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異世界建築士の弟子  作者: 十三岡繁
ハポンの酒場にて
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ハポンの酒場にて(その4)

 元々3人パーティーであった「キュリオシティーズ」は日本酒を求めてこのハポン地方にやって来た。クエストなどという上等なものではなく、単に日本酒というものが飲みたかっただけだ。そこでなぜか魔王の転生体であるコルビーがパーティーに加わり、早1週間ぐらいが経過した。彼らはまだこのハポンの地を離れずにいた。単に色々な日本酒が飲みたいからというわけでもない。いや、それも大きかったかもしれない。


 クニオにはハポンに来てやりたかったことが、米と日本酒探しの他にもうひとつあった。風水師であるコウも、肉体派ではあるが僧侶でもあるグレゴリーも武器らしい武器は持っていないし詳しくもない。コルビーは色々と収納魔法で隠し持っているようだが、そのコレクションにも無いと言っていたのが、クニオの持つ日本刀だった。いや、この世界では日本刀とは呼ばれてはいない。単に刀と呼ばれているようだ。


 片刃で刀身が細く曲がったようにも見えるこの剣は、クニオの地元の武器屋ではガラクタ扱いでとんでもなく安い値段で売られていた。実は転生者であるクニオは元居た世界では剣道を少しだけかじっていたことがある。以前グレゴリーと魔王不在の魔王城に行こうという事になった時に、流石に丸腰はまずいと思って、あわてて買ったのがこの刀だった。


 しかしコウやグレゴリーと冒険を重ねても、折れることも全く刃がかけることもなかった。この二人といると、かなり強力な魔物と対峙する羽目になる事も少なくない。微力ながら参戦することもあるクニオだが、そのつたない剣術でもびくともしないというのは凄い事だと思う。それは日本刀と同じく反りがあることで切れ味も悪くない。もしかしたらこれは結構いい代物なのかもしれない。それを確かめてみたいと思うようになっていた。


 中央図書館で日本酒について調べていた時に、どうもこの刀という武器のルーツもハポン地方であるらしいことを知った。日本酒よりも、この刀の情報の方が資料としては多いぐらいだった。ハポンに来るまで日本酒は見かけなかったが、低評価とはいえ刀は売っていたのだから多少は流通しているのだろう。そうしてハポンには研ぎ師というジョブの人がいて、彼らが手をかけることで刀は性能が上がって行くという事も分かった。


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