プロポーズ
11月27日が彼女の誕生日。
交際を始めて2か月であったが、自分は彼女にプロポーズをした。
彼女のことは、一目惚れであった。
しっかり者で家庭的な人、彼女しかいないと決断していた。
迷いは無かった。
デートの帰りに、いつものとおり彼女を家の近くまで送って行った。
車を止め、後部座席に置いていたプレゼントを手に取った。
ネックレスと花束だ。
ネックレスは、町の中心部にある商店街の時計店で買った。
店員に相談しながら、彼女に似合いそうなものを選んだ。
本当は、指輪にしたかった。
しかし、付き合いが浅かったこともあり、ネックレスを渡すことにした。
花束は、商店街近くにある花屋さんで買った。定番のバラの花束にした。
車から出ようとする彼女を引き留めた。
緊張しながら、プレゼントを彼女に手渡した。
「自分と結婚してください」 と彼女に告げた。
彼女は驚いた様子だった。返事は無かった。
それも当然だろうと思った。まだ2か月だ。
「今返事しなくていいから」 そう言った。
「うん」 うなずきながら、彼女は返事をしてくれた。
ネックレスと花束を手に、彼女は周りが暗い道を歩いて帰っていった。
遠くに彼女の家の明かりが輝いていた。
人生で初めて、女性にプロポーズをした日だった。
一生忘れない。結果がどうであろうとも。




