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012:テーマ:寿限無,スパイスカレー,冬の星座

これは遠い遠い宇宙のワンシーンである。

「おーい、オリオンさーん、遊びに来たよ」

双子の兄弟が村一番の狩人であるオリオンの家に来ていた。

双子とオリオンは狩りを行う師弟関係であったが狩りのない日はよく昼食を食べつつ雑談に花を咲かせていた。

「二人ともいいタイミングで来たね。今日の昼メシはスパイスカレーだよ」

「わーい、おいしそー」

「わーい、たのしみー」

オリオンはちょうど昼食を作っていたところだった。

二人が何かを言いたげにソワソワしている様子がオリオンに伝わってくる。

「あとは煮込むだけだから、二人の話聞かせてもらおうかな」

「今日はね、『じゅげむ』っていうのを聞いたんだ」

「村のうしさんが教えてくれたんだ」

二人は村にいる牡牛と話していたみたいだ。

寿限無とは遠いどこかの国でつけられた縁起のいい言葉だ。

牡牛が世界を回っているときに聞いた話を持ちネタのように村人に話すことがある。

それを二人も聞いたのだろう。

「『じゅげむ』っていうのは縁起のいい子供の名前なんだって」

「長い名前でえーと、、、『じゅげむ、じゅげむ、ごぼうのすりきれ』」

「ごぼうじゃなくて五劫だよ」

二人はよくある勘違いをしていたようだ。

「えー、オリオンさん知ってるの」

「ごぼうじゃないんだー」

「牡牛さんはよく寿限無の話をするからね。『寿限無 寿限無 五劫のすりきれ 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末 食う寝るところに 住むところ やぶらこうじの ぶらこうじ パイポ パイポ パイポの シューリンガン シューリンガンの グーリンダイ グーリンダイの ポンポコピーのポンポコナの 長久命の長助』ってね」

一息に寿限無を言うと二人から拍手が巻き起こった。

「「すごい、すごい」」

「お、もうスパイスカレーが出来たみたいだ」

オリオンは素直な誉め言葉に照れつつ昼食の用意をするのだった。

これは遠い遠い宇宙の冬の星座と呼ばれる前の星々の一幕である。

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