014:テーマ:メイク批判, ブラウントラウト, 謎解き
今日は待ちに待った地元の謎解き大会当日。
謎解き大会は予選が誰でも楽しめる脱出ゲーム形式、1回戦はフリップ形式のクイズと続き、決勝戦で早押しクイズで順位を決める流れようだ。
個人参加も可能だが私は友達とグループでの参加をしている。
予選は脱出ゲームのような形式だったが順調に突破し、本戦に行くことができた。
「ちょっと、メイク直してくるね」
メンバーの一人である栄子がそう言い化粧室へと行った。
待っている間、次の種目であるフリップ問題の予習をしていた。
地方の催し物ということで社会、歴史、環境の3ジャンルが対象になっている。
ある程度、出題範囲が決められているため、少しクイズを齧っている私たちでも気軽に挑戦できるのだ。
私は社会を担当し、寅美は歴史、栄子は環境をそれぞれ担当する予定になっている。
「ただいまー」
「「おかえり」」
そうこうしているうちに化粧室から栄子が返ってきた。
「予選突破の方に連絡です。10分後に1回戦を開始いたします。会場までお越しください」
ちょうどアナウンスが入り、会場に向かうことにした。
会場に着くと何人も参加者がおり、私たちの番号の札が置かれた机が用意されていた。
「では、ただいまより1回戦を始めたいと思います。全五問の問題を出題しすべて正解したグループが決勝に進むことができます」
司会の男性がルール説明を行い、1回戦が始まる。
会場の観客席には人がそこそこ集まっていた。
小さな子供が出場者を指さして楽しんでいたり、脱出ゲームの景品で楽しむ学生がいたり多種多様な人がいる。
「では、第一問、ジャンルは環境の問題です。河川の生態系を壊すことでブラックバスが有名ですが第二のブラックバスと言われている魚は何でしょう」
一問目からかなりの難題が出題されている。
「ジャンルは環境だってよ。栄子よろしく」
「う、うん、頑張るね」
寅美からフリップを渡され栄子が記入していく。
少し不安そうな声だったが大丈夫だと私は信じている。
周りの参加者がある程度書き終わったタイミングで司会の声が響いた。
「では、シンキングタイム終了です。それぞれフリップをお見せください」
フリップを観客に見えるように机の上に置いた。
そこには『セカンドバス』と書かれていた。
これはやったな、と思いつつも司会の答えを待つ。
「では、答えの発表です。答えはブラウントラウトです。不正解の方は出口から退場してください」
やっぱり、と思ったが一先ず退場する。
私たちを含めて2組が退場していく。
「栄子どういうことだよ」
「あんなに難しいなんて思ってなかったんだよ」
「化粧室に行かずに予習しておけばよかったんだよ」
「メイク批判するつもり。予習してもあんなの分かるわけないじゃん」
寅美と栄子が言い合いを初めてしまった。
「会場の皆さん、お手元のパンフレットをご覧ください」
「おいおい、マジかよ。謎解き大会のパンフレットに書いてんじゃねーか」
司会の声が聞こえ、一緒に退場したもう一組の声が続けて聞こえてきた。
私もパンフレットを見てみてるとパンフレットの一部に近くの川で起きている問題が書かれており、そこにブラウントラウトの名前が載ってあった。
地元の謎解き大会ということで答えはすぐ近くにあったのだった。