ドキドキ!? Ⅱ
忘れキャラ登場です☆
翌日、美波はドキドキしながら駅の改札口を出た。すぐに小野の姿を見つける。
(カッコいい。私服の小野さんだ。)
ジーンズとTシャツ姿の小野だ。いつもはスーツ姿しか見たことがない美波にとって、とても新鮮で若々しく映った。自分もジーンズとTシャツで着てよかったと思う。
「おはよう。」
「おはようございます。」
「私服姿かわいいね。この帽子も。」
「じゃ、急ごう。はい、これ持って。」
小野は、美波に舞浜行の切符を渡した。
「え、お金。」
「いいから。いいから。」
そう言われ、背中をポンと押される。
――電車内。
(うひゃ~~!!)
時間が経つにつれ、電車内はますます混雑してきて、美波たちは乗車口前へ移動。すると小野は美波を守るべく、美波をドア側に立たせ、自分は人ごみ側に立つ。
(これは、憧れのカップル立ち!)
美波はドキドキした。
恋人同士ではないにしろ、なんて嬉しい行為だろう。やはり自分は女の子なんだと自覚させられる。そしてそれが、自然にできる大人の男の人である。美波は俯いてはいたが、真っ赤になっていた。
* * * *
「人、スムーズに流れてるね。」
ただ今〈カリブの海賊〉待ちだ。
私たちは一番何に乗りたいか?で〈スプラッシュマウンテン〉で意気投合し、ファストパスを朝一でゲットしここに至る。
「そうだ。電車で渡せなかった、これ俺の名刺。」
「…ありがとう。…小野?」
「小野一哉。出版会社に勤務する25歳。よろしくね。」
「出版会社。ああ。それでいつも忙しそうなんですね。」
「美波ちゃんは?」
「はい。私は聖蓮女学院、2年17歳です。」
「高校生!?」
「はい。」
何で驚くの?
「いや、てっきり19歳位かと思ってたよ。じゃー、手だせないなぁ。」
「!?」
い、今、何か聞こえたけど……!
「手、ですか?」
「ははは。気にするな。よし、お兄さんと言う事で。」
「…………兄貴とお呼びします。」
「あはははは!」
突然、小野さんは笑い出した。結構、豪快に……。
「おもしろいな。美波ちゃんは。それじゃ、妹と呼ぶよ。」
「「兄貴と妹でよろしく!」」
そう言い、私たちはお互い赤外線通信で、メアドを交換した。
あれ?本来の目的忘れてない?と思うが兄貴が笑ってくれればいいので良しとしよう!
そんなこんなで楽しんでいた時――。
――いきなり腕を捕まえられた!
「だれ?そいつ?」
振り向くと後ろには、あの王司雅臣が立っていた。
しかも隣には女の子。
兄貴も疑問顔だ。
「もう1度聞くけど、だれ?そいつ?」
なんか偉そうじゃないか!?前と態度違くない?
しかも兄貴に対して失礼じゃないか!だんだんむかついてきた。
「あなたには関係ないんじゃない?」
「!」
「そうだよ。どうしたの雅?」
王司にくっつく女の子が間に入る。
「由紀は黙ってて。」
「……今日、同級生の仲間らと一緒に来てたんだ。まさかあんたに会うとは。」
――――To be continued
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