デートを重ねて
デートは、週に1~2回ほどのペースだった。
喫茶店やレストランでの食事、時間が取れる時はドライブをした。
ドライブで覚えているのは、住んでいる町から1~2時間程度車で走った所である。
内陸部にある渓谷、半島部の海岸線を走ってたどり着く岬の展望台、高台にある公園などに行った。
渓谷に行った時は、彼女がお弁当を作ってくれていた。本当に嬉しかった。
(母親以外の)女性に弁当を作ってもらったのは、初めてだった。
今も心に残っている。
彼女と、お弁当を食べている時、ある動物が現れた。
かなり遠かったので、自分は気にしていなかったが、彼女は怖がっていた。
気が強そうな彼女だったが、可愛い面を見た気がした。
岬の展望台や高台にある公園に行った時は、国道沿いにある喫茶店に入った。
今でもその時の喫茶店の建物はあり、そばを通るたびにその時のことを思い出した。
また、岬の展望台がある半島部が見える国道を通る時は、胸が痛んだ。
交際が進んでくると、彼女が「遠出のドライブは、そんなにしなくて良いよ」と言ってくれた。
それからは、喫茶店やレストランでの食事が中心になった。
デートの時、彼女の家の近くやスーパーの駐車場で、彼女を待っている時が幸せだった。




