#3-2
#3-2
パチパチと音をたて始め、辺りの電気が普及し目の前が明るくなった。
そして衝撃的かつ運命的展開を目の当たりに、俺は息を呑み込んだ。
俺の目の前の早苗先生の体は床に接していて__
俺の手はご丁寧に早苗先生の肩を抑えていて__
俺が上で__早苗先生が下__……
“俺はその途中、何かに衝突してそれを押し倒すようなカタチで倒れこんだ。”
“それを押し倒すようなカタチで___”
“それ”とは…………………
「ぁッ///早苗先生???!!!」
俺が声をあげると、さっきまでポカンと口を開いていた早苗先生の顔が一瞬で赤色に染まった。
いやいや、可笑しい可笑しい可笑しい何かが可笑しい。
目の前の早苗先生は俺の知る早苗先生ではなく、
「ぁの……メガネが…///どっかいっちゃって……///」
メガネのない、早苗先生だった。
大きな瞳に、真っ赤な頬、か細い声___
俺の目は一番美しいものを見ているように、うっとりとした。
_____すごく、綺麗だ。
俺の心は今、目の前の女性に鷲掴みされてるかのように夢中になっていたんだ。。。
心臓はどくどくと高まり、思考は完全にノックアウトされていて…
理性というリミッターがぶった切られた俺は、彼女の肩を抑える力を緩めなかった。
「ぁの…、退いて下さい」
嫌だ。
俺はこのまま雰囲気の流れるがままに、
彼女を自分のものにしてしまいたいという欲望を感じた。
「早乙女先生…ッ!!あのッ!」
その必死で声を荒げる口を___
俺の口で塞ぎたくなる衝動。
そして舌を絡ませ合い密な交流をしたくなる衝動に耐えれるかなんて、知ったことではない。
「早苗先生…。」
低い声でそう囁き、彼女の顎を掴み、顔を近付けた__
その刹那……
___パァン!!という音が部屋中に響き、頬に痛みが走る。
俺は体を起こした。
頬にズキズキと鋭い痛みが残って、ものすごく気持ち悪い。
「……からかわないで下さい。」
そう言い放った早苗先生の顔は__
相変わらず赤い頬で、ただ…瞳に涙を浮かべていた___。
「…俺、なにやってんだろ。」
これって…
これは、リアルがちまずいと思う…。
このドクドクとうるさい心臓は、何だ。
この早苗先生のことばかりでいっぱいの脳内は、何だ。
早苗先生の肌に触れた感触が、今でもリアルに残っているのは____
一体、何なんだろうか。