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異世界建築士の弟子  作者: 十三岡繁
キートの城にて
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キートの城にて(その2)

 翌日約束の時間に領主の居城に行くと、今度はあっさりと中に通された。もちろん帯刀は許されないので、入城するときに門にいた衛兵にクニオの刀は預けている。迷路のような石畳のアプローチを通って、奥にある建物の中に入る。長い廊下を歩いて通された謁見の場は、畳敷きの大広間だった。上座の一段高くなったところに領主は鎮座していた。

 

「よくぞ参られた。サダヒデからの紹介状は昨日読ませてもらった。しかし魔王も存在しない現状で、異国の者の武器を強化することを直ちに許可するわけにはいかないだろう。サダヒデとは旧知の仲という事らしいので、意地の悪いことは言いたくないのだが、拙の立場も分かって欲しい」領主は偉ぶるでもなく、ざっくばらんに話してくれた。彼のいう事も至極当然だとクニオは思った。


「もちろんただではとは言いません。まずはこれを見て頂きたい」そういうとクニオはコウの方を見た。コウは収納袋から小ぶりな風呂敷包みを取り出した。あきらかに収納袋よりも大きい包みではあったが、そこは魔道具の為せる業だった。


 それをコルビーが受け取って床に置き、風呂敷の結び目を解く。風呂敷の中からは建築士最大の武器…そう、『模型』が姿を表した。その模型を手に取るとコルビーは領主の元へ持っていった。風呂敷で包んだ中身が武器だったらどうするんだとか、そもそも領主に近づくその子供は将来の魔王だとか、色々な事を考えてコウは吹き出すのを我慢している。


「数年前の地震で倒壊したという物見やぐらをこのように再建しては如何でしょうか?」クニオの発言を聞きながら、領主は模型を手に取ってまじまじと眺めている。

「変わった形をしておるな、これは高さはいかほどか?」領主がクニオに聞く。

「ここの盆地は平地が続いておりますので、30mもあれば端から端まで見渡せるかと…もちろんもっと高くすることも可能です」クニオは答える。


「おぬしが知っているかは分からんが、この土地は地震が多い。前にあった物見やぐらは15m程度であったが、数年前の地震で倒壊してしまった。どのようなからくりで30mもの高さを実現させようと考えているのか?」領主は言う。


「15m程の高さで倒壊されたという事は、元のやぐらは縦材と横材しか使ってなかったのではないでしょうか?模型をご覧になればお分かりの通り、そこを何段かに分けて斜め材を入れます。これだけでも本体にはかなりの強度が出ますが更に…」そう言ってクニオはコウの方を見る。


「コウ、もうひとつのものも出してくれるかな」クニオに言われてコウはもう一つの包みを収納袋から取り出す。包みを開くと、中には白く細い棒で作られた多くの三角形が、半球状に組み合わされた物が入っていた。半球の一番上部には穴が開いている。クニオはそれをコウから受け取ると領主の元へ進み、一度先ほどの模型を引き取って床に置き半球を上から被せて合体させてみせた。


「この白い半球状の部分は結界です。これを更に支えにします。実際に私のいた地ではこれと同じ仕組みで高さ1000mの塔が立っていました」

その言葉を聞いて、部屋の中に居た従者たちがざわつく。

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