いや、
とりあえず、町を出るために目印になる、スケルトンのホームを目指していると、道中にあの禍々しい見た目の剣が落ちていた。
焦って放り投げたのが原因か、戦闘があった地点から相当遠い所で地面に突き刺さっていた。禍々しい何かに包まれる瞬間はまだ壁はあったはずだ。機能しなかった?
まあ、過ぎ去ったことはもう、どうでも良い。
口で柄の部分を咥え、引き抜く。
しばらく咥えていたが、何も起きない。
この剣は、力を失ったのかもしれない。
何の力だったのかは一切分からなかったが。
アンデットだったのかも怪しくなってきた。
自分も剣を使えないか、ブンブン振り回してみるが剣が小さすぎる。
ふと、1つのことが頭をよぎった。
俺、この程度の剣だったら壊せるんじゃ無いか?
剣の刃の部分に牙を当てるように咥え直すと、思い切り顎に力を入れ、噛み締めると案外簡単に剣を破壊することができた。
破片を吐き捨てると、破片は塵になり、風に吹かれ跡形もなくなった。
……この世界は武器を破壊すると、塵になるのか?
………
……
…
他の武器でも試したかったが、周囲をキョロキョロしながら歩いているとスケルトンのホームについてしまった。
相変わらず、綺麗に花が咲いている。
ふと、スケルトンのことが頭によぎった。
「………あいつと鎧にも。」
ここにいるのは俺とスケルトンだけだった。スケルトンに花と哀悼を捧げることができるのは俺しかいない。
そして、おそらく鎧はスケルトンにとって大事なひとだ。
せめて、どちらも安らかであってほしい。
俺は口でいくつか花を摘むと来た道を戻り、スケルトンの元へ向かった。
………
……
…
鎧を倒した場所に着いた。
座っていたスケルトンは見当たらない。
おそらく、眠りについたのだろう。大事な人の傍らで。
鎧は装飾が派手なため直ぐに見つけることができた。
隣に誰か寝ている。
が、何か様子がおかしい。
近付いて行くと、はっきりしてきた。
寝ていたのはスケルトンでは無かった。
変わりに裸の青年が鎧の手を握り、静かに寝息を立てていた。
「………いや、そうはならんやろ。」
さっさと投稿することを心掛けます。




