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運命の選択

「お目覚めかな〜〜?」

ブルーな気持ちを知らないのかと疑いたくなるほどの明るい声が頭に響いた。その声の主を確認しようと頭を上げると違和感が目に飛び込んできた。体が包帯でぐるぐる巻きにされていることではない。まあ、そのおかげで事故を起こしたことを思い出したが……。そうではなく、手がズレているのだ。実体から幽霊のように透けた手がはみ出ている。戸惑っていると、またあの声が聞こえてきた。

「無視しないでよ。ずっと幽体が出てくるまで守ってあげてたんだからね!私、ティニア。あなたは?」

辺りを見回したが、それらしい人はいなかった。

「ふふふ。神が遊び場に降りることはないわ。それより名前、名乗りなさいよ。」

自分に起こっていることを理解することができない。だが、まずは体が2つになっている理由を知らなければならないだろう。

「羽尻穂貴です。幽体って何ですか?」

「それはね、今のあなたのことよ。その透けてる状態のこと。事故にあったあなたの体は植物状態。故に、意識だけが外に出たのよ。分かった?」

「はい……。なんとなく。」

正直、ファンタジックすぎると思うが、この状況が何よりの証拠だろう。

「そこで、あなたに2択があるのだけれど。選択肢1!幽体の状態のまま、ここに留まって死神に狩られる。選択肢2!幽体を体に移して、死神に狩られないようにする。」

死神ってまた非現実的だな。それは置いといても、誰だろうと後者を選ぶじゃないかという選択肢だ。きっと裏があるんだろう。

「選択肢2を選んでもあなたの体に戻すわけじゃない。強者がルール、弱者は蹂躙される弱肉強食の世界に行ってもらう。その世界で死ぬ前にルールを作ることができたら、この体に戻してあげるわ!」

生き返りたいのであれば、選択肢2を選ぶしかないが、それも困難な道というわけか……。1つの疑問が頭をよぎった。

「その弱肉強食の世界で死ぬまでにルールを作ったとして、この世界の体は老いて死んでるってことはないですか?」

「神を舐めないで欲しいな。私が作った世界なんだから、この世界の時間を止めておくことも容易いことよ。」

神とやらは、無敵らしい。神に決断を伝えると、意識が遠のいていった。






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