第三幕 殺し屋
またまた別の国の話です。
ジメジメとしていて何も無く手足は枷をされ鉄格子で閉じられている狭い部屋でただ座っていた。
この待遇は当たり前であり俺が仕出かした罪に対しての罰なのだろう・・・
人を殺したことは後悔はしてないし今のこの状況に不満がある訳でもない・・・ただ・・・俺という存在がこの真っ暗な牢屋の中に封じられるならそれで____
「出ろ・・・小娘」
「・・・ふっやっと俺は死刑か?まぁ悔いは無いさ」
「・・・付いてこい」
枷はそのままで鎧に身を固めた騎士に引っ張られる。
引っ張られ連れてかれた所は処刑場・・・ではなく国王の前だった。
「・・・もう俺が話すことは無いぞ」
「スレイト・ヘル・ダー・・・貴様にチャンスをやろう」
そう言った国王は右にいた騎士に何かを持ってこらせる。
「何のつもり____だ___・・・っ!?」
騎士が持ってきたのは真っ黒な剣だった。
それは捕まる前に私が使っていた剣である。
「・・・何を考えてる」
「殺し屋だった貴様にチャンスだ・・・愛され聖戦で参加者を全員殺してくれ・・・貴様になら出来るだろ?」
この国王は何を言っているんだ・・・殺し屋に仕事を頼む?ふっ・・・馬鹿くさい・・・
「その剣を私に渡すということはその愛何とかには殺し屋として参加することになるぞ?」
「・・・あぁ・・・だから言っているだろ・・・殺してくれと・・・」
「わかった・・・その仕事を受けてやるよ・・・殺し屋として・・・」
その後個室に用意された服に着替え剣を腰に携える。
「おい・・・お前」
「アルミス・メルテルトです・・・一応あなたと一緒に戦うメンバーです」
「ふ〜ん・・・で?愛何たらってなんだよ・・・」
「愛され聖戦です・・・神が決めた戦いです・・・神に愛されるか最後の一組になったら勝ちと・・・」
「何だその虫酸の走る名前・・・それにあの国王は端っから愛される気なんて無いじゃねぇか・・・」
何が愛され聖戦だ・・・どんなに名前を綺麗にしたってやることはただの殺し合いか・・・牢から出たら死ねる・・・なんて思っていたがもう一度殺し屋としてこの地に足を置くことになるとは・・・
「あなたはこのマーラケルン王国の王をどう思いますか?」
「俺か?俺は・・・王としては最悪だと思う・・・俺が言えたことじゃないが・・・ただ戦争っていうのはそういうものだからな・・・」
「なるほど・・・それではどこから攻めますか?」
「なら殺しやすい所からだ・・・参加してる国の中だと一番はアイルツォセス王国だろうな・・・多分奴らのことだから白の騎士団が戦いに出てるだろうよ」
「白の騎士団ってあの・・・」
潰し安いところから潰した方が後にめんどくさいことにならないからな・・・
「良し決まった・・・行くぞアルミス」
国王が用意した馬に跨り出発する・・・アイルツォセス王国へ____