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犬かよ  作者: oz
44/62

君もしゃべるの?

見てくれる人ありがとうございます。

 「魔王軍の幹部か、何やって箱に入れられたんだ?」

 

 「そりゃ、勇者の殺害だよ。だが、要塞の奴らをモンスターに変えて混乱の中殺害しようとしたら事前に情報が漏れていてな、混乱はすぐに鎮圧。わしは人形に入れられ、箱の中。ま、流石に勇者や賢者もわしを封印するしか無かったみたいだけどな!なははははは!」


 能力は「変化」とみた。「人形に入れられ」ってことは、こいつも破壊すれば俺が取り込めそうだ。


 「所で、何で俺はお前と話せるんだ?俺には言語など分からんのだが。」


 「なははははは!田舎者だったか?魔法ぐらい聞いたことあるだろ。「ラング」、範囲内の対象と意志疎通。範囲内無差別だから隠密には向かない。冒険者ギルドの説明ままだ。犬なら、しょうがないな!なははははは!」


 有力な情報だ。この説明であれば、この魔法は多少理解できる。

「リンゴ=Apple」この変換を魔法により頭の中で勝手にやってくれるということだ。是が非でも使えるようになりたい。


 「俺も使ってみたいんだが。」

 「うん、無理。」

 「え?」

 「無理。」

 「理由は?」

 「お前さん魔力持って無いじゃん。」

 「「薄過ぎて分からんかったわ」って魔力のこと?」

 「空気と同等。」

 「空気!?」

 「空気。」

 「てか、何でその魔力量で生きてんの?魔力関知に引っ掛からないんだけど。」

 「普通なら?」

 「お前が言う、10m級の犬だったら空気の1000垓倍」

 「1000垓倍?」


 がいって億、兆ときて、京の次か?いや、馬鹿にしすぎでは?


 「普通、体がデカければデカい程、魔力保有量は大きくなる。」

 「人間を基準にすると?」

 「人間は基準にならない。ばらつきが大きすぎる。」

 「何か良い基準はないのか?」

 「低位ゴブリンだな。ばらつきは大体1桁のゴブリンだ。」

 「ゴブリンが100として俺は?」

 「5」

 「……5?」


ショックがでかすぎる。異世界にきて、ここまで絶望したことは無い。


 「だから、お前さんは精神系の攻撃とか、それこそモンスター使役の「テイム」とか抵抗できずに余裕で引っ掛かるな。なははははは!」


 思いあたる節がある。白髪の姉ちゃんにテイムされてました。すぐに闘技場に売られたけど。


 「どうにかならないのか?」

 「アイテムがあるが、魔力が無いと使えんな。」


 積んだ。今まで精神攻撃や、催眠とかやってくる奴と会わなかったのが奇跡だ。いや、使う奴はいたのかもしれんが、普通に考えて効かないからしてこなかった。ってことだろうな。 あの白髪の姉ちゃん常識無かったんか。


 「わしからも質問いいか?」

 「何だ?」

 「お前さん同胞か?」

 

 ……禍剣持ってるのがばれているのか、それとも魔王軍側のモンスターかということか。

 「どういう意味だ?」



 「同胞。」

 え、誰?

聞いたこと無い女性の声。

 「主、出して。」

 おいおい、まさか。

 俺が禍剣を出すと独りでに動き、地面に突き刺さる。

 「やはり同胞。初めて合う。」


 「なはは!わしもだ。」


 禍剣さん、しゃべれるの?

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