はあ!?
乙女ゲーム好きの作者です。
楽しんで読んでいただけたら幸いです。
「俺とつきあわない?」
「?」
(はあ?何言ってんのこの人……)
私、 立花 美波 17歳、親友の倉林 優と学校の帰り道のマックでコーラを飲みながら、大好きな乙女ゲームの話をしていた真っ最中。
まだいる……
「ね、俺とつきあわない?」
「……人違いでは?」
だっておかしいよ。こんなイケ男がなんで私に?
「何かの罰ゲームですか?」
「いや。違うよ。立花美波ちゃん。」
「!?」
なんで私の名前知ってるの!?
私の通う学校は、今では残り少ない女子高だ。それにどう見ても、そのイケ男の制服は隣の学校の制服に間違いない。自分で言うのもなんだけど、私は美人ではない。まあ普通かな、十人並みだと思う。そうね唯一のチャームポイントはサラサラのストレートの髪かしら。友達にも褒められたわ。後ろ美人てね。ふふショックだったわ。
美波は物心ついた時から女子中高に通っていた為、男に免疫がない。今ではすっかり乙女ゲームにはまる女の子だ。……やはり、おかしい――。
「?」
そのイケ男は、どう見ても女の子にもてそうで、かわいい彼女がいるでしょと思わずにはいられない。見た目は、ジャニーズ系?さわやか笑顔で、少し茶髪で清潔感あふれる男の子って感じだった。
「どうして私なの…か…な?」
イケ男はにっこりほほ笑んだ。
「前から知ってたけど、この間ブックオフで見かけて、真剣に乙女ゲー選んでいる姿がいつもの姿とギャップを感じて気になったから……。」
「!!]
見られたの!?恥ずかしい!!
まあ。言わば興味本位か……。妙に納得。
「優、行こう。」
「えっ……いいの!?」
友達の優は驚いていたが、私はコーラのカップを手に取り店を抜け出した。
「ちょっと、待って。」
背中で呼び止める声が聞こえたが、振り向かなかった。
「ねえ。よかったの?あんな態度とっちゃって。」
「あたりまえでしょ。」
「どうして?あんなイケ男もったいないじゃない。」
「はぁ!?何言ってるの優!興味本位で声かけられたんだよ!」
「でも、もったいない……。せめて友達になっておけばよかったんじゃないの。」
う……確かに……。
ううん!!からかわれるのは嫌だもの。
あまりにイケ男がカッコよすぎたのだろう。せめて普通の男の子であれば、こうも拒否らなかっただろう。ちょっと残念な気がしたが、これで良かったのだと思う美波であった。
* * * *
――翌朝――
いつもの学校への通い道。ふと2ブロック先に遠目でも目立つ姿。
昨日のイケ男だ!
何?まさか昨日の復讐?
すると先に向こうから声をかけてきた。
「今日は、逃がさないよ。」
そう言い、手を捕まえられた!
――ドキン!胸の鼓動が鳴る。――
なに、乙女ゲームのセリフ的みたいな事言ってるのよ!!
しかもそのセリフ似合ってるし。
男に免疫のない美波は、真っ赤になり固まる。
それを察したのか、イケ男は
「ごめん。」
と言い。
「今日の帰り、昨日のマックで待ち合わせ。そしたら手、離してあげる。」
「!?」
何なんだいったい。わからない。
しかし、このままでは周りの同級生達の噂になりかねない。
「わかったから離して。」
「OK。」
そう言うとイケ男は美波の手の甲にキスをして、反対方面に戻っていった。
「!!!!」
もちろん。その日、学校の噂になったのは言うまでもない。
――To be continued
読んでいただきありがとうございました。
学生の頃を思い出して書きました。 ← 年ばれる(笑)
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