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「よーし、昼休憩に入るぞ」
班長の合図に皆が一斉にして手を止めて、肩をだらんとしながらそれぞれの自分の定位置として決めた場所へと体を移動していく。
カーテンで区切られた休憩場所はあるけど、利用しているものはいない。皆が持ち場でのさぎょ場所で腰を据える。お客様が来たら、優先してお使いくださいという理由なのか、それとも閉じられた空間が嫌いなのだろうか。
考えて仕方がないから、用意された休憩室に入り込み、席に着いてから持ってきた弁当を机の上に置き、包まれた風呂敷をほどき、弁当のふたを開け、いい具合に茶色がかった卵焼きを一口で中に入れ込む。つぎに飯をかきこむ。そうやって黙々と食事しているときに班長がやってくる。
「どう?仕事は楽しくやれてるかな?」
「はい。一人で黙々とやるのは好きなので、自分に合っているかもしれません」
「それはよかった。仕事は丁寧にやってくれてるし、覚えも早いから午後からちょっと新しいことをやろうか」
「わかりました。よろしくお願いします」
「よし、午後からも頑張ろう」
そういって班長は冷蔵庫から栄養ドリンクを取り出して渡し、休憩室から外へ出って言った。
会話はよそよそしさが全快で、ぎこちない会話運びだなと感じ
「そこまで疲れてないのにな」
と思いながら、もらった栄養ドリンクのふたを力いっぱいにひねって開け、のどに流し込んだ。