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犬かよ  作者: oz
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何で俺が 2


日の光が心地よい。


 暖かな風が吹き、朝特有の怠惰が半覚醒状態の俺の脳にクリティカルな一撃を叩き込みそのままノックダウンさせようとした。


しかし、思考が許さない。


「は???風???」


 瞬間、意識が覚醒し飛び起きた。それと同時に強烈な違和感を感じる。


「体が動かせない! しかもここは外!?」


 パニックに陥った俺は暴れ回った。


 しばらくして、動きを止め落ち着きを取り戻し思考を巡らせた。


 結論は3秒で出た。


「終った」


 毛が全身にまんべんなく生えており、足の形体からみて4足歩行の動物だろう。

 そして、尻尾の形状から


「犬だな」


 この判断は間違っていないはずだ。

鏡がないため、視界と前足で触っての確認だが顔にも毛が生えている。


「人面犬じゃないだけましだな」


 自嘲気味に呟いたつもりだが、もちろん声は出ない。しかしながらため息は出るようだ。


 毛の色は黒と白。長さは一般的なものだろう。


 どうするか悩んでいた俺は、もうひとつの異変に気がついた。


「この植物、みたことねえな」


 明らかに日本では見たことの無い植物がそこらかしこに植生している。それも一種類ではなく視界の範囲すべてがそうだ。


 植物に詳しくない俺でもわかる。


 おそらく小型の鳥の鳴き声であろうさえずりも、聞いたことのないものだ。


 ここで、俺の頭にこんなことになったいくつかの可能性がうかんだ。


1、ネット小説でよく見る転移もの。

2、何かしらの実験台にされている。

3、夢

4、薬

5、ゲーム機のへッドセットを被らせられて見せられている世界。


 そこまで考えて、俺はそこで思考を打ち切った。考えたところで、埒が明かないからだ。


 とりあえず行動をすることにした俺は、自分の背丈より高くなった草をかき分け目的地もなく歩き始めた。

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