表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

6話 ステータス


6歳になった。まだ羽は見つかっていない。

それでも地道に時間を作ってから図書館に通っていたのでスキルレベルは順当に育っていて、闇魔法を念願の20まで上げることに成功した。ただスキルの宝珠が欲しいからとビー玉を片っ端から飲み込むなんてことはできないし。のどに詰まったらどうするの。

どうしても時間ができなかったものだからと寄り道をして、知略と錬金術も20まで上げてる。なぜかって、知略を上げることで家庭教師たちからの教育で集中力を削られないように、同時に本を読むスピードを上げるためである。

そして錬金術が20になるとレシピに透明化薬が追加され、これで夜中にこっそり抜け出して図書館で本を読むことができる。

そんなに面白いのかというと、面白い時もあればそうでない時もある。読み終わったら知識は残る。ただ噓っぱちだったり推測だったり、ろくでもない思想だったりといろいろあるけど。

帝国図書館に小説はないのは少し残念なところだけど、そもそも紙がそんなに安くないんだから大衆文化としての小説が発展する環境ではないので仕方がない。

じゃあ何があるかって、ここ帝都には二つの大学がおり、帝国各地にもいくつか大学があるんだけど。大学の教授は研究費をたくさんもらってることもあって一年に一回論文を提出しないといけない。それが図書館に集まる。じゃあ全部学術書なのかというとそうでもない。

聖職者や貴族が皇帝に献上します、とか言って好き勝手にどうでもいい話を書いたことも少なくないのである。中にはかなり深いところまで何かに対して考察した本もあるし、ファンタジーな世界だけあって魔法書もある。

いろいろためになる話が多かった。スキルレベルだけがすべてではない。この世界はゲームに酷似しているけど、例えるならそう、誰かが偶然にもこの世界を観測してそれを模してゲームを作った気さえするのである。


今夜も透明化薬を使って屋敷を抜け出す。部屋の中には自分と似たようなサイズの、魔法でコーティンして頑丈で精巧な蠟人形が私の代わりにベッドで横になっている。

錬金術レシピにあったので作った。身代わりの蠟人形。ゲーム内でも使える。暗殺を一回だけ防いでくれるという仕様。普段は収納機能のあるバッグに入れてある。

帝都は赤い屋根の3階や4階建て、壁はレンガの建物が並んでおり帝都の中央には木々が鬱蒼と生い茂る川が流れる公園もある。季節は初夏。

気候的には温帯ではあるけど体感ではニューヨークのように寒い。スチームの煙が恋しくなるとは思わなかったものだ。

ニューヨークのマンハッタンにはスチームが通っていて、冬になると白い煙があちらこちらから見れたものだ。

ここでの暖房は薪と魔法を混用していて、貴族家では魔石が入った暖房器具を使っている。

そんな季節ではないけど、たまに雨が降ると薄着をしていたらそれなりに寒くなるのである。

冬になると風通しのいい広場にある初代皇帝の銅像の上に雪が積もる。

大きな時計塔は深夜になったので音を出すこともなく静かに時を刻んでいた。

魔法の光を発する街灯が並び、衛兵が巡回するので治安はそこまで悪くない。奴隷制度なんてものはない。ただ北方の蛮族は捕まったら例外なく奴隷にされるだけ。

ここで生まれたら罪を犯しても奴隷に落ちることはない。死刑にはなっても奴隷にはならない。強制労働刑という刑罰がかされるだけだ。よくある奴隷落ちとか、そんな戸籍でしっかり管理しようとしたところで写真も指紋認証もない前近代に身分だけ奴隷に落としたってどっかでやり直せば済む話なので監視されながら労働をさせられる強制労役が一般的なのである。

こんな時間なので人の足音もほとんど聞こえず、光が見える窓もまばら。私はいつものごとく屋根の上を走る。

スキルレベルが戦闘系をメインに総合で150を超えているので、今の私はステータスからしたら戦場の英雄と大差ない。

スキルレベルが上がるとステータスが上がる。逆はないけど、ステータスだけ上がることもある。と言ってもスキルレベルが上がるにつれ上がるステータスの幅はかなり大きいのだ。ちなみにこの世界の人は誰も自分のステータスなんて見ていないしわからない。例外は鑑定を持ってる人と、なぜか確認できる私だけ。転生者だからなのかは知らない。多分そんな気はしているけど。

今の私はこんな感じ。


名前:タイグリッサ・ミッドウッド

年齢:6歳

職業:公爵令嬢

力:386

体力:532

知力:611

敏捷:422

魔力:286

器用さ:253

総合戦闘力:1286


スキル


話術:4/20 歌:5/16 舞踊:6/12 知略:20/29 料理:1/6 隠密:5/11 馬術:1/9 格闘術:20/31 槍術:1/31 剣術:20/32 光魔法:1/6 水魔法:3/10 氷魔法:2/10 炎魔法:2/15 雷魔法:1/10 風魔法:1/15 闇魔法:20/50 錬金術:20/33 その他合計 19


ちなみに平均的な成人のステータスはこんな感じ。


名前:エイミー・バレット

年齢:26歳

職業:公爵家侍女

力:29

体力:52

知力:39

敏捷:24

魔力:48

器用さ:161

総合戦闘力:206


スキル


掃除:7/9 歌:2/5 料理:6/8 裁縫:8/8 格闘術:2/5 光魔法:1/5 水魔法:4/5 炎魔法:3/6 風魔法:1/6 その他合計 15


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ