第5話、聖剣士?なにそれ?おいしーの?
叫びまくった俺は疲れて
ベッドに横になり上を見上げる。
「どーするかなぁ、これから」
独り言が寂しく部屋に響き渡る。
このまま眠って現実逃避したい、、
疲れたなぁ、眠たい、、、
とりあえず明日考えよう、、
一瞬寝落ちしそうになったとこで
ドアのノックの音で目が覚める。
いけない!寝落ちしそうになってた!
ベッドから飛び起きて
すました声で返事をする。
ドアが開くと泣きそうな顔のリーサがいた
「アルス様?」
うん。今日も可愛い!さっきよりも気分が
良くなった気がするから不思議だ。
「リーサ。どうしたの?泣きそうな顔してるけど」
「お話聞きました。魔力回路の話、、強がらないで下さい。落ち込んでるにきまってるのにそんな私の心配なんてして、、」
泣き出しそうだった顔にはもう涙が溢れている。
「記憶も無くされてからはアルス様は前より大人びているのはご不安だからですか?その上魔力回路が無いなんて。泣いてもよいのですよ?アルス様。」
リーサは俺の手を強く握る。
大人びてるか〜まぁそりゃそうだろうな
俺前世では28歳だったからな〜
しかも魔力もともとない世界に住んでたから
魔力ないっていわれてもピンとこなくて
悲しみより女神に対する怒りが大きすぎて
泣けませんとは言えないよなぁ〜
とりあえず理想の王子様ぽいキャラでいこう。
「リーサ。泣かないで。俺は大丈夫だよ。魔力回路がないのはもちろんショックだけど魔力がなくても出来ることはあると思うんだ。」
「魔力がなくてできること、、まさか!!聖剣士を目指すおつもりですか??」
聖剣士?なんじゃそりゃ。よくわからんけど
違うと言ってそのあと出来ることを答えられる
自信がない。よし。話を合わせよう。
「そうだよ。俺は聖剣士を目指そうと思うんだ。魔力がなくても諦めたくないんだ」
ふっ!かっこいいだろ〜決まったな!
「、、危険すぎます!!!」
リーサは怒っているように見える。
てか危険なの?聖剣士ってなに?
ただの騎士じゃないの?選択もしやミスった?
内心焦る俺。
「すみません。大きい声だして。わかってるのですか?聖剣士とはその剣一本でドラゴンを倒せる力をもつ者と聞いてます。聖剣士になった者は大神官と同じくらいの権力をもてると。
しかし聖剣士は長い歴史でも数えるほどしか
いません。なぜなら目指した者のほとんどは
その高みに昇る前に亡くなってしまうから。
剣一本で魔法を使わないのですから当たり前ですよねそんな危険な者を目指すとおっしゃっているのですか?!」
えーー聞いてないよ〜ドラゴンを剣一本で倒す?無理無理無理〜!目指したくないよ〜
そんなもの〜死んじゃう死んじゃう。
でもこの流れで目指さないって言うのも
かっこ悪すぎるよなぁ〜
とりあえず目指してなれませんでした!
ってことにしよう。
「うん。俺は目指すよ。諦めたくないんだ。それに一国の王子が魔力がないただのボンクラじゃ国民にも申し訳ないだろ?応援してくれるよね?リーサ。」
「アルス様、、差し出がましいことを言いました。アルス様の決意に全力で応援させていただきます。」
こうしてなぜか俺は聖剣士?とやらを
目指すことになってしまった。