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新たなお見合い 1
実家に帰った時、父親が次のお見合いの話をした。
「この話は残念だったが、もう忘れて見合いをしろ」 と言った。
自分は、その気になれなかった。 息子の気持ちを全く分かろうとしない父親だった。
「そんな気にはなれない」 父親に答えた。
父親と激しい口論となった。話は平行線のままだった。
その後、帰るたびに同じ話をしてうんざりしていた。
戦前生まれの、田舎の父親。家長制度にうるさい父親であった。
自分が子供の頃は、もっと血気盛んな父親であった。
酒の上でのトラブルは、多かった。 自分や弟は、その犠牲者だった。
体でなく、心の傷は、この時に抱えていた。
お見合いをして、少し付き合いが出来たら、嫁としてもらいに行け。
そんな、明治時代のようなことを、考えている人間であった。
話が合うわけがなかった。
彼女と付き合うようになったのは、父親がおじさんに頼んでいたからだった。
その点では、文句は言えない。しかし、彼女が駄目なら、次ということは考えられなかった。




