王都陥落
「ゾルディア!」
最悪の目覚めだ。
「アムディア、おはよう」
「やっぱり、ゾルディアだ!」
「ここは、どこ?」
「えーとね、王宮だよ」
…………おうきゅう? 王宮!?
飛び起きると、立派な柱に体をぶつけた。元の大きさに戻っている。
どう言うことだ?王宮ってあの、国の中心の場所だよな?
誰か、状況を教えてくれ。頼む。
周りを見渡すと……何も分からなかった。
まず、外に続いているデカイ穴、色んなと部屋とか全てぶち破っているこれは、確実に俺がこれをやった。それは分かる。
勇者フェリスは何で意識が無い状態で磔にされてるの?王女じゃねえの?そういうプレイ?
あと、玉座前に倒れてるおっさん。あれ、国王だろ?白目剥いてるぞ。
あと兵士とかも数十人と倒れてる。血は出てない。気絶してるように見える。気絶の波動でも食らったのか?
「ゾルディア!助けてくれてありがとう!」
アムディアは、そう言うと足に抱きついてきた。
「すまない、状況の説明をしてくれないか?記憶が無いんだ」
「えーとね、フェリスちゃんが捕まって処刑されるところだったの!助けてって願っていたら、ゾルディアが来てくれたの!本当に……ありが……とう。もう……ダメだと思ってたの……」
そう言って、アムディアは俺の足に涙を流しながら顔を埋める。
自分も涙いいすか? 俺が乱入して、皆倒れたの?なんもわからん。
おk、落ち着こう。何をしなきゃいけないのか決めよう。
1、逃げる。
2、………逃げる。
3、……………逃げる。
逃げるの一択じゃん。逃げる1択しか出てこねえよ。ここ、敵本拠地ど真ん中だぞ。逃げ道!一つしかない出入り口を確保しなければ!
「ゾルディア!どこに行くの?」
俺が自分で空けたであろう穴に向かって歩きだすと、アムディアが声をかけてきた。
「おr……僕の役目は済んだようだから、帰るのさ。まだやらなきゃいけないことがあるんだ」
ふっ。女の子を救って颯爽と去るぜ。敵が待ち構えていませんように。
「待って!私とフェリスちゃんも連れていって!」
「ん?」
無理だよ?何で処刑されそうになってるのか分からないけど、無理だよ?そして、悠長に話してる暇もない。というわけで、最終手段。
「まずい!お腹痛いからトイレ行ってくる!」
「あ、まって……」
俺は、走り出した。一番速く走った気がする。脱兎のごとく俺は走る。
さらば。アムディア。フェリス。
俺は、俺の世話で精一杯なんだよ!
しかし、何枚壁ぶち破ったんだよ……。
最後の壁の穴をくぐった。
「あ?」
王宮は周りより少し高い場所に建てられ、王都の中心に位置していた。だから、王都全体を見渡すことができた。
町が戦火に包まれている。悲鳴が至るところから聞こえ、混乱が起きている。
これ、俺が通ってくる時にやったのか?
不意に、声が聞こえた。
「魔王様! 遂に、遂に勇者との決着を着けたのですね!」
声のした方を見ると、俺より一回り大きいドラゴンが屋根の上からこちらを嬉しそうに見ている。
「え?ああ、うん。」
「やはり!では、勝鬨を!」
「あー!やり残したことあったわー。ちゃんと止め刺して無かったわー。死んでると思うけど、ちゃんと確認して無かったわー。ちょっと戻るわー」
「はい!ここはネズミ一匹通さないので、安心して止めを刺してきてください!」
俺は、走ってきた穴を戻る。
「ゾルディア!」
アムディアがちょっと追いかけて来ていたみたいだ。
「魔王軍が攻めてきているから、迂闊に外に出たら、やられちゃうよ!」
「ごめん」
誰か、助けて。




