お話(物理)
しごと、たいへん
地下牢でメルトを回収し、そのまま隠し通路へ。
見張りはいなかったが、俺を見るなりメルトは騒ぎ散らした。何とかフェリスとアムディアがなだめると、そのまま俺が牢を壊す。隠し通路が地下牢にあるらしく、そのまま脱出。
隠し通路が地下牢にあるとか、王族、何かやらかしたら逃げる気満々だったな。
道はただのトンネルと階段で俺的には助かった。これで石橋とかあったら、渡っている最中に確実に落ちてた。
脱出すると、外は薄く明るくなっていた。夜通し歩いたようだ。
出口の場所は山岳地帯。王都が遠くに見え、まだ、黒い煙が至るところから上がっているのを、3人は呆然と見ていた。
全員心ここにあらず。
「アムディア、これからどうするんだ?」
「え?あ、うーんとね、聞いてみるね」
さっさと移動しないと、何が起きるかわからんぞ。あのドラゴンすぐに飛んできそうで、まじ怖い。
「えっとね、ここから歩いて山を越えて、隣国のカトレム共和国へ行くって」
「ーーーーーーーーーー」
フェリスが俺に向かって話しかけてくる。
「んーとね。途中で通る周りの要塞や都市からも、兵を集めながら、一気に兵を集められそうなところに行くって」
「わかった」
俺はついて行きませんけどね。やだよ。お前ら勝った方に俺はつくよ。
「そういえば、記憶がないんだけど、僕が王宮に入って行ったとき、何が起きていたの?」
これ聞いたらお前らとはおさらばだぜ。喰っちゃ寝の自堕落パラダイスに俺は戻る!
「えっとね……」
オノマトペが多かったが、まとめるとこうだ。
1.2日前に魔王軍が突然付近に出現し、攻撃を仕掛けて来
たということ。
2.王が勇者であるフェリスの首を捧げれば、魔王軍は止ま
ると考え、張り付けにして、処刑しようとしたこと。
3.処刑される直前、黒い塊(俺)乱入。
4.王から、灰色の霧が放出され、俺含め、全員気絶。
5.訳がわからない起きたアムディアが俺を起こす。
はい。これ、魔魂手にいれましたね。王様に入っていたのかな?多分アムディアは魔魂見たこと無いから、わからないだけだね。
へへへ、強化案件手にいれちまったぜ。人形と禍剣さんが喋らないのはそれの影響かな?
なんにせよ、俺はこいつらと一緒に行動することは無い。
「アムディア、僕はやることを残して来たんだ。もう、戻らないと。」
「ーーーーーーーーー」
メルトがなにか話しかけてきた。
「えっとね、魔魂を持っていると、狙われるぞって」
「大丈夫。逃げ足だけは自信あるから」
今みたいになぁ!
「ーーーー。ーーーー。」
「魔魂置いて行けって。一生追われるって。」
えーー。わたしたくないなぁー。充実ライフの必須アイテムだからなぁー。でも、1個だけならなぁー。必要な犠牲かもなぁー。
まて、いいこと思い付いた。
「僕はこの力で助けなきゃ行けない奴がいるんだ。それが終わったら、君たちに返すことを約束するよ」
「ーーーー?」
「ゾルディア、その力使えるのか?って」
あれ、雲行きが怪しいぞ。
「僕は、一緒に来て戦って欲しいけどなぁ!」
え? 誰?
後方からいきなり声が聞こえた。振り替えると杖を持った少年が茂みからこちらに出てきた。
フェリスとメルトが警戒する。
「久しぶり、アムディアたん。」
「ケントだ!無事だったんだね!」
まじ誰?王都の知り合いか? まて、日本語じゃん!?
日本人か!名前も言葉も日本人じゃん! 日本人キター!
「どうも、300年前に賢者やってたケントです。」
ケント、テメーか、ちょっとお話し(物理)しに、向こうに行かないか?




