第15話 ラストバトルな第50階層
階層50
とうとう最後の階層までたたどり着いた。
ここを踏破した人間はまだいない。
私達が初だ。
だから、誰かの知識を参考にはできない。
すべてが初見。
私達は、入念な準備をして、ダンジョンに挑んだ。
50層に移動した後は意気込みを表明。
「ロマンは私の物。でも、宝は山わけにするわよ!」
「へーい」
「当然の権利だ」
「えっと、何かくれるの? ありがとう」
熱意の種類がバラバラだったが、まあ何とかなるだろう。
50層はさすがだった。
アースタ―というチートが全力を出しても大変だった。
トラップの罠。モンスターの大群。
襲い掛かる虫、迷わせる構造。
シメはダンジョンの守り主、ボスモンスター・ドラゴンとの戦闘。
戦いは何時間も及んだ。
途中で悪役令嬢が参戦して「かっ、借りを返すだけですわ」とか言ってきたので「はいはい」とパーティーに組み込んだ。はい、ツンデレ確定。
そして、五人で力を合わせた結果、どうにか勝つことができた。
ダンジョンを踏破した後、月に到達して宝物の間でお宝を眺めながら休憩。
心地よい疲労感に身をまかせながら、しばらく達成感にひたった。
私達は、最初にこのダンジョンに踏み入れた時の事を、思い出してあれこれ話に花を咲かせた。
最後にこれからやりたい事を話して、お宝回収へ。
お金や宝石、悪役令嬢が望む薬もばっちりあったようだ。