている街灯が50m間隔ぐらいで

ずーっと続いている。


「建物は中世風だがガス灯?が有るところをみると地球感覚でいえば19世紀終りから20世紀初めぐらいか」

俺はなんとなく時代背景を把握した


「んん?」なにか違和感・・・ふと自分の手をみる

「俺こんなに細い手だったろうか?」いやどう見てもこれは少年の手だ

つまり異世界ものありありの「若返り」かぁ?なんたることだ。うれしいのか悲しいのかわからん

「いかん、年齢なんてどうでもいい、今は生き延びること・・・」

かれこれ30分位はさまよっただろうか・・ふと目の前に公園らしき施設が目に入った

「なんとかここで一晩だけでも明かそう、朝になれば状況がもっとわかるかもしれない」

公園らしき施設に入ると・・・簡単なベンチと草花が植えてある区画があった

「しょうがないベンチで寝るか?とほほこれじゃホームレスだよ」つかまんまホームレスなんだが


いやいやまてまて、この異世界の状況など何一つ知らないのに無防備にベンチに寝るのは危険すぎないか?

「駄目だ、ベンチは危険すぎる、他に管理用の小屋とかはないのかな?」

公園の向こう側の隅みにちいさな小屋が見えたしめしめ


「ごめんなさい、一晩だけですが貸して下さい」天に向かって感謝し俺は小屋の中に入ることにした

だが、とうぜんのごとくカギが掛かっている


「これは南京錠?」昔作りの簡単なカギだ、なんとかなるかな?しかし錠前破りは立派な犯罪だ

「で、出来ないやっぱ悪い事はやめよう」俺は半ば諦めたが万一と思い窓を開けてみた

「ガラララ・・」おっ窓のカギは開いていた様だ・・・どうする、勝手に中に入れば不法侵入だ


とにかく中の様子だけでも確かめてみよう、どうせ公園の管理倉庫だろうたいした物はないはず

「ごめんなさいおじゃまします」

っても真っ暗でなにもみえない俺はスマホを簡易照明代わりにして照らしてみた


「あ」燭台にろうそくが刺さったままだし隣にマッチが置いてあった。早速灯してみた

「なんじゃここは?」

小屋の中には俺が予想していたような公園用具みたいなのは置いてなかった

「つか、ここ武器庫?」

中世風のロングソードや盾、鎧の類いが壁一面に飾られていたのだ


まずい、てっきり公園かなにかと思っていたがここは軍関係の施設かなんかだったのかもしれない

こんな所で捕まったら下手したら軍法会議、いや怪しいスパイかなんかと勘違いされて

捕まりでもしたら問答無用でギロチンかも。俺はぞーーっとした、とにかくこの場から逃げるべきか?


「いや、どうせこの絶望的な状況、数々の犯罪に手を染めてしまってる俺、言い逃れなんで出来ない

誰も助けてくれないし誰も俺の言う事なんて信じてくれないだろう自分の身は自分で守らねば


「ごめんなさい、生きていくために最低限の武器だけでも拝借させて頂きます」


俺は目の前にあった手頃な大きさのロングソードを手に取ってみた

「ギュイイイイインン」

「うわあ、なんだこれ」

怪しげな音を立てて手に持ったロングソードがなにやら唸ってる気がする」


「ようこそ、わがあるじ」剣がしゃべった?

あれか?アニメでよくある意思のある剣とかなんかか?


「っておまえなに、なんなの?」

「これは失礼、我はあるじに今後一生使える下僕でござる」はあ?

「あのね、こういっちゃなんだけど俺は盗人だよ。おまえを盗みに来たんだけど」

「ふふふ、ご冗談を」


「そ、そりゃ訳あってのことだよ、物乞いや追い剥ぎとは違うから」俺

「あるじ、一応言っておきますが、我はそこらの盗賊風情に仕えるようななまくら剣とはちがいますぞ」

「ほう、私に資格があると言うのか?」


「あるじは自分のステータス・・分かりやすく言えば能力がどのくらいなのかご存じないのか?」

「知ってるわけないだろ。ついさっきまで俺は別の世界の人間だったんだから」


「ほう、よくある記憶喪失で自分を見失った類いでござるか?」剣

「いや、それとは違う気がついたらこの世界に迷い込んで来たみたいなんだよ」

「我はいままでに数人のあるじに仕えたがその様な事は初めてでござる」

「ほう、過去にもあるじがいたんだね」

「はい、生涯をささげたあるじ達ですがみなご立派に天寿を全うされたのでござる」


「ほう」

「あるじが天に昇ると我はこの場所にもどり新たなるあるじと出会うまで待機するのでござる」

「長かっただろう?」

「我には時間などはわかりませぬ、あるじに仕えてる時だけ意識があるので」

「なるほど」


「さ、あるじ早速ですがこの場からは離れたほうが得策でござる」

「なにかが分かるのか?」

「我々はこの場にとどまるべきではないと感じたのです」

「わかった、しかしどこに行けばよいのやら」


「大丈夫です。我が剣が通行手形代わり、あるじの人生は全て変わるのです」

「お、なんか頼もしいんだね・・じゃ頼むよ」

「かしこまってござる」


俺は訳もわからない状態ながらなんだか頼もしい相棒を得ることに成功?したようだ


☆宿に泊まる☆


「相棒さんよ、公園は出たけど次はどこに行くべきなんだい?」

「相棒ではありませぬ、我は忠実なしもべ、何なりとご命令くだされ」

「分かった、でも名前がないとよびづらいね」

「名などなんでも結構でござるお好きにお呼びくだされ」

「分かった、じゃケンでいいかな」

「うけたまわってござる」


「ケン、最初の頼みだけどとりあえずお腹がペコペコなのと夜露をしのげる方法教えて」


「たやすきことにて」ケン

こ、これはもしかしてボワンと煙があがり魔法かなんかでパンでも出してくれるのかな?


「あそこの角を曲がり2件目に夜中でも営業してる闇質屋がござる」

「ほーーつまり夜中に働く・・盗賊かなにかの取引所?」

「みなまで申す事もございませぬ」


「分かった、でも一体なに売るの?」

「あるじが持っているその怪しげな入れ物はここでは見たことのない代物高く売れましょう」

「こんなくたびれたバック売れるのかな?」

「は、我の見た所では金貨10枚にはなりましょう。当座はそれでしのげるはず」

「金貨10枚ってどのくらいの価値なの?」

「例えば平民の一家4人一月に金貨5枚もあれば十分暮らせる額でござる」


「なるほど、金貨一枚で大体2、3万円位の価値って事かな」俺はなんとなく把握した

「それと、あるじの着ている服、この世では見たことがありませぬ、金貨20枚にはなりましょう」

「え、そうなの?こんなにくたびれた吊るしで買った上下スーツ3万円位のがそんな価値あるんだ」

「大丈夫でござる、我が交渉すればもっと高くうれるやもしれませぬ」

「ほう、顔が利くんだ?」

「いえ、力です」

「え?」訳わからん


「じゃまするぞ」怪しい商店に入る、なんとしゃべってるのはケン。俺は一言もしゃべるなとのこと

「だれだい?ウチは一見さんお断りだよ。帰った帰った」

「ほう、我を門前払いするというのか?」

「あーん、おかしな格好をした野郎のくせに態度でかいな?正気か?」

「我は其方に儲け話をもってきただけだ、無用な争いは好まんが?ご所望なら相手するぞ」

「け、聞いた風な大口叩きやがって、俺様をだれだと思ってるんだ、死にたいのか?」

「おまえは誰だ?全く知らんが?」


「せ、先生~曲者です」

ぞろっとでてきた用心棒5人あっというまに取り囲まれた


「身ぐるみ置いていきな、そしたら命だけはたすけてやる」

「ほう、其方らにそんな事ができるのかな?」

「こ、このーー」剣と槍で襲いかかる5人組


「シュリーーン」何かが光ったと思ったら用心棒5人全員当て身をくらい失神・・

「あわわ」店主

「よかったな、今回に限り峰打ちで済ましてやった、だが次はないぞ」ケン

両刃のロングソードでどうやって峰打ちしたのか・・俺は首をかしげたが用心棒が気絶してるのは事実


「店主とやら、どうする?商談はやめるか」

「ひ、ひえ~します、なに買い取らせてもらえるのでしょう?」

「最初から応じてれば無駄な事はせずとも済んだものを、まあよい」

「売りたいのはこの服とカバンだ、いくらで買う?」


「どれどれ」店主はすぐに商売人の顔になり俺の服とバックの品定めを開始する

「おおお、これはよく見ると希少な品ばかり、おどろきましたぞ」店主

「で、あろう」

「ふむふむ、そうですな・・・大サービスで金貨50枚!」店主


「これだけの騒ぎを起こしてその値段か?邪魔したな余所をあたる」

「お、お待ちください。それでは代わりの服を無料で進呈しますので金貨70枚で」

「最低でも120枚だ、それ以下では売らぬ」

「そこをなんとか80枚で」


「其方は交渉というのを知らんのか?全然交渉になってないぞ」

「わ、わかりましたこれで最後です100枚で、これ以上はだせませぬ」

「うむ、しょうがない、大損だが店主の顔をたててやる」

「へえ、ありがとうございます、それでは100枚と服でございます」

「うむ、だが10枚はそこに倒れている先生とやらのご苦労賃だ」

「おお・・・なんと慈悲深いこと、ありがとうございます先生方もお喜びかと」

「だからな、つまらぬ仕返しなどと考えるなよ」


「なるほど、聡明な御仁でござるなそこまでお考えとは」

「お互いに気分良く商売出来れば次もあるからな」

「左様でございますか、どうか今後もごひいきに願います」店主

「うむ、それでは失礼する、あ、その前にこのあたりで安全な宿屋を紹介せい」


「それでしたら3軒ほど向こう隣の宿屋などいかがでしょう。この界隈は怪しい盗賊風情が

行き来する物騒な通りですがあの宿なら宿泊客の安全は絶対に守られると有名です」


「わかった店主を信用しよう、だが万一あれば・・判る事よのう?」

「ひ、勿論でございます、目先の事よりも今後大事なお客様として扱った方が遙かに得と存じます」

「言質とったぞ、二言は許さぬ・・長生きしたければの話だがな」


「へへーっ」青ざめる店主


「どうだ、あるじ上手く行っただろう?」ケン

「驚いたよ、剣の腕前だけじゃなく口も達者だったとは」

「我はあるじの忠実なしもべでござるどんなことでもいたしまする」ケン


「しかも襲ってきた敵にも配慮するなんて、出来る事ではないよ」

「何代にもわたってあるじに従った我ですこんな事は朝飯前」

「つか俺は夕飯もまだなんだ朝飯前どころではないぞ、腹ペコペコだ」

「わかりました、早速店主の勧めた宿屋に向かいましょう」


「こんな時間で泊まれる宿屋なんて本当にあるのかな」

「ふふ、俗に言う盗人宿でしょう。この時間が一番忙しいのやも」

「胡散臭いなぁ・・」だがそこしか今は行くところがないのも事実


「ガラ」

「いらっしゃいませ、お泊まりですか?お食事は?」若い女店員が愛想を振りまく

「両方頼みたいのだが?」


「ウチは前払いで一泊二食付きで銀貨3枚です」

「判ったとりあえず3日頼むお釣りの銀貨一枚は君のお駄賃だよ」と金貨一枚を小娘に渡す

「あらあ、お客様ありがとうございます。では早速食事もってきます、大盛りでいいですよね」

「助かるよ」


「ケン、確かにこの宿はよさそうだ、こんな場所なのにな」

「よほど凄腕の用心棒をやとってるのでしょう。小娘一人で店を回せるのがその証」

「なるほど、自信の裏付けか」


あたりを見回すと結構この時間にも関わらず繁盛してるが皆仲間同士でこそこそ談話してる

「一人客は俺だけだな」


「我がいれば千人力ですぞ」ケン

「おまえは食事いいの?」

「食事などはいりませぬ、ただし我は適度に血をいただければ・・」

「ぎょ、つまりおまえは妖刀の類いなのか?血を吸わなければ生きていけないみたいな?」

「はは、それは冗談でござる、しかし我の行くところ必ず腕自慢が挑んでくるのです」

「なるほど剣にすいよせられる哀れな子羊って寸法か」

「自慢ではないが我は生涯一度たりとも剣で遅れを取ったことはござらん」

「頼もしい限りだね」


「お待たせしました」小娘が料理を両手一杯に運んできた

「はい、大盛り、そしてこれが部屋のカギです」


「あれ、サヤカちゃん、ひどいな~俺にはそんな大盛りにしてくれなかったのに」

となりに座るすでに酔っぱらい状態のオヤジがなげく


「なにいってるんだい、ろくすっぽ宿代も払えないでつけで泊まってるくせに贅沢言うんじゃないよ」

「あいた~ごめんごめん」肘鉄食らったオヤジ


すると・・どこからかあやしい「殺気」が走る

「ひえ~ごかんべんを、これは冗談でやんす」突然あわてるはげオヤジ

「はいはい、もうこれで今日は寝ましょうね。」優しく小娘がオヤジを部屋に運ぶ


「恐ろしいほどの殺気てござる・・」ケン

「うむ、この宿の用心棒だろう・・」俺


「ふふ、これは面白い、我にはわかる・・きっとこの宿で楽しいことがありますぞ」ケン

「って俺たちには関係ないだろ?ただの宿泊客なんだから」

「長年あるじに仕えてると判るのです、あるじの心意気」ケン

「はあ?」


「とにかく今は食べて早く部屋に行きましょう疲れが酷いですぞ」

「そんなことまで判るの?」

「あるじの健康管理も我のつとめでござる。ご安心くだされ」

「食事と一緒にこれを飲んでください」

「なにこれ?


「疲労回復ポーションですが睡眠短縮成分も含まれてます」

「疲れをとってくれて更に睡眠不足を解消してくれるの?」

「さよう、乱用すると危険ですがたまになら良薬でござる」

「なんだかすごいね。それにしてもここの料理は最高だよ」

「夜中でも大繁盛してるのには理由があるということです」ケン

「なるほど、この宿は大当たりのようだね」


「さて、あるじ一息ついたところで早速ですが」ケン

「なんだい?あらたまって」

「手にした金貨を袋にいれたままでは物騒です」

「そうだね、ここの宿に預けるか?」

「いえ、それよりも安全な方法がござる」


「へー」

「我の中に保存が効きます、これはアイテムボックスとも言うようです」

「そんな便利アイテムがあるんだ、でもケンが行方不明になったらどうする?」

「我とあるじは主従関係、絶対に離ればなれにはなりません」


「つまり?」

「どんな状況でも我はあるじの居所を知ってますしある程度の距離以上は自動的に

あるじの手元に戻る仕組みなのです、これは生涯かわりませぬ」


「なるほどトイレとか風呂とか以外は片時も離れないって感じだね」

「場合によっては武器携帯禁止の場所もありましょう。そんな時は透明小型化します」

「なるほど、それは便利だね、では早速この袋を・・」ケンに近づけたらすうっと吸い込まれた

「これからは必要な金子を思い浮かべれば手元に出現する仕組みです」

「なるほど、それは便利だね」


「金子だけではござらぬ、アイテムボックに納めた全ての品は念じれば出現します」

「どのくらいの容量なの?」

「いままでつかえたあるじの只一人とて満杯にしたことはござらん」

「へえぇ無限大って事かな」

「あるじ、これはここだけの秘密ですぞ」ケン

「な、なに改まって」

「実は以前のあるじが残したアイテム全てが保存されてるのです」


「はあ?なにそれ」

「実際の所は金貨など数十万枚以上保管してます」

「もっと早く言ってよ」

「実はあるじの資質をためしていました」

「合格?」


「は、あるじほどの人格に出会った事ありませぬ、一命捧げるに値すると確信しました」

「買いかぶりだよ」

「過去のあるじ誰一人としてその様な事は言いませんでした」

「そうなの?」

「はい」

「あるじが小屋に入ったときも謙虚でした、我は驚いていたのです」ケン

「こそ泥に違いはないけどね」

「それは非常事態だったので仕方がありませぬ」

「ま、いいや、とにかく腹一杯だし薬の効果か眠くなってきた部屋に行こう」


「は、」

宿は4階立ての割合と小さな作り2階に上がると左右両脇に五部屋あった

「今日の部屋は一番奥の左側だね」

「これは好都合・・」

「なんで?」

「族が押し入っても一番対応しやすいし外階段に一番近いので避難が容易です」

「さすがだね、どんなときでも用心なんだね」

「我は誰にも後れは取りませんが無謀と傲慢は命取りと心得てます」

部屋にはいると6畳ぐらいの広さ一人部屋なら最適ともいえる奥にシングルベット


「おお、これはちゃんと毛布昼間に干してるね良い匂いがする。びっくりした」

「大繁盛の宿ですから当然かと」ケン

「一事が万事という事か」

「左様にござる」


☆ギルドに行く☆ 


「あるじ、朝でござる。起きて下され」ケン

「ふぁ、ふぁああああ、あーよく寝た今何時だい?」

「朝でござる」

「ふ、朝は朝か・・確かにそうだね」スマホを見ると午前7時、早っ

「ケン、悪いけどこんなに早く起きたこと何てないよ。次はもうすこし寝かせてくれよ」

「なにをいいますか、この世界でこの時間の起床は遅すぎる位です皆もう働いてますぞ」

「え、そうなの・・みんな働き者なんだね」

「一般の民は夜になったらすぐに寝ます、灯り代馬鹿になりませぬゆえ」

「ここの宿昨日は朝の3時頃来たのに賑やかだったけどね」

「それは、最初に申したとおりこの宿だけが特殊なのです」ケン

「あ、そう言っていたね。まあいろいろ事情ってのもあるんだろうけどね」


「とにかく起きてくだされ。そしてとっとと朝食を済ませ、出かけるのです」ケン

「え?どこに?この世界で行く所なんてあるのかい?」

「あるじ、本当にのんきですな、これからどうやって生活するのか考えてないのですか?」

「え、だってお金もあるんだし働かなくても遊んで暮らせそうだけどね」


「見損ないましたぞ。あるじは過去の主人達が稼いだお金を当てにする人間だったのですね」

「いや、それは冗談だよ。勿論他人のお金なんてあてにしない。で、どうすればいいの?」

「うむ、それでこそわがあるじ。まず初めに行くところはギルドでござる」

「うん、アニメで見た。冒険者ギルドに行ってクエストこなしてお金稼ぐ」

「ほう、よくご存じでござるな、ならば話が早い、急がないといい案件得られませぬ」

「なるほど、良い仕事は早い者勝ちだからね、分かった急ごう」


下の食堂に降りていくと昨日の娘とは違う小さな子がてんてこまいしてた

「あ、お客さん、そこの空いてる席にお願いします~」両手にお皿をかかえた娘が案内してくれた

「すごいね、昨日夜遅くまで営業していたのにこんな早い時間でも大盛況だ」

「あの怪しい質屋は信用してもよさそうでござるな。こんな良い店は滅多にござらん」


「おまたせ」どかっと大皿が俺の目の前に置かれた

スクランブルエッグと黒パン。はちみつにバター、コーンスープまで付いてる

「すごいボリュームだ」いかにも荒くれ男達の朝食

「さて、食べながらギルドについて説明いたします」

「お、おう」


「ギルトというのは国を超えた組織で大きな町なら必ず存在してます」

「国が冒険者に仕事させて行政や治安を安定させる手段なんだね」

「オオ、よくご存じで」


「うん、アニメで知ってる」

「ほう、アニメというやつは大賢者かなにかなのですな、なんても知ってそう」

「ん、まあw」確かになんでも教えてくれてる

「ならばご存じとは思いますが冒険者にも階級がございます」

「実力によってのランク分け、当然だね」

「は、最高ランクはS、まあ国に一人いるかどうかの英雄級冒険者です」

「最低は?」

「Gランクですな、駆け出しって奴でござる、あるじは本来ならばそこからのスタート」

「本来なら?」


「過去の主人達が残したギルドカードを使えばいきなりSからのスタートも可能と言うこと」

「いや、それは断る、自分の道は自分で切り開くよだからGで行く」

「あるじならそう言うと思ってました。では食事が済んだら参りましょう」


「君、俺はこの町に来て日が浅い、冒険者ギルドはどういくのか教えて」給仕の小娘に訪ねる

「はい、宿をでて右に真っ直ぐ突き当たりに大きな建物がありますそこが冒険者ギルドです

そこには商人ギルドも職人ギルドも鍛冶、武器ギルドもありますよ」

「なるほど全部そろってるんだねありがとう」


「いろいろなギルドがあるんだね」

「あるじに必要なのはまず冒険者ギルドですがお金を稼いだら武器や防具も必要でしょうな」

「え、ケンが戦ってくれるんじゃないの?」

「さよう、剣では誰にも引けをとりませぬが自身の身を守る必要と相手が魔法使いなら厄介」

「え、この世界では魔法もあるんだ・・」


「じつはわれも魔法から生まれた魔道具なのですぞ」ケン

「そっか」

「初代のあるじが魔法で我を作りだしたのです」

「すごいねそんな事が可能なんだ」

「ふ、知らないと言う事は・・つみでござるな」

「え、なに?」

「いずれ分かります」



「おはようございます、冒険者登録したいのですが」俺

「承りました、この申請書に記入お願いします、登録料銀貨5枚年会費銀貨2枚です」

受付の15~16才ぐらいにしか見えない美少女がにっこり笑顔で案内してくれた


「それでは最後にここに血を一滴落としてください」針を人差し指に刺し血液一滴ポタっ

するとギルドカードがまばゆいばかりに光を放つ・・・


「うわっすごい」俺

「うわっすごい」受付嬢


「ってあれ?みんなこうじゃないの?」

「こんなのは初めてです、失礼でなければ鑑定機で能力確かめさせて下さい」受付嬢


「一向にかまわぬ」とっさにケンが俺の声色で応答する

「それでは」受付嬢が机の下にあるボタンを押すと受付嬢側で能力鑑定結果が表示される。

「うーん別段飛び抜けた能力はありませんね、失礼しました。それではこのカードでお願いします」

「あ、そうなんだ」期待した俺はすこしがっかり


「ご存じかとは思いますが受けられるクエストはGランクの方なら一つ上のFまでです、クエスト達成者には相応のポイントが付与され一定数をこえるとランクが上がる仕組みです頑張ってランク上げて下さいね」


「ちなみにGからFに上げるために必要なポイントっていくつなの?」

「はい、最初はランク上げが容易なシステムですので1000Pで昇級です。」

「って!張り出してあるクエストみたらGかFでもせいぜい1依頼完了で2~3Pですよね」

「はい、それでもお徳用になってます。がんばってくださいね」さわやか笑顔が小悪魔に見えだした


「まあ、初めてなのでとにかくやってみます、ではこのクエストで」

「はい、定番の薬草採取ですね、町を出たすぐの所で採取出来るので比較的安全でしょう」

「え?町をでたらあぶないの?」

「はあ?お客さんはどこから来たのですか?町の外のことご存じないのですか」

「いや、無論しってる」ケンが勝手に代弁してるし


「あるじ、出よう」勝手にケンが脳内でささやいてきた

「おまえ、テレバシー使えるの?」

「当然でござるあるじと我は一心同体、思念で通じあえます」ケン

「便利だね」


「とにかく用は済みましたでまずぞ」ケン


「なんかがっかりしたよ。能力全然ないって分かっちゃったらさぁ」俺

「ふ、あれは偽装でござるよ、ギルドカードがあんなに光るとは思ってもなかったので」

「え、そうなの?」


「はい、われがとっさに能力鑑定機を操作しました」

「で、実際は俺どんな実力なの?」

「教えません、自分で確かめるのが一番だし、まだまだ鍛錬が必要ですから慢心はなりませぬ」

「ちぇ、冷たいなぁ」

「あるじの事を思ってのことです、それにあの場で桁外れの能力などが露呈しても碌な事はありませぬ」

「利用されるだけ利用されるって事?」

「あるじはこの世界の事全くしりませぬ、知らないのに高能力と判定されでもしたら災難しかありませぬ」

「なるほど、俺の身を守ってくれたんだね、ありがとう」

「あるじを守るのは当然の事礼を言われる事はございませぬ」


「で、町をでるとどんな危険があるの?」

「は、野盗やおいはぎごろつきの類いが一般の旅人や商人を襲います」

「うん」

「そして町から離れる程結界の能力が薄れて魔物の出現率と強度がまします」

「なるほど、結界ってやつが町を守ってるんだね」


「町ごとの住人の魔力総数が結界範囲に影響するのです」ケン

「なるほど、ならば訓練すればするほど町が強くなる?」

「さようにござる、いまあるじが住むこの町は中規模程度の強さ、まだまだ外敵から守るには不足気味」

「つまり外敵の侵攻とかもあるの?」

「は、実のところ魔物との戦いよりも人間同士との戦いの方が熾烈、人間は常にそういう物です」

「耳が痛い話だね、俺の住んでいた世界でも戦争は絶えなかった」

「仕方がありません、弱者は滅ぼされるのが宿命」

「魔力の総数と言うことは俺の存在もいくらか影響する?」

「ふ、・・・」ケン

「な、なにそのふくみ笑い?どうとればいいの?」


「総魔力量の検知などは不可能、目に見えて町の防御力が上がったなどは誰も知る事はできませぬ」

「でもケンには分かる?」

「我は魔道具、容易き事なれどあるじに数値はおしえませぬ」

「ケチ」

「そんな事が知れたらあるじ自身に災難しか降って来ます故の配慮です」ケン


「ま、とにかく最初は地道な薬草取りだ・・なになに2種類の薬草10本を一束で5束、つまり100本か」

「これをお使い下さい」ケンが何か出してきた

「これは?」


「アイテム鑑定メガネでござる、採取対象薬草登録後自動的に判別してくれます」

「おお、それは便利だね」

「ちまちま薬草とってたら一日で10本ぐらいしか取れませんよ」ケン

「え?そうなの、この薬草って希少価値あるんだ」


「はああ、あるじは何も知らないのですな。価値があるからクエストされるのですぞ」

「はは、素人に簡単にとれたら冒険者クエストなんてする訳ないね、確かに」

「当然、ギルド側もなんらかのアイテムを使って採取するのは想定済みでござろう」

「だがな、あるじ、今渡したメガネは普通Aランク以上の者にしか使いこなせませぬ」

「え、そうなの?そんなもん盗まれないの?」


「そのメガネは着用すると透明になるので他人からは見えませぬ」

「普通の低ランクの人はどんなアイテム使うの?」

「普通は職人ギルドが貸し出す箱状の判別機使って採取した薬草を放り込みより分ける方法です」

「そっか、その方法だと大量に無駄な草を取らないとならないし効率悪いね」

「さよう、メガネなら見るだけで判別出来るので効率が全然違います」

「それはありがたい」

「とにかく、町をでてやってみることです」

「うん」


俺は改めて町の大きさを知ることになる・・

「ケンは中規模っていったけど俺の見た感じだと人口は2~3千人位で小さい町って印象だね」

「この世界で人口3千なら中規模なのです」正確な人口は3102人

「回りは城壁に囲まれてるけど城壁大して高くないし東西南北の一片が2km位だね」

「田畑は城壁外に隣接されてますので町全体の広さはその4~5倍です」

「逆に言えばこの人口ではその面積しか守れないって事だね」

「御意」


「そっかだから冒険者がとってくる獲物が貴重って事なんだね」俺

「は、実は国からギルド運営費が補助されてるのです。軍隊を備えると考えれば安い物」

「なるほど、じゃ冒険者は戦争の時は戦うの?」

「ギルドからの拒否権なしのクエストとして徴兵されます、ランクに応じて配属先も違います」


「それでも最小限の警備隊、軍組織はあるにはありますぞ」ケン

「俺が最初に見つけた敷地と武器庫がそれだね」

「は、あそこに最低限の駐在兵、ここエドモンの町でいえば10人程度の守護兵がいます」

「すくなっ・・少なすぎない?」

「国家財政が逼迫してるのです、王都の守備にさくため仕方がありませぬ」

「俺、なんにもしらないのだけどこの国の名前と規模ってどのくらいなの?」

「国の名はオウカー王国、規模は人口200万程度極めて小国です」

「はあ、そんなに小さな国でよくいままで生きながらえてきたもんだ」

「ちゃんと秘密があります」

「教えてくれるの?」

「あるじがここに来たのは偶然ではないとだけしか申し上げられませぬ」


「つまり俺は必要とされて召喚された?」

「申し訳ありませぬ、なにも言えませぬ。われはあるじの忠実なしもべ」

きっとそうプログラムされてるのだろう。俺はなんとなく理解した



「凄いね町の外って開放感あって見渡す限りの畑」

「実際は住人が食べて行けるギリギリの広さしかありませぬ」

「え、?こんなに広大なのに?」

「は、不思議なことに農作物は何度も耕すと生産量が落ちてしまうのです」

「はあ、あれだねアニメでよく描かれる連作障害ってやつだね」


「ほう、理由をご存じなのですな」

「同じ種類ばかり耕すと特定の養分だけが減るので育たなくなる現象だよ」

「コレは驚きましたその様な事こちらの百姓は存じませぬぞ」

「うん、機会を見ていろいろアドバイスしよう」俺

「困るのです、あるじの有能さを露呈させる訳にはいきませぬ」

「だが、知ってるのに民が苦しむのを放置出来ないよ」

「さすがはあるじ、我が見込んだことだけはある」


「それは後にしてとりあえず薬草薬草っと」俺はメガネを着用してみた

「おお、凄いね直感的に目標の薬草が見える」

「あとは刈り取るだけでござる」

「ふうう、なんだか拍子抜けだよ、1時間足らずで達成してしまった」

「あ、リクエスト以上に採取しても問題有りませんし取った量だけポイント加算されます」

「え、そうなんだ、じゃ張り切ろう」

「ですがせめて300本ぐらいにしておいて下さい。出る杭は打たれますので」

「何事もほどほどって事だね。了解」


「あるじ!」

「ん、どうした?」

「その先の林のなかにゴブリンが二匹隠れてます」

「え、ゴブリン?どうしよう」

「ふつうは結界の力でゴブリンはここにいないはずなのですがたまに結界の揺らぎが

生じてゴブリンが深く侵入してきてしまうことがあります。ですが結界濃度がそれなりにあるので

ゴブリン自体の攻撃力は多分半減されてることでしょう」ケン

「でもGランク冒険者ではてに余るのだろ?」

「御意、半減されていてもGランク冒険者ではかないません。逃げるのが得策」


「じゃ、逃げよう」

「いえ、ここは修行するチャンス、倒しましょう」

「え、でも勝手にゴブリン倒したら違反行為で罰せられない?」

「あるじが襲われてやむなく反撃したとすれば規約違反になりません」

「そっかGランクじゃ倒せない筈の魔物だもんね」


「とにかくお任せくだされ」

「おい、そこのゴブリン!」ケンが勝手にゴブリンを誘う

「ギーーー」

二匹のゴブリンが振り向きざま同時に襲いかかってきた。


「シュン」なにかが一閃

「え?」

「倒しました」

「ケンすごいね、何にも見えなかった」

「はい、付近に誰もいなかったので魔法を使いました」

「え、魔法で魔物を斬れるの?」

「はい、今のはライトニング、雷系魔法ですが他に火系、水系や風系魔法もあります」

「こわっ」

「状況や相手の強さに応じて使い分けます、本来なら物理攻撃でゴブリンごとき一撃ですが

あるじに見て貰いたくて」ケン


「シュン」倒したゴブリンが消滅して代わりになにかアイテムが出てきた

「ドロップアイテムだ」感激する俺

「これをギルドに持って行けば買い取ってくれるし町の貴重な資源となります」


「ほうほう、なんか石みたいに見えるけど?」

「はい、魔物全てに存在するコア、つまり魔石です」

「この魔石でなにが出来るの?」

「結界を強化出来ます、ゴブリンごときの魔石では微弱ですがちりも積もればですから」

「つまりこの魔石をギルドにもっていけば俺がゴブリンを倒したのがバレるって事か」

「ですが正当防衛となれば話は別、クエスト以外でもGランクでゴブリン倒せばそう判断してくれます」


「なるほど、やむにやまれずって事にしとけばOKって事ね」

「まあ、頻繁に使える手口ではありませんけどね」

「ほどほどにこれからも退治していこう」

「御意」



「タイジさん大手柄です、ゴブリンを2匹も倒して薬草も3倍ですか・・驚きました」笑顔の受付嬢

「背後から襲われて必死で抵抗したらなんとか倒せました」

「でも、次からは逃げて下さいね命は一つしかありませんし人口減少は町の痛手ですから」

「宿に泊まってる身分なのに住人として扱ってもらえるの?」

「例え旅人であってもこの町に滞在してるかぎり住人です」受付嬢


「では規約に沿って薬草は5束で銀貨1枚なので計銀貨6枚、ゴブリンはクエスト外ですが

報奨金として二匹で銀貨4枚です。合計で金貨一枚ですね。初めてにしては凄いことですよ

あ、あとポイントは薬草で9ポイントゴブリンで250P加算されました。この調子で頑張って下さい」



「労働時間2時間で259Pは悪くないな」俺

「ですが明日はこんなに稼げません、連日だとあやしまれます」ケン


「でも、宿代で銀貨3枚毎日とられるんだからもっと稼がないと生活必需品も買えないよ」

「当座の資金は先日売った品物代でまかなえますけどね」ケン

「いや、もっと稼がないと、それに何時までも宿って訳にもいかないよどこか家借りたいし」


「それでは余った時間で職人ギルドに加入してなにか独自なものを作ればよろしいかと」

「うん、まずは農業改革をしたいので肥料や農耕機具の開発、連作障害をなんとか伝えたいね」

「驚きました、農耕機具でござるか?今あるよりも便利なものなんてあるのですか?」

「こっちが驚きだよあんな粗末な道具しかないなんて生産効率が悪いわけだよ」


「ですが・・農耕機具の発明なんて聞いたことがありませぬ」

「誰も着手してないだけだよ、現状で満足していたら人口なんて絶対に増えない」

「ううう、あるじは冒険者ではなく為政者になるべきなのかも」ケン

「何言ってるのケンがなぜ俺の部下なのか、ちゃんと使命があるんでしょ?」

「う、それは秘密です」

「昔流行ったバラエティ番組みたいな言い方するな」俺

「は?」

「いやなんでもない」

「ともかく俺はもっと稼ぎたいし、町は困窮してる、利害関係一致してるよこれは」

「御意、ならば早速職人ギルドに参りましょう」



「はい、ここは職人ギルドです。主な仕事は生活に役立つ道具の開発、生産、改良です

資格があると開発した物によっては国から報奨金が出ますし優秀ならば商人ギルドに売り出せます」

「ちなみにギルド登録者以外の者が勝手に道具を作って販売すると罰せられます」受付嬢


「ですよね、ギルドが認めない怪しい物を勝手に売られたら下手したら生命財産に関わりますからね」俺

職人ギルドにもランクはありますが発明や改造した度合いをギルドが判定してランクを決める方法です

「つまりポイントの積み重ねと言うよりもより優れた物を作れば一気に評価が上がるんですね」

「はい、その通り・・ですがここ数年ランクを上げた職人は数える程しかいません。冒険者ギルドよりも

ランク上げのハードルは高いです」つまり同じ仕事していても評価は上がらないって事

これまたとびきりの美少女受付嬢が教えてくれた、ちなみに会費は冒険者ギルトと同じ値段

「一度冒険者ギルドに登録されているのでカード情報はコピーされます血液は必要ありません」受付嬢

「いちいちギルド毎に血とられるのは面倒ですからそれ助かります」

「最初に作ったカードに追加情報として書き込まれていきます」受付


「クエストもあるんですね」俺

「はい、こんのが欲しい的なクエストで達成すれば報奨金がでます」


「どれどれ・・・」「え?なにこれ、こんな簡単な物でいいのですか?」

「え?ですが今まで誰一人として完成されてません、だからクエストな訳で」困惑する受付嬢


「では最初にこのクエストお願いします」

「はい、・・・承りました、このクエストの期限はありません。頑張ってください」


「一体あるじはどんなクエストを受けたのでござるか?」

「まずはね、くみ上げポンプだね」

「な、なんですか?そのぽんぷなる物は」

「ああ、図に書いてみたけど見て、こんな感じでハンドルレバーを上下に動かすと井戸から水が

上がってくる単純な仕組みさ」


「こ、これが単純ですと?ば、馬鹿な、水が勝手に上がってくるなんて誰も信じませんぞ」

「問題は知識はあるけど加工をどうするか、材料をどうやって手に入れるか・・」


「図面の通りで良いのでしたら我が加工出来ます。魔法使えば一瞬でござる」

「え、ほんとう?便利だねお願いします」

「我はなんでも作れますが発想が出来ません。あるじの能力の方が断然うえでござる」


「なになに、つまりケンは設計図さえあればなんでも具現化出来るの?」

「は、どのような物でも可能でござる」

「チートすぎやろ」俺

「は?さっきも言いましたが発想能力の方が遙かに上でござる」

「でも魔法といっても原材料は必要だよね」

「はは、過去にその手の材料集めばかりしていたあるじがいましてほぼ無尽蔵に

たいていの材料は蓄積されてますぞ」ケン


「とりあえずそのポンプを明日ギルドにもっていって評価してもらおう」

「これは恐ろしい発明品なので多分一日では評価だされないと思います」

「と、言うと」

「優秀発明品として国に献上されるでしょう「」

「困るんだよね、これは井戸での転落防止のための庶民の道具、高価では意味が無い」


「ならば設計図だけをギルドにもちこみ、後に製作販売はこちらで承ると言う事にすれば

この町の範囲での流通はあるじが自由に出来ます。他の町についてはどうにもなりませんが」



生活するためには稼がないと・・・

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