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追放
「お父様、お父様。違うの!これは、不具合よ
。私が、魔力を持っているなんてありえないでしょう?ねぇ!信じて!!」
1人の少女が、騎士に捕まりながら泣きじゃくる。
「これに、間違いなどない!現に、わしがやったら正常であるのを見たであろう。」
髭の長い王様が言う。
「違うの、違う。違うのよ。」
少女は、何度も何度も否定する。これは、夢であると自分に言い聞かせるように。
王様が指示をする。
「こいつを、追放しろ!国境の森に捨ててこい!」
あぁ、なんて残酷なんだろう。
生まれてきたことを責められ、挙句の果てに待っているのは、どん底の世界。
少女の涙が、そっと床を濡らした。