運命の日
3月2日、この町に雪が前日から降り続き、うっすらと雪が積もっていた。
その日の自分の精神状態は特に変わっていなかったと思う。
しかし、夜勤明けの上、体調は悪かったと記憶している。
勤務時間を終え、すみかに帰り、睡眠を取った。
夕方、いつものとおり彼女と待ち合わせをした。
3月とはいえ、雪が降る気象状態で、気温は上がらず、寒い日であった。
体調が悪い状態は、その日の夕方も同じであった。
そのことが少なからず、その後の自分の行動に影響していた。
冷静に対応できなかった自分が腹立たしい。待ち合わせを電話で断っても良かった。今思えば。
彼女と会い、食事後に彼女に言われるままに車を動かした。
着いた所は、産婦人科医院であった。川沿いの道にある医院だった。
道路から誘導路が少し傾斜しており、内側に駐車場がある形になっていた。
外は既に暗くなっていた。
薄暗い駐車場に車を止めると、彼女が「今日、妹の子供を見に来たんよ」 と自分に言った。
妹さんは、彼女と同じ町にある外科医院で、看護師をしている。
その妹さんが、子供を産んだとのこと。
この時、短い距離のドライブだった。
助手席にいてくれた彼女、これが最後となった。
その時の自分には想像もできないことであった。




