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異世界建築士の弟子  作者: 十三岡繁
橋の上にて
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橋の上にて(その1)

 まんじゅうを食べ終わったコウに、お店の人がお茶のおかわりを持ってきてくれた。


「お客さんたち旅の方だね。ズワ湖を見に行くんだろう?このあたりにあるものと言ったらそれくらいしかないし」お店の人に聞かれてコウは答える。

「うん。ただ湖はどうでもよくて、そこにあるサダヒデの工房に用があるんだ。湖にある島なんだろう?」それを聞いて、お店の人はちょっと困ったような顔をした。


「確かにこのまま真直ぐ行けばそうなんだけど、最近はあまり仕事は受けていないみたいだよ。弟子の育成に本腰を入れたいとかで…」

「そうなんですか?まぁそれでもダメもとで行ってみます。孫弟子さんからの紹介だと言えば話ぐらいは聞いてもらえるかなと思います」クニオが言った。


「なんでも聞いた話では、島に渡る橋でお弟子さんが番をしていて、彼と勝負して勝ったものだけが島に入れてもらえるって…負けたら持ってる武器は没収されるんだって話だよ」店員の説明にコウの表情がパーッと明るくなった。


「なんだよ。キートの町に行くのに寄り道なんて面倒くさいなと思っていたら、楽しそうなイベントがあるじゃないか。だんごは頼むのやめて早く行こうぜ」いや、元々の目的地はサダヒデの工房で、だんごを食べようと思ってるのもコウだけだろうと、クニオは突っ込もうかと思ったがやめておいた。


 サダヒデへの工房に続く道は予想外に分かりやすかった。しっかりと整備もされているので、ズワ湖はそれなりに人気のある観光スポットなのかもしれない。途中で誰かに道を尋ねる必要もなく、4人は工房のある島へと続く橋の麓に辿り着いた。橋の中央には話の通り1人の男が椅子に座っていた。背中には刀を携えているのが遠目にも分かる。


「いいなー。想像通りの絵だ。とりあえず4人で行って見ようぜ」コウはそそくさと橋を渡り始める。コルビーは歩きながらも興味深そうに橋の欄干を見ている。橋と言えばこちらの世界では石のアーチ構造が殆どなので、ここまで細工された木製の橋は珍しいのだろう。


 4人が橋を渡り始めた時点から、男はじっとこちらを見つめていた。ある程度近づいたところで男はすっくと立ちあがり、こちらに向かってしゃべり始めた。

「我が名はサダヒデが弟子ユキヒラ。ここを通るというならば、我を倒してからにしてもらおうか」


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