君もしゃべるの?
見てくれる人ありがとうございます。
「魔王軍の幹部か、何やって箱に入れられたんだ?」
「そりゃ、勇者の殺害だよ。だが、要塞の奴らをモンスターに変えて混乱の中殺害しようとしたら事前に情報が漏れていてな、混乱はすぐに鎮圧。わしは人形に入れられ、箱の中。ま、流石に勇者や賢者もわしを封印するしか無かったみたいだけどな!なははははは!」
能力は「変化」とみた。「人形に入れられ」ってことは、こいつも破壊すれば俺が取り込めそうだ。
「所で、何で俺はお前と話せるんだ?俺には言語など分からんのだが。」
「なははははは!田舎者だったか?魔法ぐらい聞いたことあるだろ。「ラング」、範囲内の対象と意志疎通。範囲内無差別だから隠密には向かない。冒険者ギルドの説明ままだ。犬なら、しょうがないな!なははははは!」
有力な情報だ。この説明であれば、この魔法は多少理解できる。
「リンゴ=Apple」この変換を魔法により頭の中で勝手にやってくれるということだ。是が非でも使えるようになりたい。
「俺も使ってみたいんだが。」
「うん、無理。」
「え?」
「無理。」
「理由は?」
「お前さん魔力持って無いじゃん。」
「「薄過ぎて分からんかったわ」って魔力のこと?」
「空気と同等。」
「空気!?」
「空気。」
「てか、何でその魔力量で生きてんの?魔力関知に引っ掛からないんだけど。」
「普通なら?」
「お前が言う、10m級の犬だったら空気の1000垓倍」
「1000垓倍?」
垓って億、兆ときて、京の次か?いや、馬鹿にしすぎでは?
「普通、体がデカければデカい程、魔力保有量は大きくなる。」
「人間を基準にすると?」
「人間は基準にならない。ばらつきが大きすぎる。」
「何か良い基準はないのか?」
「低位ゴブリンだな。ばらつきは大体1桁のゴブリンだ。」
「ゴブリンが100として俺は?」
「5」
「……5?」
ショックがでかすぎる。異世界にきて、ここまで絶望したことは無い。
「だから、お前さんは精神系の攻撃とか、それこそモンスター使役の「テイム」とか抵抗できずに余裕で引っ掛かるな。なははははは!」
思いあたる節がある。白髪の姉ちゃんにテイムされてました。すぐに闘技場に売られたけど。
「どうにかならないのか?」
「アイテムがあるが、魔力が無いと使えんな。」
積んだ。今まで精神攻撃や、催眠とかやってくる奴と会わなかったのが奇跡だ。いや、使う奴はいたのかもしれんが、普通に考えて効かないからしてこなかった。ってことだろうな。 あの白髪の姉ちゃん常識無かったんか。
「わしからも質問いいか?」
「何だ?」
「お前さん同胞か?」
……禍剣持ってるのがばれているのか、それとも魔王軍側のモンスターかということか。
「どういう意味だ?」
「同胞。」
え、誰?
聞いたこと無い女性の声。
「主、出して。」
おいおい、まさか。
俺が禍剣を出すと独りでに動き、地面に突き刺さる。
「やはり同胞。初めて合う。」
「なはは!わしもだ。」
禍剣さん、しゃべれるの?




