恋人デート!?
久しぶりの更新です。
お気に入りされてた方々、本当にすみません!!
待っていて下さった方々ありがとうございます!
どうぞこれからもよろしくお願いします!
日曜日の朝、パジャマ姿で食卓テーブルに座り一人遅い朝食を取ろうとパンを口に銜え、ぼーっとテレビを眺めていると突然、美波の携帯の着信音が鳴った。
『おはよう。何してた?』
「……。朝ごはん食べてた……」
『今日の予定は?』
「……特に、ない……けど」
『じゃあ、今から駅で待ち合わせ、OK?』
「ええっ!?」
『用意できたらでいいよ。焦らずおいで。待ってる』
「ちょっ」
それだけ言うと電話は切れた。
(いきなり何なのよー! ……それに、怒ってたんじゃないの……?)
「もう!」
訳わからずのまま用意して、美波は王司の待つ駅まで急いだ。
「おはよう」
「おはよう……」
美波を見つけると王司は自然に笑顔が綻ぶ……。
「私服姿かわいいね。……休日に会えて嬉しいよ」
「☆☆~~!」
だいぶ王司の笑顔に慣れたとは言え、王子スマイルには顔が火照る。しかもその顔でそのセリフを言われたらどんな女の子だってドキドキものだ……。
(このイケ男め!)
考えてみれば私服で会うのは初めてだ。
王司は黒系テーラードジャケットに黒とグレーのカットソー重ね着、ジーンズと言った服装でいつにも増してイケ男度がUPしていた。一方、美波はピンク色のドット柄シフォンブラウスにデニムジーンズといった格好。自分が王司の隣にいていいのだろうか? と正直思えてくる。
「どこ行くの?」
「遊園地」
「ええっ」
「ジェットコースター好きって言ってたよね?」
「そうだけど……」
「じゃあ、決まり」
なぜだかいつもよりも少し強引な王司のリードに流されて、気が付けば目的地に到着していた。
*
「楽し~! 次、あれ行こう!」
絶叫マシンを3つも制覇し、ノリに乗ってきた美波はルンルン軽快な足取りで王司と歩いていた。
「本当に好きなんだ。苦手な乗り物はないの?」
王司はスキップ気味で早歩きする美波を離すまいと、繋いでいた手に力を込め握り締めた。
つられて、美波が王司に振り返る。
優しい笑顔が美波を見つめていた。
心臓が ―― トクン ―― と跳ねた。
「……」
なんだか今日はやけにカッコ良くないか?
行き交う女の子達の視線もいつも以上に多い気がする……。
(私服やばい……。ドキドキがいつもより多い……)
「に、苦手なのは……高い所の乗り物」
「高い所?」
「そう。観覧車とか……」
「ジェットコースターは平気なのに?」
「そう。だってゆっくり動くし、それに風ですごく揺れるでしょ」
王司はニヤリと笑みを浮かべると、イタズラ顔をして美波に言った。
「じゃあさ。今から俺と勝負して、負けたら観覧車一緒に乗って」
「えーなんで! 私が勝ったらどうなるのよ?」
「そしたら何でも言う事聞くよ。」
「……」
「……何するの?」
「相手のいい所を10個、先に言った方が勝ちって言うのはどおだい?」
「ええっ!」
「スタート」
「ちょっと!!」
王司1 「かわいいところ」
王司2 「髪が綺麗なところ」
王司3 「明るいところ」
美波 「ちょっと! ちょっと!」
王司4 「真面目なところ、ほら言わないと負けるよ」
美波1 「カッコいいところ」
王司5 「素直なところ」
美波2 「~~優しい、ところ」
王司6 「乙女ゲームが好きなところ」
美波 「なにそれー」
王司7 「友達思いなところ」
王司8 「オシャレなところ」
美波 「~~~~」
王司 「どうしたの? 負けちゃうよ?」
美波3 「気が利くところ!」
王司9 「誠実なところ」
王司10「初心なところ、ほら真っ赤だよ……」
「俺の勝ち……」
「ずるい!」
「簡単だね。もっとあるよ」
「もういいですからっ!」
「ふーん。そうか、かっこいいね。優しい。気が利く……そう思われてるのか……」
「乙女ゲーム好きっていいところになるの!?」
「もちろん。女の子のゲームだろ。かわいくて女の子らしいって事だよ」
「~~~~」
「そう言う事で、最後は観覧車決まり」
(やられたー)
それからお昼はたこ焼きを食べた。普通、女の子が男の子にふうふう(冷まして)食べさせてあげるものだと今まで思っていたけど、何故だか逆にふーふーして食べさせてもらった。恥ずかしいからやめてと言ったのだが、嬉しそうでやめてくれなかった。
――そして夕方。観覧車前。
「二人だから怖くないよ」
「なんか、やられたって感じ……」
「クスッさあ乗った。乗った」
徐々に徐々に景色は高くなっていく。
(ひゃー。こ、こわい……こわい)
顔が強張っているのが自分でも分かる。
「クスッ。大丈夫だよ美波」
そう言って、向かい合わせに座っていた王司が席を立つと自分の横に腰を下ろした。
「ちょっとちょっと動かないで! 揺れる!」
「大丈夫、大丈夫」
「もう一番上まで来たかな?」
「怖いなら抱き締めてて上げるよ……」
「……え?」
王司は背後から優しく美波の体を抱き締めた。
「もう怖くないよね?」
―― トクントクントクン ―― 心臓の鼓動が早くなる。
(待って、待って! 落ち着いて!)
もう、怖いとかのレベルどころの話ではなくなっていた。
男の子とこんなに近く接近したのは初めてだ。
背中に体温を感じる……。
「ずっと、この髪に触れたかった」
王司は美波の髪に触れると軽く口付けをした。
美波の心臓は今にも爆発寸前だ。
(ドキドキMAXだよー!!!!)
――――To be continued
甘々デート編でした。
すごく乙女的だったと思います。
続きます。