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彼女の話

 しばらくすると、彼女の姿が遠くに見えた。小走りに彼女が車に近づいてきた。


「お待たせ」彼女はそう言うと、躊躇なく助手席のドアを開け、車内に入ってきた。


黒基調の服装、落ち着いた感じの彼女によく合っていた。


大笑いするではないが、少し微笑む表情がたまらなく可愛く、自分の心は幸せ満点の状態だった。


「今日は、この前話したところに行くつもりだけど、大丈夫かな?」


「大丈夫だよ」


良かった。安心して車を走らせることにした。



 国道に入り少し進むと、この前通った峠があり、目の前に海が見えてくる。


左方向に、この前の喫茶店が見えた。しばらくジグザグの急な下り坂が続いた。


オーバードライブスイッチをOFFとして車を走らせながら、彼女と話しをした。



 勤めている医院のことを中心に彼女に聞いた。医院は小さく、少人数のスタッフとのこと。


昼間は、医院の外来の患者対応だが、夜は高齢者の入院患者の対応があるとのこと。


なので、定期的な夜勤があるらしい。


自分の仕事も、交代制勤務なので、夜勤があるのは同じだった。


彼女は准看護師さんだった。


家族のことは、多くを語りたがらない様子であったので、積極的に聞かなかった。


その中で、両親が若い時に、駆け落ち状態で隣町から飛び出して、暮らし始めたとのこと。


お母さんが苦労したと、彼女は少しだけ話した。


「そうかー」と小さく言葉を返した。


自分の両親のことを思い出した。彼女と同じく、母親は苦労していた。


夫婦のことは子供には分からないが、一本気な父親と暮らしていくのは大変だっただろう。


彼女は、長女なので一番両親のことを考えているんだろうと思った。

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