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異世界建築士の弟子  作者: 十三岡繁
計画地にて
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計画地にて(その1)

 そこからクザの温泉場と魔王山荘の設計が同時に進むことになった。クザのワークショップでは想定通りナーガとエレナの他にティアマトにも出席してもらった。流石に七大魔将軍とは紹介できないので、彼らは単に魔族という事になっている。名前を聞けばバレてしまうのでティアマトはティアー、ナーガにはナイガと名乗ってもらう。ナーガがフレンドリーなのに比べて、ティアマトは初対面ではクールな感じだった。しかしワークショップ後に毎回行われる宴会を経る事で、酒好きの彼女は信じられないくらい町の人と仲良くなって行った。


 結局クザの温泉場の方は3階建ての建物にすることで落ち着いた。1階は柱と便所だけがあり外壁すらない空間とし、2階に休憩室と多目的室、3階はほぼ露天風呂だけになるのだが、便所と脱衣室だけは屋内空間として3階に設けた。


 1階に飲食店や土産店などを設置しないのは、逆に用途を固定した空間にしない方が良いだろうというクニオの提案だった。馬車も今まではクザの横を通過するだけだったものを、ここに立ち寄ってもらいトイレ休憩がとれるようにするという狙いもある。固定された壁が無いので、車道と便所以外の場所には自由に屋台やショップを開くことができる。


 3階の露天風呂は地上から10m近く高くなっている事で、周囲から覗かれる心配も無ければ遠くに沈む夕日を、浴槽につかりながら望むことができる。


 問題となったのは転移ゲートの設置場所だ。一番利用しやす1階という意見もあったが、不意に転移してしまう事故防止の為に、最上階の3階に設置することになった。3階には便所や脱衣室もあるので、ここで衣服を脱いでから魔王山荘に転移して風呂だけ入って帰ってくるという事も可能となる。


 工事の方はメインフレームだけは、コルビーの土魔法と地中の石灰と火山灰成分を利用してクニオのプランニングで生成した。これはクニオの元いた世界で一般的だったコンクリートとは、やや異なる配合である。カルシウム成分ではなくアルミニウム成分を接着成分として利用する。ローマンコンクリート呼ばれていた代物である。その組成はクニオのいた世界では、予想はされていたものの長らく謎とされてきた。しかし、ここではプランニングによる試行錯誤とゾーニングによる解析を経て構築が可能となった。


 1階は便所と2階に続く階段以外は、このフレームがむき出しになっている。2階、3階はフレーム以外の壁等は木質材料で作り込んだ。ここではキートの棟梁たちの腕が存分に発揮された。


 クザの温泉場の方が魔王山荘よりも先行して工事が進んだ。あらかたクザの方の完成が見えてきたところで、魔王山荘の方も工事が始まった。元になる温泉は既にかなり作り込んであったが、湯量が豊富なので平面的に大きく拡張して、より多人数に対応できるようにした。


 その温泉に付属建屋をいくつか追加すれば、あとはゲートを設置するだけである。このあたりは、クザの湯治場とは違って棟梁たちの手を煩わせることは無く、主にクニオのプランニング能力とコルビーの魔力を使って構築していった。領主の知らないところで、人間が魔王城との転移ゲート構築に関わったと分かれば、後からどんなペナルティが及ぶとも限らないので、そこにも配慮した結果だ。



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