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相反する気持ち

 しかし、相反する気持ちもある。


何故、あの時、自分を許してくれなかったのか・・・


たった一言 「私とは合わない」 


この言葉だけで、自分を拒絶した。


私は、その理由が分からない。


その別れ方が、あまりにも残酷だった。 私には。


一言で、彼女は私との関係を終わりにした。



 確かに、私が起こした「産婦人科医院での行い」 で彼女を傷つけた。


しかし、私は実家に謝罪に行った。 だが、彼女は怒っていた。


そして、スーパーの入り口での一言で、私を拒絶した。


その理由が分からない私は、心に大きな傷を抱えた。


その傷は、長い歳月を経て、私を激しく苦しめている。


彼女は、私から離れ、私との関りを忘れて、普通に生きているだろう。



 つまり、あの一言では、私は納得できていない。


その時、彼女からきちんとした話を聞けていれば、こんなに苦しむことは


無かったかもしれない。


しかし、彼女は、正直な気持ちを私に伝えると、私が傷つくと考えてくれたのかもしれない。


それでも、やはり3月2日の行いが、大きかったと考えるのが、妥当であろう。


その日までは、彼女は笑顔のままでいてくれたから。


だから、一度だけは許して欲しかった。 お互いに進んでいく方向は同じだったはずだから。


彼女を愛おしい気持ち、残酷だと感じる気持ち、入り乱れている。



 あの3月2日の私の行いが大きかった。


これが運命なら、残酷だ。 私の過ちがあったとしても。


こんなことなら、彼女とめぐり逢わなければ良かった。



 彼女の笑顔が、「千人力」になったはずだった。


しかし、それも叶わなかった。 私の至らなさで。


彼女の代わりなどいないのに。



次の話で、「さまよう心」の章は、終わりです。

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