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彼女の決断
妹さんのお子さんを見に行くタイミングで、ご両親に無理なく自分を紹介することを、考えてくれていた。
彼女がお膳立てしてくれたにもかかわらず、それを裏切ってしまった。
普段の対応を、彼女とご両親が見ていた。自分は、彼女に試されていたのだろう。
それが、彼女の「試験」だったと思う。
あの時の自分は、その点が未熟だったとしか言えない。
この日の行動が、彼女の信頼を大きく失わせてしまった。
「こんなことも出来ないの、あの人は」 彼女は、こういう感じだったのかも知れない。
両親と一緒に帰ったあの日、帰りの車内で、彼女は裏切られた気持ちでいっぱいだっただろう。
その翌日にも、彼女に詫びの電話をすればよかった。しかし、していないと記憶している。
体調が悪く、臥せっていたが、その代償はあまりにも大きかった。
彼女は、「試験」の結果をかみしめ、決断したのだろう。




