彼女への想い
色々と失敗を繰り返してきた未熟な自分である。
産婦人科医院での行いが、ずっと後に、自分を激しく苦しめることになるとは、想像できなかった。
一般的に考えると、自分の行動が悪かったから仕方ない、ということである。
しかし、一度の過ちは許すくらいでないと、一緒にはなれないと思われる。
ただ、彼女は、自分の行いを、時間をかけて見ていたのだと思う。
何を言っても許してもらえる人、家族を大事にしてくれる人を探していたのだろう。
この男性なら頼りになるという人を。
完全に信頼できた時に、結婚を決め、言えなかったことを、少しずつ話してくれたと思う。
彼女は、それまでの経験から、最後まで自分のことは最小限に伝え、相手の様子を伺うという考えだったのだろう。
彼女は、過去に苦い別れがあったのかも知れない。
自分よりは、大人だったと思う。
自分は、それまで彼女に丁寧に接してきたつもりだった。
しかし、肝心なところで、彼女への配慮が欠落していた。
自分が彼女を安心させることができていなかった。言葉が足りなかった。今思えば。
彼女は、産婦人科医院の行動を見て、「その他の気になる部分」と併せて、
「私とは合わない」 と決断したのだろう。
それまでの交際の積み重ねは、一瞬で壊れた。
多くの人は、やり直したい過去があると思う。
自分にとっては、この3月2日に戻って、やり直せたらと激しく願う。しかし、それは叶わない。




