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犬かよ  作者: oz
38/62

脱出

はい。帰ってきました。

臭いです。

あと、猪うるさい。


帰ってくると同時に人間がいないことを確認してから猿、猪、亀の檻の結界を壊した。


結界はパリンと小気味良い音を響かせた。

その音に気付いた猿が恐る恐る檻に触れる。

猿の顔に希望が走る。


他の奴も触ってはいるが檻を壊そうとはしない。


「~~~~~~~~。」

猿が全員に向かって何かを言う。

すると全員、元の過ごし方に戻った。

ただし、猪は体当たりをやめ、横になって寝ていた。

とても静かになった。


俺は夜にここを出ていく。

こいつらはどうなんだろうか。


外からは、観客の声援が聞こえる。


………

……


日が沈んだ。


唯一の小さな天窓から月光が差している。


時折、俺たちの檻がある部屋の前の廊下を見回りの人間が通る。

見回りだろう。


コンコンコン


猿が指で檻を鳴らす。


それぞれが体を起こし、臨戦態勢をとる。


瞬間、それぞれの檻が轟音を響かせ壊れた。

俺も合わせて檻を壊す。

出てきた猪がそれぞれの檻を搬入してきたであろう扉に突進し、粉々に砕いた。



外に出ると猿がそれぞれの方向を指差し、その方向に猪、亀が走り去って行った。

猿は最後に残った俺の頭を撫で何かを呟くと、指で方向を指し示した後、その反対方向に走り去って行った。


俺は取り残された。

この間、30秒。

早すぎるだろ。


多分リスク分散と騒ぎは大きい方が良いという事でそれぞれ3方向に逃げたんだと思う。


俺が入って来た要塞の門が猪が走って行った方向にあることから恐らく真っ直ぐ走って行けば門にたどり着くのだろう。


後、どうでも良いと思うけど、亀の足、めちゃめちゃ速かった。


俺もさっさとこの町から出ていくために走りだそうとした瞬間、それぞれが走って行った先で鐘が鳴り始めた。

恐らく緊急事態を知らせる鐘の音だろう。


良いことを思いついた。

騒ぎは大きい方が良いよな?

捕まっているモンスター全部逃がせばもっとデカイ騒ぎになる。俺の存在を極限まで薄くさせて一気に門を突破しよう。

我ながら良い案だと思う。


俺は猪が壊した扉の破片を踏んで再度中に入った。


廊下側の壁を壊そうとすると、勢い良く人間が入ってきた。

音を聞き付けて見回りが走って来たのだろう。


俺の姿を見ると悲鳴を上げて逃げていった。

ここにもいるという事がばれたからさっさと仕事をしようと思う。


俺は体当たりで廊下の壁を破壊し、廊下に出た。

廊下は俺の檻が通っても余裕があるぐらい広い。


俺は廊下から扉がある壁を壊し中を覗く作業を繰り返した。中にモンスターの檻があれば壊し、さらに外に出られるように禍剣で壁を破壊し出口を作り、次々とモンスターを解放した。


大体、50匹ぐらい逃がしたところで、すぐ近くで鐘の音が響きだした。


じきにこの場所にも応援が送られてくるだろう。

離脱するために外に出ると、至るところで火の手が上がっていた。

悲鳴も聞こえる。


猿が指を指した方向に走りだそうとしたとき、後ろで気配を感じた。


振り返ると腕まで覆われたゴツい手錠をかけたトカゲ人間が立っていた。

そいつは手錠がかかった腕を前に出してきた。


恐らく壊してくれということだろう。

当然無視だ。めんどくさい。鍵ぐらいあるやろ。自分でやれや。


「chjgfd^-/!」

俺が去ろうとするとなにやら訳の分からん言葉が聞こえた。

言語か?懇願しているのは伝わってきた。


「Hiupxz%$!」

言語じゃねえなこれ。

知性は感じられるが、俺はモンスターしか解放していない。つまり、こいつは話の通じない奴だということだ。

話が通じれば、モンスターと一緒にはいないだろう。


しょうがないので齧って壊そうとする。

しかし、壊れる気配がない。

なんだこれ。

というか、なんかこいつからうっすらと懐かしい感じがする。

薄すぎて定かではないが、禍剣のときに感じたものに近い。


あまり知性のある奴に禍剣を見せたくないが、仕方がない。

モンスターに分類されてるってことは人間には敵と見なされているのだろう。

禍剣で手錠を壊すと、一瞬だがその懐かしい感じが強まった。


こいつ、禍剣とかと関わりがあるのか?

こいつを喰えば更に俺が強化されるのでは?


いや、だが、道具の方が強いモノが出ていた。

しかし、こいつと意識疎通がとれなければどんな関わりがあったのか知ることができない。


詰んでるな。

まあ、いいや。とりあえず、こいつをつれていけば何か情報を得られるかもしれない。

最優先目標はこの町からの脱出だ。


俺はトカゲ人間を咥えると、猿が指し示した方向に走り出した。

























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