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異世界建築士の弟子  作者: 十三岡繁
工房にて
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工房にて(その1)

 少し距離をおいて後ろからクニオとコルビーも歩き始めた。コルビーは小声でクニオにささやく。


「さっきのはパラレルと言う魔王の権能なんですよ。重ね合わせの状態を保持しながら一方の可能性に進むんです。失敗した時は元に戻れる。その戻る地点をアンカーと呼んでますが私が任意に設定できます。このアンカーに関わったものだけは、戻っても記憶が残るんですよ。今回は認識票を渡すかどうかをアンカーにしました。コウさんとグレゴリーさんは全く気が付いていないので、一応今のところは秘密にしておいて下さい」そう言って、コルビーはクニオにウィンクした。


 流石は魔王だ、物凄いスキルをもってるもんだなとクニオは感心した。しかしこの魔王が成体になっても敵わないとは、勇者パーティーというものも相当なものだなと同時に思った。


 右腕を回復させたユキヒラは、後ろから追いかけてきて師匠のところまで案内するという。橋の番はいいのかと聞いたが、この橋上の勝負の話が世間に広まっていて、最近ではあまり人は来ないんだそうだ。


 なんでも師匠のサダヒデの腕を見込んで、何もしなければひっきりなしに依頼者が来るらしい。サダヒデはもう高齢で、どちらかと言えば弟子の育成に力を入れたいので、なまくら刀や技量のない使い手の依頼は受ける気が無いらしい。それで橋の所で弟子たちにふるいにかけさせているという事だった。


「なんで負けたら武器を持って行っちゃうのさ。なまくら刀なんていらないだろう?」コウがユキヒラに聞く。

「この工房では刀を研ぐだけでなく、打つこともしています。もちろんゼロから玉鋼を打つのが基本ですが、既にある刀を打ち直す事もしているので、もらった武器は弟子の修行用に使っています」ユキヒラは先ほどとは違って、丁寧なものいいだ。


「もらうって言うけど、奪ってるんじゃん」コウが言う。

「最初にきちんと話してますし、分かっていてやって来る人には挑戦料みたいなもんですよね。あ、あの屋敷です」ユキヒラは数十メートル後ろにある建物を手のひらで指した。そこは茅ぶき屋根の家屋だった。


「師匠、あの形状の屋根はここに来る間にも何度か見かけましたが、何でできているんでしょうか?」コルビーがクニオに聞く。

「あれは茅ぶき屋根と言ってススキを重ねて防水しているんだよ。他にも麦の穂で作る藁ぶき屋根というものもある。定期的にやり替えないといけないので、ハポンでは主流では無くなったんだろうね。防虫のために建物内部で火を燃やさないといけないんだけども、防火性は低いという矛盾がある。味があって好きなんだけどね」クニオの説明にコルビーはふんふんと頷いている。

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