餌付け1
(どさっ)
警戒している少女の目の前に鹿っぽい動物の後ろ足部分を引きちぎっておいたものを投げてやる。
結構大きめの肉の塊を投げたため、風で火の粉が舞い上がり小さくはじける。
火の光と少女の顔が整っているのが相まって幻想的だ。
少女の後ろには倒れた女が寝ている。
奴等は、予想通り俺が獲物を捕ってくる間にそう遠くには、いってなかった。
少女の力では女を運ぶのは限界がある上、日が落ちてきていたからな。
そして、極めつけは焚き火だ。見つけられない方がおかしい。
てか、追われているのに焚き火って、自殺行為だと思うのは俺だけなのか?
ここら辺は見たところ雑魚しかいなかったが少女からすると雑魚なのかは微妙なところだ。
さて、いまだににらんでいる少女だが、お腹を鳴らし、少し顔を赤らめている。
俺は鼻で笑い、焚き火をはさんで寝そべり、わざとあくびをして、寝ますよアピールを行ってから狸寝入りをした。
何をされるか分かったもんじゃない。
最初、少女は何かぶつぶつ言っていたが、ナイフで肉を切る音がしたところで、眠ることにした。
これでいきなり目を刺されるなんてことはないだろう。
そんなことを思いながら。