ラウンド1
完璧にしくじったな。ファンタジー舐めてた。
あいつ倒さないと出られないパターンじゃん。
てか、浮いてる上のすごくね?どうなってるの?
それと、本体絶対にあの禍々しい剣だよね。鎧の装飾と合わなすぎ。あと、纏ってるオーラが剣の色と同じ。
つまるところ、剣の破壊がこのバトルフィールド解除の鍵だな。安直で助かる。
俺の体の大きさからして踏んだだけで壊せそう。
考えがまとまったところで、予備動作無しで鎧が突っ込んできた。
なかなか早い。
鎧は俺を攻撃範囲に収めると横薙をしてきた。
勿論、攻撃をステップで避け、同時に壁からも距離を取る。
個人的に飛ぶ斬撃が来ると思っていたから、ちゃんと斬りかかってきてくれて少し安心した。
この広さの闘技場で、斬撃を連発されたらこの体の大きさで避けきれる自信がない。
鎧は間をおかずに剣を振り回してきた。
そう、振り回してきた。
剣術や、技というものは経験も体験もない素人だが分かる。
理由は簡単。地面を抉りながら剣を振っている。付け加えて言うと、刃とか関係なく振っている。
そして、大振りな上から下、下から上に。右から左、左から右に。
単調な攻撃だ。
ただ、空中に逃げると、元々浮いてるため、追いかけて来て剣を振る。
勿論、体を捻って避けるが、鎧はずっと浮いてるためそのまま追撃をしてくる。そこが厄介だ。
逆に言うとそこだけだった。パワーはあるようだが当たらないため関係ない。
1つ試したいことがあった。。
俺は大きくステップする。
鎧は相変わらず、真っ直ぐに詰めて来る。
鎧が剣を振ろうと振りかぶる瞬間、俺は素早く反転、振りかぶった状態の鎧にバックキックを食らわせる。
感覚的にクリーンヒットだった。 元々浮いてることもあってか、景気よく鎧は吹き飛んだ。
鎧は剣の壁を越える勢いだったが、越えようとする瞬間、越えようとしている下のフィールドを形成している剣が、抜け、壁として機能した。
このフィールドを形成している剣の壁、実を言うと飛び越えることが可能だ。
だから、剣の壁を越えようとするとどうなるのか知りたかったのだ。
鎧の場合、壁としとして機能したが、俺の場合はそうとも限らない。以前注意は払うべきだ。
壁に叩きつけられた鎧はゆっくり最初に浮いていた高さにまで降りてきた。
ダメージが入っているようには見えない。。
きれいに攻撃が入った感覚はあったが鎧にへこみなどはない。
思い切り蹴ったつもりだが、ダメージが入ってないのは悲しい。
制止していた鎧の持っている剣から突如、禍々しい霧が吹き出し鎧を包んだ。
しばらくして、霧の中から赤く目を光らせ、禍々しい霧と同じ色をした鎧が出てきた。
どうやらラウンド2が始まるらしい。
多分期間は開かない。




