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疑似転生記  作者: 和ふー
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幸運の魔法

  メイリーの姉、リリーが『真実の眼』というスキルを授与された。このスキルの効果は相手の嘘を見破るという、単純だが強力なモノであった。特に商人にとってはかなり有用なスキルである。ライルも地味であるが『暗算』スキルによって、商売の効率化に一役買っており二人ともこの商会に必要不可欠な存在になり得るだろう。

 将来、商人になるつもりはさらさら無いメイリーにとっては、願ってもない状況であった。兄姉のお陰もあって商売は順調であるし、これならばメイリーが、家を出て行くことになっても家族が困ることは無いだろう。


(良い展開になってきた。これなら体を鍛えたり魔法の勉強をしていても文句は言われないだろう。)


  とメイリーの思惑通りに進むかに思われたが、なかなか人生はそう上手くいかなかった。スキルでリリーのように良スキルを授与される者は希少である。そのため普通ならどんなスキルを授与されたのかは、隠す傾向にある。しかしメイリーの両親はリリーのスキルによって、自身の商会の運気が良い事のアピールに使い出した。それだけなら良かったのだが、姉のリリーが、スキル授与の前日にメイリーに魔法を掛けられた事を喋ってしまったのだ。

  メイリーが当時、生後半年ほどの赤ん坊であったことを知っている人たちは、冗談として受け取っていたが、メイリーの事をよく知らない人や、そんな冗談のような話にも縋りたくなるほど、切羽詰まっている人が、メイリーに魔法をかけて貰うように頼んでくる事があった。


「娘はまだ1歳にもなっていません。確かに魔法は使えますが、それがスキルに関係があるかは」

「それでもいいんです。一人息子のスキル授与なんです。出来ることは全部…」


  頼まれたのが、お得意先であった事もあり、両親は仕方なく引き受けた。メイリーも自分の明るい未来のために商会が上手くいった方が良いので、引き受けた。するとメイリーの魔法をかけられた男の子はリリーには劣るモノの、かなりの良いスキルを授けられた。これで終わりだと思っていたメイリーだったが、このことが噂となり今まで半信半疑だった人たちがこぞってメイリーの魔法を求めるようになってしまったのだ。

  

(運気上昇系魔法が上達してもな。今は魔力の向上と攻撃魔法の習得に努めたいんだが。)


  幸い、もう直ぐ1歳となり口答での意思表示が可能となってきたメイリーは、前世でもノーと言える人種だったので、両親に説明した。


「あれは運あげる。でもいっぱいは無理。」

「そうか。じゃあ人数を絞るしかないか。」


   と言うことで商会に有益な人の頼みで特別に魔法をかけるという事に決定した。しかしこの問題にはもうひと騒動起こるのだった。

それはメイリーが1歳の誕生日を迎えてすぐのころであった。この街の領主が自身の子供にメイリーの魔法をかけるように依頼をしてきたのだった。

   

 

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