出会い4
わざと音を立てながら俺は姿を少女の目の前に晒した。
少女は、固まっていた。
逃げないのか……めんどくさいな。
俺は少女に対し全力で威嚇を行った。
固まっていた少女が、恐怖のため、震え出す。
なんなんだ?なぜ逃げないんだ?
俺にこいつを食ったり、殺すという選択肢はない。なぜならバレた時のデメリットが大きすぎるからだ。まぁ、バレるヘマはしないがなにか嫌な予感がする。それとあれだけ食えば少女程度も入る隙間もない。
少女が逃げ、俺が女を拾ったというストーリーが一番良い。
よって、少女には逃げ出して欲しいんだが、なぜか逃げない。
「なぜだ?」
疑問に思っていると、少女は震える手をこちらに向け何やら呟き始めた。
あれだ。魔法だ。
軽くバックステップし、来るであろう雷撃に備えていたが魔方陣から出てきたのは、炎でできた尖った槍状のものが飛んで来た。
もちろん雷撃よりも遅いため難なく避ける。
威力はあまりないようで、木に刺さり少し穴を明け表面を黒く焦がし、炎は鎮火した。
それを確認し、少女に視線をを戻すと少女の震えは止まり、こちらに敵対の目を向けていた。
計画変更。
俺は少女の前から姿を消し、獲物となる動物を探し始めた。
この後、俺がやるのは餌付けだけだ。
兵士から助ける。+食料の提供してくれる。しかも、奴等は育ちが良いと見える。恩を感じて俺に何かしら協力してくれること間違い無しだろう。
そして、意外だったのが少女も使えそうだということだ。
魔法が使えるなら、さっさと言ってほしい。
まぁ、言われても分からないと思うけどな。